#恋つづ TBSは日曜も金曜もあるのに火曜も強い

今日もテレビドラマについて語りたい。

今期もっとも盛り上がったのは「恋つづ」でしょう。

佐藤健さん上白石萌音さんがW主演で世の中をキュンキュンさせまくった「恋はつづくよどこまでも」。私は、お得意の良いとこだけ虫食いでウォッチし続けて最終回までなんとなく並走?しました。

さて、対して見てないので、今回もドラマ本編でなく、このTBS火曜10時枠について分析する。この枠も、日テレ日曜10時半同様に、ベンチャードラマ枠だ。

2014年4月から始まってるようだ。私の見立てとしては、この枠は日曜10時半枠以上に、あっという間に、ドラマ界”スタメン入り”を果たしていったキラキラ枠である。かつては、火曜の9時10時といえば、フジテレビの牙城だったが、いまやTBSに完全にやられてる。

もはや社会現象化した「逃げ恥」が、この枠を一気にスターダムに押し上げたと記憶している。野木亜紀子さんが脚本なことがまず間違いなしだったし、その上、ガッキーと星野源、さらには石田ゆり子にまでオープニングで躍らせた、その話題化もうまかった。石田ゆり子はこの役でプチ再ブレイクした感さえある・・・、「逃げ恥」についてもいろいろ語りたいが、ぐっとこらえて、話を進めます。2016年からのこの枠で放送されたタイトルを以下並べます。

2016年:『ダメな私に恋してください』『重版出来!』『せいせいするほど、愛してる』『逃げるは恥だが役に立つ』
2017年:『カルテット』『あなたのことはそれほど』『カンナさーん!』『監獄のお姫さま』
2018年:『きみが心に棲みついた』『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』『義母と娘のブルース』『中学聖日記』
2019年:『初めて恋をした日に読む話』『わたし、定時で帰ります。』『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』『G線上のあなたと私』
2020年:『恋はつづくよどこまでも』

ここで気づくことがある。おわかりだろうか。

すべてに共通することがまず一つ。女性が主人公のドラマであること。「花晴れ」の平野くん、「はじ恋」の流星、「恋つづ」の佐藤健、などほぼW主演のものはあれど、演技力があって旬な女優さんが、主演をはっている。深キョンと波瑠ちゃんにいたってはこの短期間で2回も主演で出ている。

日曜のサラリーマンたちと違って、退屈な日常から抜け出したいという願望を抱えた若い女性たちが仕事から帰って、ストレスを発散するがごとく、胸キュンな非日常をドラマで、追体験したい!と強く思っているのが、火水木あたりの夜帯だろう。ドラマの役で例えるなら、「凪のお暇」でまだストパーだった凪みたいな女の子たちがターゲットだろう。彼女たちが自己を投影していく対象として、女優さんが、主人公として奮闘していくことが大事だ。そして、ちゃんと旬の人気女優を起用することで、”見るに値する”メジャー感を担保してきたことも、ベンチャー枠としては重要だっただろう。

そして、二つ目の共通点は、「カルテット」と「監獄のお姫さま」をのぞいて、ほとんどが少女漫画が原作であること。ここがとっても重要なファクターだっただろう。オリジナルでチャレンジするよりも、すでに女性ファンがいるコンテンツを原作とすることで、ゼロからテレビで宣伝していくよりも、その前にネット上ですでに話題化されている状態がつくられ、それが追い風になっていたことが推察される。

原作ファンたちが、まずドラマ化というニュースに飛びついて、「嬉しい!」とか「あの役は誰だろ」とかとかつぶやく。さらに配役が発表されるたびに「あの役にあってる!あってない!」とかとかつぶやく。ネットニュースを書く素材もどんどん溜まっていくわけである。

振り返ると2014ー2015年は少女漫画原作の作品はひとつもない。この2016年「ダメ恋」からの”少女漫画が原作”という方向転換が、このベンチャー枠の成長戦略を決定づけたように思う。そしてその年末の10-12月の「逃げ恥」が爆発的ヒットとなる。

今どきは、リアタイしつつ、Twitterの感想も、ながら見しながらドラマを見る時代。始まる前も含めて、Twitterでどうつぶやかれるかが、ドラマの視聴率に大きく左右する。そこを味方につけられたことが”スタメン入り”を大きく後押しした。

もちろんベースには、TBSドラマ班の安定したクオリティがあることを忘れてはならない。原作に対する高い解釈力と脚本家のキャスティングも素晴らしい。それはつまり良いスタッフ・プロデューサー陣がいるのであろう。

日曜10時半とは、真逆を行くようなかたちではあるが「人気女優」×「人気少女漫画原作」という勝てるメソッドを見つけ出したのが、TBS火曜10時枠である。4月期の多部ちゃんの新ドラマにも期待。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?