見出し画像

不妊治療中にディズニーシーに行ったら、涙が出てきた話。


不妊治療って、小さいストレスの積み重ねと大きいストレスの一撃でできている。

一昨年から、もはや何がストレスなのかもわからない状態になり、昨年わたしはれっきとした「妊活うつ」状態になっていた。

不妊治療は人生の楽しみを奪う。治療を優先して人生がスケジューリングされていくから、旅行や遊びの予定が入れられない。2、3日前に通院が決まるということがあたりまえにある。自分のペースで進めるということができない。

それに、何やってても心のどこかで不妊治療のことがつきまとって、晴れやかな気分の日がない。特に、流産を繰り返してからは、なにやっても楽しくないと思っていた。あんなに多趣味人間だったのに。


去年。あ〜〜限界かも〜〜〜。
もう瞑想とか、散歩とか、アロマとか、推しを眺めるとかが気休めにさえならない…というところまで追い込まれてしまったわたし。




こうなったら、最終奥義を使うしかない。
自分の機嫌を取る最後の手。


そう、ディズニーシーへ行くこと!!

もう本当にこれしかないと思った。最終奥義だから簡単には使いたくなかったけど、もう簡単な場面でもなかったから、今だと思った。わたしにとっては、日本で一番好きな場所はいくつになってもディズニーシーなのだ。

すぐにチケットを手配して、夫とふたり、ディズニーシーへ向かった。


大好きなインディージョーンズに並んで、現実世界ではなかなかお目にかかれない大きな骨つきチキンをひとつ買ってふたり交互に食べていたとき、自然と涙が出てきた。


いま、楽しいと思った。楽しいと思えた。



不妊治療を、出産という形で終えるまでは、心から楽しい瞬間なんてこないような気がしていた。世の中全てのことがつまらなく感じて、目の前のことに集中できなくて、何やっても虚しかった。


だけどわたしには、「今を楽しむ力」がまだ残ってたみたい。
過去を後悔するでも未来を憂うでもなく、ちゃんと今この瞬間を楽しめた。

そのことに、ほっとした。
ほっとして涙が出た。

当日は雨だったし、くそ寒いし、園内のカイロは売り切れでふたりともガクガク震えたけど。子ども連ればかりで凹むかななんて心配してたけど。
そんなのどうでもいいと思うくらい、心は晴れやかだった。
この瞬間、大好きな空間にいる。世界一大好きな人が、隣にいてくれる。それだけで十分だった。



あぁディズニーシーに移住したい(切実)。

まぁ無理だとわかっているので、日常生活の中で「今この瞬間」を楽しめる時間をたくさん見つけていこうと思う。大丈夫。わたしはすでに両手にたくさんの幸せを持っている。



おわり

いただいたサポートは、なにかたのしい経験に変えて、記事を書くことに使います!