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【短編小説】骨

ほら、あそこ

あそこに見えるのは

私の骨か

つまらなそうに

電車のレールの上を

カタカタと音を鳴らしながら

転がっている


ねえ、嫌味なの!?‪

他人が敷いたレールの上を

お前は歩いているって

言いたいの!?


そうだよっ‪

生きる為に、そうするしななかった

選択肢が無かったのっ!!


そう私が叫ぶと

骨は、転がるのをやめて

カッカッカッと笑いだした


なによ…

笑わないでよ…

惨めになるじゃない…

私だって 私だって

自分でレールを敷きたいよ

自分で決めて

自分の道を作って

楽しく生き生きと進みたい

………でも、でもさっ

怖いんだ

不安になっちゃうんだよ


骨は、また転がりはじめた

レールのすぐ脇の

ゴツゴツした砂利道を

足場を確かめながら

踏みしめるように

一歩一歩

懸命に

前に進んで行く

なかなか進めていないが

骨は、楽しそうに見えた

真珠のように白く輝き

なんだか楽しそうに見えた


骨よ

私の骨よ

ありがとう

私は私の道を行く

一歩一歩

懸命に

歩んでみるよ

━━━━━━━━━━━━━━━
[あとがき]
先日、中原中也の『骨』を朗読して思ったことが、ワタシなら骨をテーマに書いたらどうなるんだろう…って興味が湧きました。
んで、実際に書いてみました。
自分の過去と照らし合わせて向き合い『決意文』みたいになりました。

中原中也のように抽象的な表現で読み手に委ねる感じの文章は書けませんでした…
あの感じこそが中原中也の良さなんだなぁって書いてみて改めてわかりました。

ハチママ流の『骨』をお楽しみ下さい(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

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