6月の行事<夏越の祓(なごしのはらえ>
もともとは「大祓(おおはらえ)」という宮中の行事で 旧暦の六月と十二月 の晦日に行われたもので 701年に大宝律令で正式に定められた歴史ある 行事です
十二月の大祓は だんだんと廃れてしまい疫病などが流行する時期の夏の 祓が一般的になりました
六月という時期は 昔から疫病や水害が多くそれは二つの季節が打ち合う からだとされてきたようです
この時期 人の身に振りかかる災いや穢れは日々 積り積もっていくもの として忌み嫌われ 区切りをつけて 穢れを祓い清める必要があると考えたのです
六月晦日「夏越の祓」として 神社の鳥居 もしくは拝殿などに茅の輪が 据えられ これをくぐる儀式を行ないます
「六月祓」や「夏越の祓」と言われ これをくぐれば千年寿命が延びると の言い伝えがあります
茅に祓いの霊力があるのは 葉先が剣のように鋭いからとされています
年が明けて半年を迎え 溜まった穢れを振り祓い新鮮な魂となって生まれ 変わるという大切なお祓いだとされてきました
茅の輪をくぐる行事は「菅貫(すがぬき)」「胎内くぐり」ともよばれ 無事に熱い夏を過ごすための<おまじない>でもあるのです
輪は 竹を軸に茅を巻いて輪にしたものです
※一般的な茅の輪のくぐり方
基本的には、左まわり → 右まわり → 左まわりと8の字を描くように3回 茅の輪をくぐって回ります(各神社の作法に従います)
必ず 左足から入ります
まずはくぐる前に一礼をして「水無月の 夏越しの祓する人は千歳の命 のぶというなり」と唱えながら左まわりにくぐり茅の輪の前に戻ります
2回目も一礼 同様に唱えながら右まわりにくぐって茅の輪の前に戻ります
3回目も一礼 同様に唱えながら左まわりにくぐって茅の輪の前に戻ります
最後にあらためて一礼をして茅の輪をくぐり 神前に進んでお参りします
夏越の祓では 形代(かたしろ)による祓を行うところもあります
形代とは 人の形をした人形(ひとがた) 人形代(ひとかたしろ)に 自分の罪や穢れ・災いなどを移し 祓い清めて川や海に流したり お焚き あげをしたりする神事です
紙製の人形が多いようですが 藁などの人形を用いるところもあります
※夏越の祓には「水無月(みなづき)」という和菓子を食べる風習があります その昔 宮中では六月一日に「氷の節句」が行われていました
氷室に貯蔵された冬の氷を取り寄せ 氷を口にすることで夏を無事に乗り 切ろうと祈願したのです
ただ 庶民にとって氷はとても高級で手に入れることはできず 代わりに 削り立ての鋭い氷に見立てた生地に邪気を払う小豆をのせたお菓子を拵えて 六月を意味する「水無月」と名付けました
「水無月」は六月の和菓子として広く親しまれ 暑気払いへの願いを込めたもので 京都では当たり前のように この時期のお菓子として親しまれて おります
夏越しの祓の頃に食べると 無病息災で過ごせるとして夏越しの祓の行事食として取り入られてきました
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