THE FIRST完結そのとき何を思ったか〜勝手にトークセッション風〜

4月から始まったボーイズグループオーディション"THE FIRST"。そのオーディションから産まれたBE:FIRSTのデビューを持ち、私の中のTHEFIRSTは完結しました。
(正確にはFINALを見届けるまで終わってないけど)

華々しく迎えたデビューの裏に、さまざまな意見が交錯していたこと、セールスの仕方を改めて俯瞰で見ることで感じた新たな気付き。
そんなことを初期からTHE FIRSTを見守ってきたぱぴこさんと自由気ままにつらつら話してみました。
BESTYと名乗れるのか非常に微妙なところを漂っている二人の雑談です。
(個人的な主観のもとに話していることをご理解ください。こんな意見もあるのだと生暖かい目で見守ってください。)

はーしー:今回のBE:FIRSTのデビューシングルについて、SKY-HIが理想とするセールスと現実とのギャップを俯瞰で見ていて、色々感じることが多すぎて、語らずには居られなくなっちゃった。そもそもぱぴこさんとの出会いはTHE FIRSTだったよね。
私は西島さんファンのあなたのツイートが好きだったから前からフォローさせてもらってて!
日高くんの急な人気と認知に戸惑いを隠せず荒ぶる仲間として出逢ったよね(笑)

ぱぴこ:そうですね(笑)私は基本的に荒ぶっているので、一緒に荒ぶってくれる人ができた、類が友を呼んだと思ってうれしかったです(笑)私もそんなに日高さんのことを詳しく知ってるわけではないけどこっち側からTHE FIRSTを見られるという見方が同じだったのだね、そう言われれば。

※ここでの"荒ぶる"とは、THE FIRSTで初めて日高さんを知ったであろう人に、SKY-HI、日高光啓としてのこれまでの活動や活躍を、ひいてはAAAのことも知ってもらおうと勝手に奔走することを指します。

:あ、にしひだ(西島隆弘と日高光啓のカップリング、という言葉が陳腐に聞こえる、二人の絆的なもの)を愛してるという共通点もある(笑)
:そうなのよねー、好きだわー(笑)

:私はぱぴこさんほどSKY-HIには詳しくなかったけど、THE FIRST見て一気に興味が湧いて。元々賢い人なんだろうとは知っていたけど。
私が書いたMoveOnの考察、あれくらいのときから、なんとなく西島さんの活動をザストに重ねていたのかもしれない。日高さんがいう、今の日本の音楽業界の危機感っていうのが西島さんの活動の仕方とリンクしたのかも。
:なるほどねー…私はまだその頃は西島さんの活動に照らし合わせては考えられてなかったです。ごめんなさい。何しろテンテンが落ちるところで心が乱れすぎてました。俯瞰で見ることに失敗してました(笑)
:あっそうだった。
:いやあの時は本当に失敗したなー…て思ったわー。でもそれがあって、ああ、私はこの音楽業界がどうなっていくのかを見届けるつもりでこのオーディションを見てたんだったって、本来の立ち位置を再確認したよ。
:あっ、その辺りはぱぴこさんのnoteを参照するのがいいですよね!
: いや、見なくていいです(笑)

:テンテンに関してはちょっと愛でる感じでしたけど、基本行く末を見守るスタンスだもんね。まぁともかく、日高さんが回を追うごとにこれまでの過去を明らかにしていくインタビューを見ても、どれだけしんどい思いをしてきたんだってのを肌で感じていたたまれない気持ちになったわけですよね。グループを応援していた身としては。
:そうだね、日高さんがずーーーっと何かに抗おうとしてるなぁとは思ってたけど、日高さんが出してる楽曲の歌詞から推し量るくらいだったから、ここまで業界全体、もしくは日本の文化っていうもっと根本的な大きなことを変えたいつもりでやってるんだっていうのは驚いたというか。
今まで私は西島さんが何かにもがいているなぁと、西島さんの心配ばっかりしてたけど、そりゃそうか、そりゃあなたもだし、もしかしたらラッパーとアイドルの両方を行き来してたあなたのほうがしんどかったんだわな…と思ったよ。でもほんとそんなに詳しくないから(笑)

