育毛剤と発毛剤の効果的な使い分け
薄毛対策をするときに迷うのが育毛剤と発毛剤どっちを使ったらいいの?ということだと思います。
実は育毛剤と発毛剤は併用することが出来るものなんです。
育毛剤と発毛剤の効果と使い分けの方法、併用する利点について解説していきます。
育毛剤と発毛剤の効果的な使い分け方法
・育毛剤:髪を太くしたり、髪を長く育てるために使用
・発毛剤:髪が生えてこなくなった頭皮に髪を生やすために使用
より効果的な使い方としては、育毛剤と発毛剤を併用するといった方法もあります。
育毛剤と発毛剤の違い
・育毛剤は医薬部外品や化粧品として販売
・発毛剤は医薬品として販売
こういったカテゴリー区分の違いによって分けられています。
医薬品に関しては、効能効果が表示できるといった利点があります。
そのため、医薬品として承認を受けるために人での試験結果が必要になってきますのでそれだけ費用と労力がかかってきます。
そういった費用と労力をかけなくても販売できるのが医薬部外品や化粧品といった区分になります。
しかし、医薬部外品や化粧品でも、人試験の結果があるものもありますし、医薬品から化粧品や食品に区分が変更になるものも多くあります。
例えばコエンザイムQ10ですが、これはもともと医薬品として販売されていたものです。
ユビテンS(CoQ10製剤)として、第3類医薬品として販売されていたものが、食薬区分により化粧品や食品として取り扱いが承認された成分で、今ではほとんどのコエンザイムQ10が健康食品として販売されています。
参考資料:https://www.eisai.jp/products/ubitens/ubitens
(2012年に製造を終了しています。)
化粧品や健康食品にはこういったものがたくさんあるので、本当に効果があるものを見分けるのは難しいのが現状です。
ここでは育毛剤と発毛剤について解説していきたいと思います。
発毛剤の効果
壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防。
発毛剤の有効成分は【ミノキシジル】ですが、【発毛】と効能効果が表示できるのは医薬品だけになります。
ミノキシジルはもともと血圧降下薬として用いられてきました。
ミノキシジルを投与された人が、多毛症の副作用がみられることから現在では発毛剤として用いられることになった医薬品です。
ですから、ミノキシジルの発毛に関係する作用機序があまり良く分かっていないのが現状です。
医薬品の開発は通常、「○○の症状に効く薬を作る」ところから始まります。
例えば薄毛対策に使用される抗男性ホルモン薬の「フィナステリド」は、ノコギリヤシから抽出されたエキスから開発された医薬品です。
そのため、ノコギリヤシにも効果はあるが、ノコギリヤシの改良版である「フィナステリド」の方が効果があるということが言えます。
ノコギリヤシ < フィナステリド
ミノキシジルの作用機序はよくわかっていないということが現状なのですが、研究では少なくとも5つの作用があると考えられています。
・毛周期の制御
・血流の促進
・毛包細胞の増殖
・細胞成長因子の産生促進
・男性ホルモン抑制作用
参考文献:専門医が語る 毛髪科学最前線
この5つの作用が多角的に薄毛にアプローチするため発毛効果が得られると考えられています。
育毛剤の効果
・毛母細胞の増殖(キャピキシル:アカツメクサ花エキス)
・男性ホルモン抑制作用(キャピキシル:アセチルテトラペプチド-3)
・幹細胞の分化と毛乳頭細胞の増殖(リデンシル)
薄毛対策としておすすめの成分である、キャピキシルやリデンシルの効果になります。
キャピキシルはアカツメクサ花エキスとアセチルテトラペプチドー3の複合製剤ですが、1成分1機能といったところが限界。
この点を考慮しても、ミノキシジル1成分で5つの作用が見込める点でも発毛剤の方が効果があります。
また、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」でも、ミノキシジルは推奨されている成分となります。
参考資料:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
発毛剤ミノキシジルのデメリット
ミノキシジルにもデメリットはあります。
それは副作用。
・かゆみ
・塗布したところが赤くなる
・フケ
・炎症
・ヒゲが濃くなる
体質的に合わない人もいるので、使用する際には注意が必要になります。
とくに赤みやかゆみ、炎症などを起こしてしまう人には発毛剤はおすすめできないので、育毛剤の使用を検討する方が賢明だと思います。
育毛剤は開発のスピードが速い点も魅力のひとつです。
経皮吸収の点からエタノールの使用が不可欠な発毛剤に対して、エタノール不使用の発毛剤も開発されています。
また、遺伝的にミノキシジルが効きにくい人もいます。
それは硫酸転移酵素の活性が低い人。
硫酸転移酵素の活性が低い人は、カッコンエキスやゲンチアナエキスなどの成分が効果がありますが、キャピキシルやリデンシルなどの育毛剤で薄毛対策できる可能性があるので、検討してみる価値はあります。
育毛剤と発毛剤の併用
髪が生えていない頭皮に髪を生やす力は、ミノキシジルの方が適していますが、生えてきた髪を育てるには育毛剤の方が適していることもあります。
ミノキシジルは使用感が悪いといったデメリットもあるので、髪が生えてくるようになったら、それを育てる力は育毛剤に頼るといった方法もあるので自分の頭皮の状態を確認しながら、どちらを使用したら良いのかを検討しながら薄毛対策を進めていく方が効果が期待できます。
結論
育毛剤と発毛剤を比べたときにどちらが効果があるかと言えば、ミノキシジル配合の発毛剤です。
しかし、ミノキシジルで効果があらわれない人もいるということ。
・炎症を起こしてしまう人
・硫酸転移酵素の活性が低い人
また、男性ホルモンによって毛包のダメージが激しい人もミノキシジルでは効果が得られないこともあります。
ミノキシジルの使用には年齢制限があり、20歳未満の人は使用できないので、10代の人で薄毛が気になる人は育毛剤の使用を検討してみてください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?