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格安SIM(MVNO)をネットワークビジネスとして扱う価値はあるのか?〜元公務員の副業検証〜

よくSNSを利用していると、

今スマホ代はいくらかかっていますか?
もし今より通信費が安くなったらいいと思いませんか?

などの勧誘DMが届くことが多いです。
いわゆる格安SIM系のビジネスの勧誘です。

確かに通信業界、
ことMVNO団体からの要望に
総務大臣が「スピード感を持って進める」と
回答しています。

ではこの格安SIM、
特にネットワークビジネスの商材として
扱われた場合、
将来性はどうなのか検証してみます。


格安SIM、MVNOって何?

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そもそも格安SIMとは何なのでしょうか。

格安SIMは

格安で利用できるSIM

の事で、格安SIMを提供しているのが「MVNO」と呼ばれる事業者です。

携帯電話の通信には、大きく分けて

・MNO=docomo、au、softbankなど携帯大手、キャリア
・MVNO=格安携帯系

の2種類があります。

携帯大手キャリアが自身の通信環境を持ち
電話やインターネットのサービス提供をすることに対し、格安携帯系は

自社で通信環境を持たずに
キャリアの電話回線やインターネット回線の設備を借り受けて
移動体通信サービスを提供する、「仮想移動体通信事業者」。
MVNO=モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレーター

と定義されます。

現在参入しているMVNOは
殆どがdocomoからネットワークを借りているため、
docomoが繋がるエリアなら格安SIMでも通信できる事になります。

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(引用元:第2回 格安SIMって何がどう安いの? 何で安いの?[田中聡,ITmedia]

また通信設備の初期投資が不要のため、
その分携帯料金を低額にすることが可能です。

ユーザーにとって格安SIMのメリットとしては
大手携帯キャリアで契約する場合
平均月5,000~7,000円程度かかるのですが
格安SIMに乗り換えた場合、月額料金が2,000円前後に抑えることも可能。

毎月のスマホ代が高くて悩んでいる人、月額料金を抑えたい人にとっては
選択肢が増える事になります。

また、キャリアで2年契約を終えた人やスマホ端末代金の支払済の場合、
解約料やスマホ端末料金が少ない(または無い)ため、
格安SIMの乗り換え時に費用がかかっても
乗り換え後の格安SIMの月額費用が安くなるという点が最大の特長です。

一方格安SIMのデメリットとしては 

・通話料が高い:通話に特化したプランを選ばない限り、多くが20円/30秒
・時間帯によって通信速度が遅くなる:キャリア利用者含め多くの人で通信回線をわけて提供するため

ことなどが挙げられます。

そんなMVNOですが、
上記で説明した性質よりMNO各社に接続料を支払っているのですが、
総務省は2020年10月発表した計画で
「今後3年間で半減を目指す」としているのです。

要するに、
「支払う接続料が安くなるように急ぎます!」
・・・と言う計画です。

確かに
一見格安携帯系の企業側としてはコスト削減になりますが、
実際に大手キャリアや他の格安企業から
新規顧客を獲得するには

キャリアより、他社より価格を下げないと競争に勝てない

ことにもなります。
そうすれば価格を下げることにより、当然利益も減ります

利益が減ると何がダメなのかと言うと、
不測事態に陥った際にあっという間に赤字転落してしまうのです。


格安SIMのネットワークビジネス

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ではこの格安携帯系の中でも
格安SIMをネットワークビジネスで扱うと
どうなるのでしょうか?

現在格安携帯系の会社は
1100社以上存在しています。

MMD研究所調べによると、
15歳~69歳の男女40,000人を対象に
携帯電話・スマートフォンの利用について聞いたところ、
現在利用している人は87.4%です。

通信サービスを携帯電話・スマートフォンで現在利用している34,962人を対象に、メインで利用している携帯電話・スマートフォンの通信サービスを聞いたところ、「docomo(34.9%)」「au(24.6%)」「SoftBank(15.5%)」「楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT)(2.5%)」と4キャリアを合わせると77.5%となり、そこにキャリアサブブランドの「UQ mobile(3.0%)」「Y!mobile(7.2%)」を合わせると87.7%
「MVNO」は12.3%と言う状況です。

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さらに、
MVNOをメインで利用している4,297人を対象に、利用している通信サービスを聞いたところ、「楽天モバイル(MVNO)」が30.0%と最も多く、次に「mineo」が14.2%、「OCN モバイル ONE」が10.7%となっています。

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ネットワークビジネスとしては

・ペンギンモバイル
・スターモバイル
・ゼロモバイル

などが勧誘を受ける際によく耳にしますが、

上記のグラフでもご覧の通りですが
私たちが携帯料金を比較する際に活用する比較サイトで検索すると
必ずと言っていいほど
大手の格安SIMが上位表示され、
上記の会社名を見ることはまずありません

