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【6人声劇台本】遺言書の謎~伊集院家 事件簿~

苗字や名前は 自由に変えてくださってOKです
共演者さん達の名前で呼び合うのも楽しいと思いますよ

人物紹介  【計6人】

・伊集院マユ ♀ 長女

・伊集院カナ♀ 次女

・伊集院リョウ♂ 叔父

・伊集院家の執事 
(ナレーション兼ねる)♂

・不二(ふじ)探偵 ♂♀不問

・宇土(うど)探偵 ♂♀不問

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【6人声劇台本】
遺言書の謎 ~伊集院家 事件簿~


・執事 (ナレーション)
政財界にも通じている 伊集院財閥
ここまで大きくしたのは
ワタクシが、お慕(した)えしております
3代目の旦那様です

先日 その旦那様が、お亡くなりになりました…
伊集院家には、男子は おらず
長女マユ 次女カナ の姉妹がおり
旦那様、亡き後は姉妹のうちのどちらかが継ぐだろうと周囲は思っておりました

遺言書があれば 旦那様のご意向が
わかるのですが…
これが、骨肉の跡目(あとめ)争いの引き金になったのです

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

・カナ
「マユお姉様!!来てちょーだい」

・マユ
「なあにカナさん
そんなに大きな声だしてっ!
はしたないっ」

・カナ
「お父様の遺言書が出てきたのよっ」

・マユ
「えっ!? ちょっとぉ 何これ!!
どういうことよ!!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

・不二(ふじ)探偵
「もしもし こちら不二(ふじ)探偵事務所
はい?!…遺言書が遺言書ではない??
話しが見えがませんが…」


・宇土(うど)探偵
「遺言書なら、お抱えの弁護士さんなりなんなりに依頼した方がよいのでは?」


・不二探偵
「わかりました…とりあえず
伺いますんで
………
はい…私 ひとりで…ですか
内々(ないない)に…はい 」


・宇土探偵
「はい、では 明日(みょうにち)
AM 10時に 裏門から 伺うっと
………
はい、わかりました 裏門ですよね」


・執事(ナレーション)
どうやら姉妹は、それぞれ探偵に依頼したようです
遺言書が見つかったのに
何があったのでしょうか…

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

・カナ
「こっち こっちよ 静かに来て
お姉様に見つかったら大変だから」

・宇土探偵
「わざわざ 外で お出迎え
ありがとうございます!」

・カナ
「シーっ 大きな声 出さないでよ
さあ、さっさと行きましょ
探偵さんっ 」


・マユ
「ようこそ お越しくださいました
さあ、中にお入りください
………
妹に 気づかれると困りますので
さっそく 本題に入りましょう」

・不二探偵
「はい…そうですね
………
遺言書ではない 遺言書とは
なんですか?」

・マユ
「これを ご覧になって」


・カナ
「酷いでしょ!? この遺言書」

・宇土探偵
「そうですね…これは…
遺言書とは言えませんね…」

・カナ
「遺言書って言うのは、財産の半分を誰に〜とか具体的に書いてあるもんでしょっ?! 」


・不二探偵
「金庫の中に本物の遺言書があるってことでしょうかね…」

・マユ
「それは 私にも分かるんですけど…
暗証番号が分からないんですよ」


・執事(ナレーション)
姉妹の様子を訝(いぶか)しげな顔で見ている男性は 叔父のリョウ

リョウは、旦那様の弟で
ことあるごとに旦那様と対立しておりました
旦那様 亡き後リョウは
自分が引き継ごうと策(さく)を練って
良からぬ動きを見せていました


・叔父リョウ
「兄さんの遺言書が 見つかったと言う噂(うわさ)は、本当だったか…
なんと 浅ましいことだ
別々に探偵を頼むとはなぁ…

ここまですると言うことは…
遺言書に 後継者のことや財産分与のことが書かれているはずだ…
では、なぜ探偵に依頼をしたんだ…
あの遺言書に なんて書いてある?

