初妊娠で繋留流産→自然排出で入院した話

※注意※この記事は筆者自身が流産した話です。中に大量出血や胎児死亡の話がありますので、お読みになる際はご注意ください。

筆者自身の忘備録として、また、私自身、同じような体験をされた方のブログを読んでこの体験を乗り切れたので、この記録も、不安に思われている方やどなたかの役に立てればという思いで綴っています。


これまでの経緯

2019.3 結婚(30歳) 2019.11 結婚式 2020.2 新婚旅行 2020.6  妊娠発覚(32歳) 2020.8 流産・自然排出

もともと、結婚式や新婚旅行を万全な状態で楽しみたいと思っていたので、妊活をはじめたのは新婚旅行の後、風疹の予防接種のインターバル後のことでした。それが2020年4月のことだったので、実質、私たちは妊活を始めて3ヶ月程で妊娠に至ることができました。

もともと子どもについては、できたら嬉しいけど、できなくても2人で生きていこうという認識でいましたが、私たち夫婦にとって初めての子どもだったので、やはり妊娠がわかった時は、特別嬉しかったです。二人とも特別な基礎疾患はなく、このまま順調にいくのかなと思っていました。

妊娠発覚後の経緯

5週4日 エコーで胎嚢確認

6週 少量の茶おりものが3日続く。ペーパーにつくくらいの微量。

心配になり、産院に連絡。今の時点ではなんとも言えず、産院に行ってもできる処置はないため、安静にして様子を見ることになりました。

8週 エコーで胎児心拍を確認

ほっと一安心。私はこの時点で家族や仲の良い友達に妊娠を報告しました。

9週 再び、少量の茶おりものが3日続く。

前回と同じ感じだったため、再び安静にして様子を見ました。

11週の終わり頃 また少量の茶おりもの。

産院に連絡し、定期検診の日を早めて診てもらうことになりました。

12週あたま 朝、茶おりものがピンク色に変わり、量も増えていて、生理の時に出る子宮内膜のような膜が少し出ていました。その日のうちに産院へ。

エコーで胎児心拍と成長が止まっていることを告げられました。先生によると、前回の8週での検診から大きくなっていないとのこと。手術か自然排出を待つか選択することに。流産のことは頭の片隅にあったので、悲しかったけど思っていたより冷静でした。

帰宅後、夫・実家の母に相談し、どうするか考えました。母も流産を経験しており、アドバイスをもらいます。

全身麻酔で手術した経験がなく、全身麻酔自体が怖い。手術して次の子ができにくくなるのも怖い。でも、自然排出を待って突然大量出血するのも怖い…正直、流産した悲しみよりその怖さのほうが強かったです。。

結局、大量出血の怖さに負けて手術を選択しました。産院にそのことを伝え、4日後に先生と手術について話すことになりました。夫には翌日から在宅勤務にしてもらい、万が一の大量出血に備えて、パンツ型のナプキンとタオルケットを用意。

そうこうしている間に、夜にかけて段々と出血量が増えていきました。ピンク色だったのが赤になり、これは間に合わなかったかも知れないと感じ産院に連絡。もう少し様子を見るようにとの指示がありました。

翌日も血の量がゆっくりゆっくり増えていき、夕方近くなってシクシクと生理痛のような腹痛が始まりました。トイレに座ると鮮血と一緒に血の塊がポトポトと。これはいよいよ始まったと感じ、少し様子を見て、腹痛がひどくなってきたため産院に連絡。市販の痛み止めを飲んでも良いとのことで、カロナール内服しました。もう来てもいいとのことでしたが、思ったより経過がゆっくりだったためもう少し様子を見ることにしました。

夕方、生理のように、痛み・鮮血と血の塊が続く。私の場合、痛みも血の量もゆっくりゆっくり増えていった感じでした。

トイレでゆっくりいきみながら、血の量をみていると、入り口に何かが引っかかっています。もしかして赤ちゃんの袋?と引っ張ると、パシャっ❗️と栓が抜けたように鮮血が。どうやら剥がれた膜が入り口に引っかかっていた様子。思わずトイレで声をあげた私に夫が心配して来てくれました。その時、頭と目の前がぼわーっとなり、手がじわーっと痺れるような感覚に。これはやばいと感じ、ズボンを上げトイレ前の床に倒れ込み、病院行く❗️と夫にタクシーを呼んでもらいました。まだ何かが引っかかってる感じがして出したかったけど、体の異変を感じ自宅で様子を見るのは断念。横になりながら産院に連絡しました。