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なお、2014年10月からの推移をみると、
MVNOは「UQ mobile」を除くことで12.3%と1.7ポイント低下し、
キャリアサブブランドを含む格安SIMは22.5%と2.2ポイント上昇する結果となっており、非常に厳しいマーケットであることがわかります。

(以上引用元:MMD研究所

また、アフターサービスについて考えた場合、
日本では多くの人が店舗を訪れ問い合わせする割合の方が高いのです。

大手格安キャリアは
全国に1000店舗規模で展開され
アフターケアについても安心感がありますが

大手以外の格安キャリアは店舗などなく、
手続きした代理店に至っては
専門的な教育を受けてもいない
知識面で圧倒的な素人が対応するのです。

通信面においても、
格安系は大手キャリアの回線を借りているため
通信環境が安定していない一面もあります。

キャリア利用者含め多くの人で利用するため
利用者が多くなる時間帯は通信速度が遅くなることがあります。
特に以下の時間は利用が集中するので、遅く感じやすいかもしれません。

・平日朝の通勤・通学の時間帯:7~9時頃
・昼休みにあたる正午:12時頃
・夜の就寝時間前:21~23時頃


大容量のデータ消費が必要なアプリダウンロードや動画閲覧など、
なるべく混雑する時間帯を避けるなど対策が必要です。

高速道路に例えるなら

MNO→ETCレーンをスムーズに通る
MVNO→現金支払のレーンで渋滞していつもスムーズに通れるかわからない

状態なのです。

・・・あなたなら
携帯を使うときに何を重視しますか?

料金が安いければ良い、という方なら問題ないと思います。

ただし、
通信環境やアフターケアなど
安心安全面が重要と考えるなら検討が必要
です。


格安SIMビジネスの課題

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では、こんな小さなシェアを巡って
なぜ格安SIMのビジネスは
こんなにたくさん存在するのでしょうか。

誰でも扱える、ということもあるのですが

SIMが売れていない

という現状があるのです。

なぜなら現在の携帯電話市場のマーケットは
誰もが携帯電話を持っていて需要自体が少なくなっているため
後発ではマーケットで顧客を獲得するのは
非常に厳しいうえ、

価格がすでに低く設定されているので
利益率も低く儲からないのです。

需要が少ないため、
代理店を増やして登録料で売上を増やそうとし
格安の会社や代理店が増えるのです。

したがってネットワークビジネスでは

登録料を報酬として回しているため
店舗の利益率が低い

ということになります。

また格安系では
本人認証や年齢が必要なコンテンツは使用できない規制面も影響しています。


格安SIMをネットワークビジネスとして選ぶ価値はある?

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結論、私の見解としては
格安SIMを利用するのは現時点ではオススメしません
特にネットワークビジネスとしては尚更オススメできません。

私もじっさいに勧誘を受けた際、

・使うだけで安くなる
・スマホは絶対みんな必要性を感じるインフラだから将来性がある

と言われました。

確かに安いことが最優先の条件と考えるユーザーにとっては
格安SIMの方が良いケースがあります。

もし、安いのが売りと言うのが格安SIMであるなら

安いと思わなくなったら価値がなくなる

とも言えるのではないでしょうか?

しかもみなさんご存知の通り、
その事態はすでに起こっていますよね。

docomo、au、softbank、楽天といった
いわゆる大手携帯キャリア各社が
データ容量20G使用可能で2980円
というプランまで発表されています。

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(引用元:徹底比較:ドコモ・au・ソフトバンク ・楽天モバイル- 大手キャリアのスマホ代・携帯料金プラン比較

マーケット全体で見た場合に多くの人々は

大手キャリアで価格も安く利用できるのに
わざわざ格安SIMを選ぶ必要はない

と考えるのが自然です。

むしろネットワークビジネスで扱うことによって
代理店登録料や権利収入のための月額費用により月々の料金は上がりますw

・・・わざわざ安心で安いプランもある大手キャリアから、
わざわざネットワークビジネスの格安SIMに移行しますか??

残念なことに
ネットワークビジネスのなかには
情報弱者が知識がないことを利用して

簡単に儲かると言うイメージを植えつけて情報弱者からお金を捲き上げる

ビジネスが存在しています。

だからこそ
オイシイ話のビジネスこそ調べる癖をつけてください。

もし今勧誘されていて

「このビジネスは大丈夫?」
「どんなビジネスを副業にすればいい?」

とお悩みでしたらお気軽にご相談くださいね。
コメント欄からメッセージお待ちしています。


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