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ウクライナ主要海運ルート閉鎖へ。穀物価格への影響。

[ニュース元記事]

【ニュース内容要約】
・ウクライナ大統領首席補佐官顧問発表。
・ウクライナ港湾における全ての業務を停止したことを発表した。
・主要穀物輸出国であるウクライナからの穀物輸出停滞が懸念されている。
・デンマークの世界海運大手APモラー・マースクは24日、ウクライナ寄港全ての業務を停止したと発表。
・ウクライナの主要海運ルートは「アゾフ海」→「黒海」を通り地中海諸国へ輸出が行われている。
・ウクライナ最重要港はアゾフ海「マリウポル」。

・一方世界最大の小麦輸出国であるロシアは、主に黒海を通じ小麦の輸出を行っている。
・ロシアは「アゾフ海」における商船の運行停止、「黒海」の運行は活動維持を発表している。

ロシア・ウクライナの海運マップ

【Must-see ニュースな理由】
ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、アゾフ海を通るウクライナの主要海運ルートは完全に封鎖に追い込まれているとの報道です。

ウクライナは穀物、鉄鉱石、ボーキサイト、動物性油脂の輸出量が世界上位の国です。
ウクライナの主要穀物の輸出シェアについて見ていきましょう。

表:2019年輸出量

こうして主要穀物の世界輸出シェアをみると「小麦」「トウモロコシ」の世界輸出はウクライナ・ロシア地域に大きく依存していることが分かります。
対して「大豆」は北南米地域で世界輸出量の93.7%を占めていることが分かります。

「大豆」に関しては、今後の新型コロナからの経済回復による大幅な需要増を見込む農家が多くなっています。
今年2022年春先の「種まきシーズン」には作付面積が北南米において前年比大幅に広がる見通しです。

現在ロシアによるウクライナ侵攻を受け「小麦」「トウモロコシ」「大豆」全ての穀物価格が均一的に急騰していますが、「大豆」に関しては長期的な需給改善から価格はどこかのタイミングで下落に転じてくると予想しています。

タイミングの目安として見込んでいるのが大豆生産に最も影響の大きい、春先種まきシーズンです。
この時期を天候無事に越すことが出来れば「大豆」需給改善見通しは確定され、大豆価格は下落トレンドに入ったとファンダメンタルズの観点からは判断できると思います。

大豆先物月足チャート
史上最高値に近づく大豆先物価格


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