15分でタクシー到着。バスタオルを敷き、後部座席に横にならせてもらいました。夫は助手席へ。その間もじわじわと流血し、腰の方まで伝ってくるのがわかりました。血が失われているからか、定期的に深呼吸がしたくなり、何度も、自分に意識があることを確認していました。

帰宅時間のため道が混んでいました。20分程で病院到着。総合受付前の椅子に座り夫のタクシー会計を待ちます。その間も流血し続け、タオルを敷いていても椅子を汚してしまうほど。なんとか歩いて産科へ。ナースが迎えてくれました。

昨日診てくれた先生が『大変だったね〜』と内診してくれました。どうやら、さっき引っかかっていたのはやはり赤ちゃんの袋で、ちょうど先生が取り上げてくれた様子。ここで産みたいと思ってたから、よかった。手術だったら知らないうちにかき出されてたんだろうな。それもつらいな。と内診台の上でぼーっと思いました。

カーテンの向こうで先生が『入院になっちゃうからご主人呼ばないと』と。

えっ、入院!?

夫が来てカーテン越しに説明を聞きました。この後また自宅で大量出血しても困るから、明日まで病院で点滴しながら様子を見て、中身がきれいに排出されれば明日退院、きれいに排出されなければ手術、とのこと。。。

こんな大変な思いして、さらに手術は絶対嫌だー😢😢😢

コロナ対策のため夫とは総合受付で別れ、病室へ。他の赤ちゃんの声が聞こえるからと、看護師さんが配慮してくれて個室となりました。トイレに行くと、ぼとぼとぼとっ、と子どもの拳大の塊が3つか4つくらい出てきて、びっくりしたけど、もはや怖いとか、あまり感じなくなっていました。

助産師さんが子宮収縮止血剤の点滴の太い針を腕に刺して、食事が運ばれてきました。気持ち悪く、副菜だけ食べて断念。ぼーっとして、寒気もしてきたのでナースコールで具合が悪いことを伝えました。

助産師さんが来て症状を告げると、急いでモニターをつけられました。枕を外し頭を下げるも、目の前がチカチカしてとにかく気分が悪い。手が冷たくなって、寒気がすごい。この時、あ、私死ぬのかな❓と思いました。同時に、死にたくない、まだやりたいことたくさんある…ともう一人の自分が言っていました。

助産師さんがバタバタと誰かに電話。たぶん先生かな… 目の前がチカチカしながら、今度はものすごい眠気と暑さがやってくる。暑い❗️なんだこれ。さっきまで寒かったのに…

助産師さんが来て、先生から点滴追加の指示があったのでと言って処置してくれました。点滴の袋からすごい速さで薬が滴下しているのがわかりました。

ああ、眠い…

助産師さんが『具合どうですか❓』と聞いてくれました。眠いほうが勝ってきた…

『今体が頑張ってくれてると思うので。心拍数が高いのが心配です』と助産師さん。

眠いけど、眠るとそのまま死ぬんじゃないかと怖くてなかなか眠れない。でも体が眠れって言ってるんだから眠ったほうがいいんじゃないか。でも意識を失うのが怖い…心拍数が高いと貧血が進んで危ないのかな。怖いからドキドキするけど、心拍数が上がるのがさらに怖い。まだ死にたくない。

ずっと、そんな悪循環の不安。心拍数の異常値を示すアラームが不安感を助長させて、呼吸も荒くなり、気づくとパニック発作みたいになっていました。助産師さんがアラームを切ってくれました。

初めての妊娠で流産して、人生最大の出血をし、人生初の入院と点滴。別室からモニターでバイタルサインを見てくれて、何度も助産師さんが来てくれるけど、退室すると病室に一人取り残された気がして、またとてつもない不安が襲ってくる。時間はもう夜になっていたけど、とても眠れるような状態ではありませんでした。

夜何度もトイレに行きたくなって、そのたびにモニターをつけ外ししてもらい、申し訳ない気持ちでした。血が足りないとそっちに水分がいくから、トイレに行きたくなるってことはいいことだよーって言ってもらいました。間に合わなくてベッドで漏らしたりもして、ほんと泣きたかったです。赤ちゃんのことを悲しむ余裕なんてなかったけど、時々隣室から聞こえてくる赤ちゃんの泣き声が可愛くて、それ聴くとなんだか泣けてきました。

あと、これは退院したら治ったのですが、点滴すると、なぜかおしっこが出たいのにお腹を押さないと出なくなってしまいました。かといって出さないとまたすぐ行きたくなるので、それも地味につらかった。

