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人との交流(8.水地比)

戦うことを表す地水師の次に出てくるのは、水地比(すいちひ)。水地比は、人と親しむという意味を持つ卦です。

水地比

地水師と水地比はどちらも多くの人が集まっている状況で、地水師が外敵に立ち向かって戦う姿勢なのに対し、水地比は内部の人間関係を構築するようにさまざまな人と交流することに焦点が当てられています。
それはたとえば受験戦争や就職戦線を終えて学校や組織に入った後に、新しく人と関係を築いていくようなものでしょうか。
水地比は、人と親しみ、交流したり助け合ったりすることを表します。
 
さまざまな人とのつき合いは社会生活には欠かせないもの。人との交流は世界や見方を広げ学びや成長を促しますし、仕事を進めようとする時など人の協力が不可欠な場合も多くあります。
ただすべての人とうまくつき合えるわけではありません。人とのつき合いについての言葉がかけられているのが、水地比の卦です。
 
水地比では、お互いによい影響を与え合えるような正しい心持ちで付き合える人とつき合うことが大切とされます。
悪影響があるような人とはつき合うべきではないですし、人には合う合わないもあるもの。
またその人自身ではなく周りや情勢を見て損得で関わってくる人とは関わらないこと。自身も損得でつき合う人を選ぶのではなくて、誠実さを大切にすること。
そんなことが書かれている水地比の卦。すべての人とうまくつき合えるわけではない、つき合う人は誠実な心で選ぶ必要がある、ということはあたり前のようではありますが人づき合いについて迷ったり悩んだりした時、立ち返りたい基本の姿勢です。
 
一つの卦は、六本の陰または陽の線で構成されていますが、下三本と上三本に分け、それぞれの一番下、真ん中、一番上同士の陰陽の組み合わせを見る見方があります(初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻が「応」じているかという言い方をします)。
また下三本の真ん中(二爻)と上三本の真ん中(五爻)は「中(ちゅう)」と言い、バランスの取れたよい位置とする原則などによって、一つ一つの陰陽がどこにどのように置かれているかで、その状況でのさまざまな立場の人の関係性を見ることもあります。
状況を六本の陰陽の線で構成された卦に重ね合わせて読むのが易。位置や状況によってうまくいくこともあればいかないこともあったり、合う合わないがあったり。易は、状況を陰陽で見ることで違う視点から物事を捉える視点をくれるような気がします。

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