魔法少女サブスクリプション

「お前も魔法少女だったのか~☆ミ」
有識者面したコメンテーターみたいなふざけた声を出しながら、Lサイズのピザを食べすぎてブクブクと太った外人みたいな体形をした、梅雨に換気を怠ったために壁に生えたカビのような緑色の人間みたいなゴミの前にあたしは立っている。
意味もなく吹いてくる向かい風の所為で私のスカートは何度もめくれあがるが、いま付けている下着だけは誰にも見えていない。コンプライアンス上のマスク処理がかかっているお陰で、これを見ているお前らの脳みそは下着を見てないと認識している。
あたしはウサギの遺伝子組み換え実験に失敗したような相棒にマウスガードを咥えさせてもらいながら、この緑色のゴミをどうやって瞬殺してやろうか考えている。
「いいか、あの豚の足だ。足を狙え」
相棒は6つの耳をバラバラに動かしながらアドバイスする。
けど、そんなことはどうでもいい。これを終わらせてあたしは早くシャワーを浴びたかった。

【続く】

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