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投資失敗時におすすめしない映画

投資に失敗した直後という局面では、おすすめする映画と、おすすめしない映画がはっきり分かれます。

まず、主人公が大成功するといったサクセスストーリーの映画は、決して見ないことです。
昔は何をやってもうまく行かず自暴自棄になっていたけど、自分が集中すべき道を見つけて頑張り、最終的に成功を収める。
典型的な映画のストーリーですが、こんなのは所詮映画の世界。実話を基にしているとしても、その主人公は数十万人に1人の、強運かつ素晴らしい能力に恵まれた人なのです。
いまのあなたに必要なのは、そんな映画ではありません。
社会的、世間的には全く成功していなくても、それでもちゃんと幸せに生きていける。そういうことを実感できる映画を選ぶべきです。

それから、コメディーとか、恋愛ものとか、そういうジャンルもおススメしません。
アクション映画とか、SFとか、冒険ものとか、そういうジャンルもおススメしません。
きっと、あなたの頭の中に残らず、時間が素通りしていくだけになります。

あなたは投資の大きな失敗を経験して、精神的な崖っぷちにいます。
そんな状況で、平時の小さなことに一喜一憂する主人公を見ても、とても感情移入できないからです。主人公が抱える失恋の悩みなんて、自分の今の悩みに比べたらなんて幸せな悩みなんだ。そう感じてしまうはずです。

そういう意味では、人間の極限状況を表現した映画は良いのかもしれませんが、これもケースバイケースです。
極端な例が、戦争の悲惨さを訴える映画です。
周囲の人が無残に殺されていく。それが架空の世界ではなく、歴史上で実際に起こった事件である。そういうことを実感すると、比較的平和な時代に生きていること自体を感謝できるようにはなります。
ただ、戦争映画は本当に悲惨です。人間が組織としてまとまった時に、自分の上司や組織を守るために行動が先鋭化し、他人を殺すことすら厭わなくなる。歴史上ずっと繰り替えてしてきた人類の悲しい定めが、いまもなお解消されていないことを思うと、解決策のない憤りを感じて途方にくれてしまいます。
そういう意味で、戦争映画は、投資に失敗して絶望の淵にいるという時でさえ、ショックが強すぎる悲惨さを持っています。歴史を学ぶ上では、とても重要なコンテンツです。でも、それを学ぶ機会は、自分自身の精神状態が健康な時のほうが良いのかもしれません。

この記事は、「投資で大失敗した時に読む本」から、ごく一部の内容を抜粋して紹介しています。


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