【男性2~3人劇】はだかの王様とアヒルの子
※BL要素は有りますが、絡みは一切無く
キスと言う言葉さえ言っておりません
純粋で綺麗なBLをテーマに書いています
R指定などが苦手な人でも演じることができるように書いています
[人物紹介]
【ナレ】:ナレーション
どちらかが読むでもいい
王👑:若くして王となった優秀な人物。
熱い感じ。側近を信頼している。
側(側近)⚔️:王に幼い頃 拾われた。冷静な感じ。王に密かに恋心を抱いている。
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【ナレ】
むかしむかし ある国に
少年にして王となった若き王と
その王に拾われた若き側近がおりました
ある時、下克上を企む大臣と
そんな彼を愛した王妃により
クーデターが起き、とうとう王は追い詰められてしまいました
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
側⚔️
「人払いを いたしました」
王👑
「まさか お前が今回の反乱の首謀者なのか?!」
側⚔️
「いいえ…私は、王妃と大臣に王を殺すようにと仰(おお)せつかっただけです」
王👑
「やはり… あの2人が今回の反乱の首謀者であったか…」
側⚔️
「貴方は、2人の関係を お気づきだったのですね…
なぜ、ほおっておいたのですか?
問いただし、処罰することだって出来たのに」
王👑
「そんなことして、何になる!
儂(わし)ではない奴に心を許してる者を 繋ぎとめることは出来ない…
処罰したとて自分が惨(みじ)めになるだけだ…」
側⚔️
「貴方は お優しい…だからこそ
そこに つけ込まれたのです 」
王👑
「優しいのではない…ただの怖がりの
いくじのない男だ 」
「お前は 儂(わし)に不満があったのか?」
側⚔️
「私は、貴方に不満があったわけでは ありません
勿論 あの2人に そそのかされた わけでもないのです」
王👑
「では 何故(なぜ)?」
側⚔️
「私の意思です!
貴方を他の誰にも殺させたくなかった
他国の者にも あの2人にも
ならばいっそのこと 私の手で…そう思ったからです 」
王👑
「そうか…意思か…自分の手で殺したいとまで (憎んでおったとは…)
その短剣で儂(わし)を刺そうと言うのか…
皮肉なものだな…
その短剣はな 婚儀の際(さい)
死ぬまで添い遂げようと誓って
妻に贈ったものだ」
王👑
「儂(わし)は、 戦いも出来ない子種すら無い大臣達の言いなりの使えない お飾りの王だからな
さしずめ [はだかの王様] と言ったところか…」
側⚔️
「では私は[みにくいアヒルの子]といったところでしょうか…
両親に先絶たれ 絶望しかなかった私に
貴方は、光を希望を与えてくださったのです 」
王👑
「抜け殻のような お前を ほっとけなかった
だから 連れ帰り、歳も近かったのでな
側近として傍においたのだ
幼き頃から お前は ずっと一緒にいてくれたな」
側⚔️
「私は…白鳥には なれませんね …
黒鳥(こくちょう)になら、なれるかもしれませんが …」
王👑
「頼む 自害させてくれ!
最後ぐらいは自分の意思で自分で決めさせてくれ!」
側⚔️
「そう仰ると思っておりました…
私が 見届けます…」
王👑
「その短剣では死んでも死にきれん
自分の剣で逝く!!
ありがとう… 儂(わし)の願いを聞き遂(と)げてくれて……
ぐっ ぐはっ ← [腹に剣を刺す]」
側⚔️
「もう これ以上 苦しい思いを させやしません!さぁ、コレを 飲み込んで 」
――側近が口移しで毒を飲ませる――
王👑
「毒…か!? …
何をしている…早く吐き出せっ …
お前が死んでしまう… 」
側⚔️
「良いのです!
私は、そうしたいのです!」
王👑
「お前は …はだかの王様の儂(わし) と一緒に死ぬと言うのか…」
側⚔️
「ええ 共に」
王👑
「お前は儂(わし)を憎んでいたのでは ないのだな …良かった…
――意識が朦朧、息絶え絶えの状態――
ああ…美しい黒鳥よ…
儂(わし)を…あの世へと連れて行っておくれ… 」
側⚔️
「ずっとずっと お慕(した)い申しておりました……愛しています…」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
側ナレ⚔️
私の最後の言葉は
王に いや 愛しき人に 届いたかは
わからない…
美しい ひとしずくの涙と
微笑みを浮かべて 私の腕の中で
彼は 逝った
私は、彼の死を約束どおり見届けて
彼の元へと向かった…
【ナレ】
微笑みを浮かべた[はだかの王様]と
愛しげに彼を抱きしめる[アヒルの子]
それはそれは 綺麗な亡骸(なきがら)であったそうな
むかしむかし ある国の 純愛の物語
[完]
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イラスト:BLメーカー(無料)使用