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本物を間近でみる喜び


日曜美術館で取り上げられていた
渡辺省亭の企画展示を見に行ってきた。
日曜日だし、テレビでも取り上げられていた物だったので
人が多いかと思って身構えていたが、
そこまで人は多くはなく、結構ゆっくりと鑑賞する事ができた。

省亭と言えば、花鳥画で有名だ。
だが日曜美術館でも言われていたが、「お金を出せば誰にでも絵を描いていた」と。
確かに、花鳥画だけではなく、人物画も描いていたらしく
今回の展示でも人物画の絵が展示されていた。

でも、こういうのはなんだか違うかも知れないけれど、
省亭は、本当に花鳥を描くのが好きだったんだろうなと。
花鳥を観察して、それを自分の絵で描くのがとても楽しかったんだろうな
絵を鑑賞していてそう感じた。

省亭の花鳥を見て感じるのは
省亭が描くとその描いているものがイキイキとしだすのが凄いと感じた。
私は凄いと思ったのは、省亭の描く鳥の目だ。
日曜美術館では、鳥の羽の表現だったり
輪郭線を描かずに表現しているところを取り上げられていたが、
私は省亭の鳥の目にフォーカスを当てた。
日本画の花鳥画の鳥は私が知っている目でハイライトが入っている絵が
あまりないなと思っていた。
だから、リアルだし羽やふくらみの表現は凄いと思うけれど、
その絵がリアルには思えなくて、生きているというより
絵の中の鳥という感じだけれど
省亭の描く鳥の目には必ずハイライトが描かれる。
だからこそ、より一層リアルで生々しい、イキイキとした鳥たちがそこには描かれているのだと感じた。

省亭が一番絵に対して大事にしてたのは、
光だと私は思う。
どの角度からの光なのか。
光の道筋を知り、そしてその光を再現して描く。
省亭の絵は光を大事にして、光を描いているからこそ、リアルで
今にも動き出しそうなものになっているのではないかと思う。

久しぶりに美術館に行って
色々な物を見て感じて、それをこういう場に発信できるのは
本当に嬉しくて幸せだなと思う。

また、機会があれば見に行きたいな。
省亭の絶筆の絵も展示してあるのでそれも是非チェックしてほしい。

絵描の人はその人生を絵に費やし、
そして絵とともに人生を閉じるのだなと思った。
私も、自分のこれというものを見つけて、人生を費やし、
そして、それとともに、人生を閉じたいものだ。




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