あまりにも私が不安を訴えるので、助産師さんが眠剤を持ってきてくれる。が、眠れず…テレビをつけたり話を聞いてくれたり、いつも使ってる枕が安心すると言ったら『旦那さんに枕持ってきてもらいましょうか』と言ってくれたり、本当に助産師さんには親切に対応してもらいました。安定剤の提案もしてくれて、私自身も眠りたかったので、夜中に点滴で入れてもらいました。

そう簡単に拭い去れる不安ではなかったけれど、少しうとうとして、また『はっ!』と起きてを繰り返して、気づいたら少し眠ったようで朝になっていました。

5時くらいに採血して、ひたすらベッドの上でモニターを見ながら先生が来るのを待ちました。朝には気持ちも心拍数も、だいぶ夜よりは落ち着いていたけど、手術に備えて飲んだり食べたりできなかったので口は乾くしお腹は空くし、楽な時間ではなかったです。この時間になると、むしろモニターがついてるほうが安心でした。

先生は9時から10時くらいに来るとのことで、来る人来る人に時間を聞いて待っていたけれど、11時になっても来ず…どうやら午前中の診察が終わってから診てくれるようで、さらに待つこと2時間半。お昼すぎになってようやく順番が呼ばれ、再び産科へ。昨日の宿直ではない、私の担当医が診てくれました。

内診の結果、『きれいに出てますね。手術する必要はないと思います』

やったー😄

子宮収縮止血剤と、血液検査の結果で貧血があるため鉄剤を出してもらい、晴れて退院となりました。

その後も出血はダラダラと続き、退院から2日後に昼用ナプキンがいっぱいになるくらいの量が出たりして焦りましたが、その後は少しずつ減り、現在はベッドの上でですがこの記録を書けるくらいにまで回復しました。

当初は手術の予定でしたが、私の場合は間に合わなくて、結果、自然排出となりました。かなり大変なことになってしまいましたが、結果的には体の負担が少ない方法で終えられて良かったと思います。でももうこんな怖い思いはしたくないです。だけどまだ子どもも諦めたくなくて、自分の体に明らかに疑わしい原因がなければ、年内にはまた妊活再開したいと思っています。もしもまた妊娠できる機会があって流産になってしまったら、次はもっと小まめに診察してもらって、わかった時点で早めに手術してもらうと思います。

進行流産でタクシーで病院に行ったとき、看護師さんが『絶対に意味のあることだから』って言ってくれました。私はもともと介護士として夜勤をしていた経験があるのですが、当時はただただ大変という思いしか持てませんでした。だから今回の入院で、助産師さん達が夜通しメンタルも体調も不安定な私に温かく対応してくれたことで、私は人の温かさを知りました。

看護師さんが言っていたことを思い返すと、赤ちゃんはそのことを私に教えるために来てくれたのかな、と思ったりします。

最後に、ある程度自分なりに調べたりして、こうなる前に準備しておいてよかったことを記録します。※あくまでもうちの場合です。ご家庭の事情によっては当てはまらないこともあるかも知れません。

●パンツタイプのナプキン  パンツタイプなので安心感がある。横になると腰までくるので量が増えてからだと普通のじゃ対応しきれないと思います。ちょっと割高だけど買っておいてよかった。あと車に乗る時用にバスタオルを準備しましたが、量が多いと染みてしまうので大きめのゴミ袋とかレジャーシートがあればそのほうがいいかも。

●経験者のブログ等の記録を読む この後何が起きるのかある程度予測をつけるために見ていました。何より心の準備ができたことが一番大きかったです。

●逐一夫に話しておく 流産がわかったときからあらかじめ今自分に何が起きて、この後どうなる可能性があるのかを全て夫に話していました。そうすることで当日もスムーズに在宅に切り替えたり、タクシーを呼んだりできたと思います。タクシーと産院の電話番号も、控えておいてもらうとスムーズだと思います。私はタクシーで大丈夫でしたが、状況によっては救急車を呼ぶ可能性もあるので、そうなった時慌てないように、話せるうちにできるだけ多くの情報を伝えておくと良いと思います。

●女性疾病に強い生命保険に入る 今回のことで入院費や薬代・タクシー代等、けっこうかさんでしまいましたが、女性特有の疾病に強い保険に入っていたことで、結果的にすべて保険で賄うことができました。もともとがんに対する備えとして入っていた保険でしたが、意外なところで役立ってくれました。


長くなりましたが、以上が私の記録です。今、コロナで妊婦さんはたくさんの不安と孤独感を抱えてることも多いと思います。この記録が少しでも役に立つことを願っています。

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