こんなこともあろうかと隠しカメラを
設置しておいて良かったな」


・マユ
「ここに [金のありかは母の子守唄]と書いてあるじゃないですか」

・不二探偵
「お母上の子守唄って覚えてらっしゃいますか?」

・マユ
「おぼろげに…ですが」


・宇土探偵
「子守唄が…金庫の暗証番号を
あらわしている」

・カナ
「 3歳ぐらいの時にママは死んじゃったから… 」

・宇土探偵
「そうですか…なら難しいですかね」

・カナ
「あっ! でも 終わりのほうなら
わかるかも」


・叔父リョウ
「なるほど…
金庫の中に本物の遺言書があるのか
頑固で嫌味な兄さんらしい
手の込んだことをする

マユかカナ のどちらかが
金庫を開けたら
すぐに遺言書を奪ってやるっ

もしかしたら、隠し財産のありか
も わかるかもしれんぞ
とにかく奴等が開けるまで待とう」


・マユ
「はじめの部分なら わかります」

・不二探偵
「聞かせてください!!お願いします」

・マユ
「♪ころころ たんたん
ころたんたん
いちばん鳥が 虹になり
南の空に かかる時
ぐるるぐるる と鳴いたとさ」

・不二探偵
「その続きは ないのですか!?」

・マユ
「続きが あったように思うのですが…
思い出せなくて」


・宇土探偵
「覚えているところだけでも聞かせてください!! 」

・カナ
「♪ころころ たんたん
ころたんたん
三角お堂が 輝いた
北の空に 灯(とも)る時
ひゅるる ひゅるる と七つ星」

・宇土探偵
「凄いじゃないですか!
これが全部なんじゃないんですか?!」

・カナ
「前半があったはずなのよ…
でも忘れてしまって… 」


・叔父リョウ
「なに 呑気に歌ってやがるんだ💢
まさかっこの歌に謎が隠されているのでは あるまいなっ
この歌が金庫の暗証番号の手がかりなのか!?
早く解き明かせっポンコツ探偵どもっ💢💢」


