#7 ダサい という言葉 〜瞬間、心、重ねて〜
アイテムの歴史について書き綴るのも良いが、自身の体験談も少し書き留めておこう(^。^)
ダサい という言葉
自分自身この言葉が好きではないが若いときには使っていた言葉。
25、6歳の時から使う事がなくなった。
自分がショップの店長になり2、3年の経験をしている頃だ。
お客様やスタッフの服装に何らかのポリシーを感じ自らの服装に思想を用いる様になってからだ。
そんな時の事、
友人とコンビニに立ち寄った際、店内で手を繋いで買い物をしている男性カップル。
ドルチェ&ガッパーナのTシャツとDGのベルト。
二人とも身につけていたことを覚えている。
コンビニを出るなり友人は、
キモっ、ダサっ。と言う。
僕はコレに関して、なにが?
と反射的に出てしまった。
僕は育った環境的なのか、アパレルの世界にいるからなのかは知らないが
セクシャリティに関して何も思わない人間だった。
対して友人は男女間の恋愛のみ正解という思考なのだろうと思った。
だが、ダサっ。の意味が僕にはわからなかった。
同性愛の偏見に風穴を開けたブランド
ドルチェ&ガッパーナを
同性愛に生きる者が着こなしている。
何の脈絡も無く服を着ている人達に比べれば、
自己思想をファッションで表現している彼らの
方が、メッチャカッコイィ!
というのが僕の感覚だったから。
友人のダサっ。という言葉が理解できなかった。
その後、アパレルの世界にいて素晴らしいなぁと思う人とお話をさせて頂くと漏れなくダサいと言う言葉を使わない事に気付く。
私の感覚とは違う。とか、
俺だったらこうしちゃうけどどう?とか、
ダサいと言う言葉を出さない。
皆、服を着る本人のポリシーや思想を理解した上で会話をしたいと願う人達だったからだと今は思う。
現在インターネットが発達して個人が動画で
発信できるようになった。
僕自身、ファッション系YouTuberの動画は
あまり見ないのだが、おすすめに出て来たりする。
サムネイルに ダサい の言葉が並ぶ動画を沢山見かけた。
七分丈はダサい。ドクロはダサい。などなど。
そこにポリシーが有り、
それにこだわって身に付けている人に対して言えるのか?という疑問があった。
もちろん、今年流行しておらず、数年前に流行した物を今年着ていたらダサい。という表現かも知れないが、またドクロが流行る時代を迎えたら君はどうなるの?
そんな事を思ってしまう。と同時に現在のファッション業界の思考はそうなっている事も理解している。
見た目のファッション感を重視し、
中身は置き去りのファッション感。
僕が憧れたファッション業界はどこか遠い所に
行ってしまった。
デザイナーが自らの思想で
常識を撃ち破り新たなスタイルをコレクションで発表し、賛否ありながらも我が道を行く。
瞬間、心、重ねて 熱狂する消費者。
まさにモードの世界。
今の世界が悪いとは思わない。
ただ、ファッション性は多様化していても、
人の思考が一本化してしまって業界の幅が狭くなっているのではないか?
ただそんな事を思った事があったなぁ。
って話でした(^ー^)
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