【絵本風】サメさんのアイス屋さん

｢いらっしゃい いらっしゃい
サメさんのアイス屋さんだよ〜｣

サメさんのアイス屋さんには
お客さんは来ませんでした

皆んなサメさんを怖がっているのです

｢食べるとサメ肌になっちゃうぐらい冷えてるのになぁ…｣

サメさんは､うつむきながらボソッと言いました

クスっと笑い声が聞こえてきました

あれれ?誰かいるのかな??

サメさんは もう少し大きな声で

｢サメさんのソーダアイスは美味いソーダ｣

するとケラケラと笑い声が あちらこちらから聞こえてきます

｢チョコアイス チョコっとください♪
なーんてねw｣

アイス屋さんの周りにカニさん達がケラケラ笑いながら集まってきました

チンアナゴさん達はニョキっと立ち上がって覗いています

貝さん達は貝殻のドアを開けて笑っています

｢さあ､冷たくて美味しいアイスだよ♪いらっしゃい いらっしゃい｣

元気よくサメさんが呼び込みすると

｢くださいな♪｣
カニの坊や が言いました

｢坊やが初めての お客さんだ
サービスしちゃうよ
ちょっと待っててね

特別に2段重ねだ
落とさないようにね｣

カニの坊やは 嬉しそうに ほうばりました
一瞬 カラダが青くなってカラダをブルっとしたかと思うと

｢ヒエヒエで 美味しーい｣
ニコニコ笑顔で言いました

その様子を見ていたカニさん達は
｢くださいな｣
｢こっちにはソーダ味 ください｣
飛ぶように売れていきました

｢あのぅ ボク達も欲しいのですが
ここから動けないものですから…｣

チンアナゴさん達や貝さん達が残念そうな顔をして しょんぼりしています

｢大丈夫!! そちらに俺が伺いますからっ｣
サメさんのアイス屋さんはリアカーなので移動ができるんです

チンアナゴさん達や貝さん達も大喜び
飛ぶように売れていきます

先に食べ終わったカニの坊やも お手伝い､アイスを手渡してくれています

｢シャークジョークアイス毎度あり〜♪｣

サメさんのアイス屋さんは大評判になりました♪

#綿帽子のキリトリ世界
綿帽子さんのコチラの写真からイメージして書いた作品です