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化粧品の引き算

「女性の顔の症状を見たら、接触皮膚炎(かぶれ)を疑え」
研修医の頃、上級医の先生に言われた言葉です。

「これを使い始めたら、顔が真っ赤になりました。」
という場合はかぶれを皆さん考えると思います。
でもかぶれは今まで使っていた物でも起きることはあるんです。
ご自身がかぶれの原因と考えてない今まで使っていたものでも起きることはあるので、やはり皮膚科医は女性の顔の症状を見ると、接触皮膚炎は鑑別に考えなければいけません。
色々お話を伺って、確かに接触皮膚炎が疑わしいと判断すれば、
一旦全てお顔につけているものの中止をお願いして、
洗顔後の保湿はワセリンかプロペトのみにして、
症状に応じて薬を処方します。

1、2週間中止して、お薬塗ると接触皮膚炎の場合はかなりの方が改善します。
再開する時の判断のために、化粧品のパッチテストと言って、
持参いただいた化粧品を腕や背中に2日間貼り付ける検査をすることもあります。
これを行なって陽性反応が出れば、陽性のものを避けて、陰性のものを1つずつ開始することができます。
但し、この検査が陰性でも実際に肌に塗り続けると症状が出るという場合もあるので、開始するときには化粧品を1つずつ再開してくださいねとお話しています。(より怪しい時は、お顔につけ始める前に肘の内側に3x3cmの範囲に1日2回1週間塗って、ぷつぷつが出なければ、お顔に開始しましょうとお話します。)
このステップを丁寧に踏んでいただけると、皮膚症状が安定しやすいですし、それでも皮膚症状が良くならない時には、接触皮膚炎の可能性を除外しながら、他の疾患の可能性はないかなと考えやすくなります。

どうしても、肌荒れ起こすと、それを抑える成分を足していただこうとする方もいらっしゃるのですが、皮膚に炎症を起こしているときは引き算も大事だなと思います。引き算した上で、主治医の先生によく診てもらって、お薬が必要なら出してもらうことが大切かなと思います。
もちろん、足し算せずに、敏感肌用に変更しましたとおっしゃってくださる方も沢山いらっしゃいます。それはとてもお肌に優しいことだと思いますし、経過がとても重要なので、荒れてきてから、こちらに変えた〜〜ときちんと教えていただけることはとてもありがたいです。

今日はエビデンスベースというより、実地診療でよくお伝えしていることをシェアさせていただきました。


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