・不二探偵
「とりあえず、わかっている歌詞から数字を導(みちび)き出してみましょう」

・マユ
「はい、やってみましょう」

・不二探偵
「いちばん鳥の 1 と
虹になり の 2 ですかね」


・宇土探偵
「三角お堂 の 3
七つ星の 7
前半の数字って検討つきますか?」

・カナ
「えーわかんない💦やっぱり前半がわからないとダメなんじゃないの?!」


・不二探偵
「金庫の前に行ってみるだけ行ってみましょうか」

・マユ
「何か思い出すかもしれませんしね」


・カナ
「ねぇ 金庫の所へ行ってみましょうよ!!
思い出すかもしれないし、お姉様に先を越されては大変だから」

・宇土探偵
「ははっそ…そうですね」


・叔父リョウ
「おお!! 奴等が 動くぞ
ついに暗証番号が わかったのかっ!!
よし、俺も行こう」


・マユ ・カナ ← 同時
「えーっ!! なんで!?」

・マユ
「カナさんっ こんな所で何をしているのよっ💦」

・カナ
「何って たぶん お姉様と同じ理由よっ💦 」

・不二探偵
「それぞれ 探偵に依頼していたとはね…」

・宇土探偵
「膨大(ぼうだい)な遺産がある家は大変ですね 」

・叔父リョウ
「おい‪💢早く金庫を開けろっ」

・マユ
「リョウ叔父様 なんで いるの?
叔父様には、関係ないことでしょ!?
家族の問題なんですから」

・カナ
「叔父様は お父様の財産を狙っているのよ きっと
それだけじゃないわ
会社も自分のものにするつもりなんだわっ」

・叔父リョウ
「うるさいっうるさいっ !!
お前達なんかに俺の苦労が わかるかっ!!」

・不二探偵
「遺言書があれば わかることですよ」

・宇土探偵
「この際(さい) 協力し合ってみては
どうです?」

・マユ
「そうね…致(いた)しかたないわ」

・カナ
「遺言書の為よ
協力しましょ お姉様」

・不二探偵
「では 我々が導き出した数字から押してみますね
マユさん 押してください」

・マユ
「1 と 2」

・宇土探偵
「次は カナさん 押してください」

・カナ
「3 と 7…」

・叔父リョウ
「おいっ!7なんか この金庫にないじゃないかっ‪💢」

・マユ
「ホントだわっ6までしかない…」

・カナ
「どうすんのよっ!!」

・不二探偵
「ちょっと待ってくださいよ…
あの歌詞には…[ぐるるぐるると鳴く] となってました」

・宇土探偵
「こちらは [ひゅるるひゅるると七つ星]となってます」

・不二探偵
「あっ!! 回すんじゃないですか!?」

・宇土探偵
「なるほどぉ [ぐるる]は
ぐるぐるダイヤルを回せという意味
だったのかっ」

・叔父リョウ
「カナ 早く7回まわせ」

・カナ
「わっ わかった…1…2…」
………最後の 7…」

・叔父リョウ
「どけっ!!見せろ
… は!?コレは なんだ」

・不二探偵
「これは 書類と写真のようですな」

・宇土探偵
「だいぶ古いモノのようですね」

・マユ
「遺言書じゃないじゃないのっ💢
これは…出生届??」

・カナ
「この写真には 赤ちゃんが2人
女性に抱かれてるわ
双子ちゃんかな??」

・叔父リョウ
「この出生届に兄さんの生年月日
昭和34年12月3日 (現在65歳)と
兄さんの名前が記載されてるぞ
その横の名前は…誰だ?」

・宇土探偵
「1と2と3は、カナさん達お父上の誕生日を あらわしてたんですね」

・不二探偵
「リョウさん
アナタのお兄様は双子だったと聞いたことは ありませんか?」

・叔父リョウ
「そう言われれば…
兄さんに そっくりな子と1回だけ会ったことがある」

・宇土探偵
「その子が3代目の双子の弟さん」

・マユ
「でも、なんで こんな写真や書類を
後生大事(ごしょうだいじ)に金庫に閉まったんでしょうね」

・カナ
「子守唄にまでしちゃって
こんな古びたガラクタの為にさっ」

・宇土探偵
「こちらの書類を読みますと
どうも2代目さんはギャンブル好きで、いろんな所に多額の借金をしていたようです

その上、女好きだったようで…
まあ、いろいろと問題がある人だったようですね」

・不二探偵
「初代創業者さんも当時は資金繰りに苦しんでおり、その借金を背負うことが出来なかった

伊集院家を守る為に仕方がなく
双子の弟のほうを手放し
秘密裏に養子縁組させ
多額な金を得て
どうにか借金を返すことができた」

・宇土探偵
「この子が犠牲となって伊集院家を守ってくれたことを忘れない為
大切に金庫に閉まっていたようです」

・不二探偵
「アナタ達のお父様の名は
マコ斗さん
そして双子の弟さんが…」

・執事
「ホク斗です!」

※ 執事以外 全員で
「えっ!?」

・執事
「ワタクシが、その双子の弟
ホク斗でございます!!」

・執事(ナレーション)
「写真の裏に旦那様
いや…兄さんの直筆で、こう書かれておりました
『双子の弟ホク斗に全てを託す』と」

─────記者会見会場─────

※ 執事以外 全員で拍手👏

・執事
「皆さま お集まりいただき
誠にありがとうございます!!

兄 マコ斗の意思を尊重し
ワタクシが本日より この伊集院財閥を
取り仕切ります

お初にお目にかかります
マコ斗の双子の弟
ホク斗にございます!! 」

※ 執事以外 全員で拍手👏

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