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Parsons & Transdisciplinary Design とは / 大学・プログラム紹介

こんにちは、大です。

本記事では、私が通う Parsons School of Design と、所属プログラムである Transdisciplinary Design program について紹介したいと思います。

Parsons School of Design について

Parsons School of Design は、アメリカのニューヨークにあるアートとデザインを専門とする大学であり、"Parsons" の愛称で知られます。また、日本ではパーソンズ美術大学と呼ばれています。

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1896年に創立された Parsons は、アメリカ国内で初めてファッション、広告、インテリア、グラフィックの4つのデザイン分野の学科を設けたとされています。現在は、同じニューヨークにおいて1919年に創立され、黒人史、女性史、映画史などを初めて取り入れるなど革新的な学校として知られる The New School の傘下となり、学部・大学院合わせて40ほどのアート・デザイン関連分野のプログラムを提供しています。

日本では聞き慣れない大学だと思いますが(私自身、留学に向けて色々とリサーチをする中で初めて知りました)、近年の調査*ではArt & Design 部門において全米1位、世界3位の大学となるなど、デザインの分野では実績のある大学とされており、多くの著名なデザイナーも輩出しています。日本ではファッションデザインの分野で有名で、日本でもよく知られている、Marc Jacobs や Anna Sui 、最近ユニクロとのコラボで話題となった Alexander Wang などのファッションデザイナーも Parsons 出身です。
*ロンドン学術評価機関 Quacquarelli Symonds World University Rankings (2019) より

学部生・院生合わせて約4000人の生徒のうち、7割が女性、また3割が留学生とされています。アジアからの留学生が最も多く、次いでヨーロッパからの留学生となっています。

個人的な感覚ではありますが、どのプログラムにおいても、他分野について学び、取り入れることを積極的に行うなど、大学全体として学際的な雰囲気があります。

その中でも、私が通う Transdisciplinary Design program は "Trans-disciplinary" (横断的/越境的 - 学問/専門) の名称のとおり、生徒や教員の文化・専門性などのバックグラウンドもバラエティ豊かなプログラムとなっています。続いて、このプログラムについてご紹介したいと思います。

Transdisciplinary Design program について

私が通う Transdisciplinary Design program は、2010年に設立された比較的新しい修士号(Master of Fine Arts)プログラムです。プログラムの公式ページによると、

The Transdisciplinary Design program was created for designers, artists, activists, civic and social practitioners, and others interested in imagining alternative futures through design-led research tools and methods for addressing pressing social, economic, political, and environmental issues and challenges of local and global dimensions.

と書かれており、デザイナーと非デザイナー(アーティスト、アクティビスト、市民・社会実践者など)が Alternative future(新しい/代替的な未来)を想像するプログラムとして設立されました。

私の学年は24名の学生が在籍しており、文化的バックグラウンドの観点では、私を含め10名が海外からの留学生となっています。Parsons 全体の傾向同様、内訳としては中国からの留学生が最も多い5名で、次いでインドから2名、ドイツ、チリ、日本から1名ずつという構成です。ジェンダーという点では、学年の8割が女性、Queerの生徒も数名います。

また、専門性の観点では、全体の約半数がデザイナー出身(グラフィック、コミュニケーション、プロダクト、UXなど)で、約半数は非デザイナーとなっています。非デザイナーのなかには、コンサルタントをしていた人、スタートアップでエンジニアをしていた人などビジネス分野出身の人もいれば、アーティストや振付師など芸術分野出身の人もいます。行政機関の出身者は私だけですが、デザイナーの中にはサービスデザインなどで行政のプロジェクトに関わったことがある人もちらほらいます。講師陣のバックグラウンドも多様で、スペキュラティブデザイン、サービスデザイン、グラフィックデザイン、フィルム、フォトグラフィー、社会学、文化人類学などなど、異なる専門分野を持つ講師陣が多面的な視座を提供してくれます。

このように、文化的・専門的に多様なバックグラウンドを持つクラスメートや講師陣と日々議論しながら、社会に対してデザインが何を、どのように取り組むことができるかを研究しています。具体的には、Design-led research(「デザイン主導のリサーチ」)という、問題「解決」より問題「提起 / 惹起」に主眼をおいたアプローチによって、Alternative uture(新しい/代替的な未来)を想起するようなデザイン / デザインプロジェクトの研究を行っています。

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次回の記事では、この Design-led research というアプローチについてご紹介したいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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