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野生動物の全身骨格を用いたイベント

『骨を並べてみよう!』というイベントで、野生のタヌキの全身の骨を、タヌキの絵の上に、子どもたちに並べてもらうイベントを実施したことがあります。
 これは、大人でもちょっと難しい!ですが、ヒントを与えながらだと、何とか、並べてくれました。骨を用いたちょっとしたパズルです。

骨を並べてみよう


人と同じく哺乳類は、基本的には全身の骨は同じ構造をしています。なので、野生動物の骨をイラストを下敷きにして再現してもらうことで、何となく人体の骨の構造もイメージしやすくなるという学習効果があります。

ちなみに、このタヌキの全身骨格の骨は、農業被害によって致し方がなく有害駆除されたタヌキの遺体をもらいうけて、私が骨にしたものです。基本的に、標本として骨を残す場合は、〈頭骨〉のみを博物館などで収蔵し他の身体の骨は標本として残さない場合が多いです。なぜ、〈頭骨〉を学術標本として残すのかというと、〈頭骨〉からは歯からは食性や年齢、〈頭骨〉のサイズから、体サイズなど生物学的情報が得られやすい骨だからです。頭骨の後頭顆(環椎と頭骨が連結している部分の骨)の幅を計測することで、体サイズを他の地域の個体と比較することができます。

歯からは、その個体の歯の萌出や摩耗具合から、食性や年齢を推定しやすいし、犬歯の切片から齢査定をする方法もあります。〈頭骨〉のあらゆる部位を計測することで、同じ種の野生動物であっても地理的な変異から生態学的な情報や進化生物学的な研究にも用いることができるのが〈頭骨〉だからです。〈頭骨〉には、他の骨(例えば、大腿骨など)より、より多くの生物学的情報が蓄積されているからこそ、〈頭骨〉を主に学術標本として残します。

骨の標本は、学術標本としての役割だけでなく、上記のような教育的な手法でも色んな活用方法があると思いますので、その一例を紹介しました。

野生動物の遺体から骨を作る方法は、意外と簡単ですが、以下の書籍などを参考にしてみてください。

■骨の学校―ぼくらの骨格標本のつくり方 著:盛口 満

■骨格標本作製法 著:八谷 昇

■標本の作り方―自然を記録に残そう (大阪市立自然史博物館叢書) 著: 大阪市立自然史博物館

虐待の被害当事者として、社会に虐待問題がなぜ起きるのか?また、大人になって虐待の後遺症(複雑性PTSD、解離性同一性障害、愛着障害など多数の精神障害)に苦しむ当事者が多い実態を世の中に啓発していきます!活動資金として、サポートして頂ければありがたいです!!