:冷静に考えたら、同一の人間が全く別のところに身を置くことをやろうとする人って本当に風変わりだなと思う。器用な人じゃないと務まらない。だけど、彼はそこまでクールに割り切れちゃうような人でもなくて。人間味溢れる感情豊かな人だからこそ傷付いてきたのも理解できて。
だからこそ西島日高二人の関係値に改めてグッとくるんだけれども。
アングラな活動を通して自分の音楽に正直に生きて、AAAと二足の草鞋を履きながら業界の光と闇をみてきた日高さん。歌で売れたいってずっともがいてきて、どうにかグループを軌道に乗せようと必死に立ち回っていた西島さん。そんな彼もやっとの思いでソロデビューできたのはグループとしても成熟する頃で。
先に日高さんの話をすると、"グループのことです"という断言はないにしろ、これまでの活動の中で多くのトラウマを抱えていたと話していて。でも、本当に嫌だったらとっくに脱退していたと思うから、そこに誇りはあったのよね。
:それ思う。それほんとに思う。いくらでもラッパーに絞ってやれたと思う。うちの旦那、一緒にSKY-HIのライブに行った後、世界観の完成度が高すぎて「グループやめるんじゃないか」ってボソッていったもん。
「いやそれは無いのがAAAで…」ては返したものの、何がそうさせてるのかはハッキリ分からなくてそれ以上反論できなくて悔しかったけど(笑)
何かグループに対する思いがあるんだよな、グループじゃないといけないものがあるんだろうなと思った。グループ大事にしてるんだろうなと思ったよ。
:そうだよね(涙)
改めて日高さんにフューチャーしても、こんなに個性的というか、人として濃くて。他のメンバーを見てもカラーがはっきりしていて、そんな個性的な人達が同じ山を共に目指すことって衝突もあっただろうし大変だったと思う。そんな人達が15年という長い時を過ごすのを辞めなかったことがもう奇跡みたいな...
だからこその、AAAの休止はTHE FIRSTを見ていたら納得出来たというか。グループとしての意義を丁寧に言語化したり、行動で見せてくれたじゃないですか? 
ああ、今は同じ方向を向いて同じ目標を持って進むというより、それよりも個人の人生観や感情が占める割合が大きくなったんだろうなぁって。

アイドル?アーティスト?

:私は正直AAAの売り方はそこまで好みじゃなくて。特典とかランダムとかも全然興味なくてさ。たくさんCDの形態を出したり。モノに固執するタイプじゃなかったというのもあるけど。 
特にビジュアルグッズが沢山あるイメージで、その人自体にも付加価値をつけているんだな、って印象だったのよね。
メンバーカラーは分かりやすい応援の仕方ではあったのだろうけど、残酷だよなぁとずっと思っていて。(人気の視覚化になるという面で)
間違ってない認識ならば、それが所謂"アイドル売り"ってやつだよね。
この人たちはアイドルなのか、アーティストなのか不思議な存在だよなぁっていうのは昔からなんとなく思ってた。でもセールスの仕方はアイドルだったなと。

: 個人的には「AAAはアイドルじゃないんです!アーティストなんです!!」って興奮して否定しようとする方々を見かけると「まぁまぁ落ち着いて、お茶でも飲みなさいよ…」と思っちゃう派ですけども(笑) SKY-HIじゃないけど、「AAA」っていうカテゴライズでええやん…と思ってた(SKY-HIがよく俺は俺というジャンルって言うアレ)。
某Jグループのキラキラアイドル路線とは違う、別のことをやっているグループなんだから、市場を食い合ったりしないからテレビの露出を増やしてよ!という思いが根底にあるのはわかりますけどね。
だけど売り方はそうやって同じような方式だから、アイドルと言われる面も出ちゃうっていうね。こういう方法(特典を付ける)じゃないとCD売れないんだろうね。ほんとにCD売れない時代に入っていったんだなと思う。

: なんでヴォーカルにダンスが加わったら急にアイドルの風味が入るんだろうね?っていうのは話しても終わりが来ない気がするので割愛するとして、
CDという実態のある音楽というものを消費者に多く届けようとする手段の後押しのためのアイドル売りだとしたら、それってめちゃくちゃ葛藤があるよね。
パフォーマンスや音楽そのものに誇りを持っていた人達だと思うし。でもそのやり方もメンバーの中で良しとする人も居れば、悪しとする人もいたのかもしれない。
おそらくなんだけど、大前提の音楽活動をする前に知名度をあげたり、目に見える売り上げを掴むために、バラエティ要素がある行為をしないといけない環境だったのかなって。順序が逆になるというか。でも、それって会社のせいか?って言われたら全てそうとは言い切れなくて、そうでもしないと日の当たる場所に行けないという謎の閉塞があったからなのかと。10周年の前後くらいから、グループ自体がしっかり意思を持って、人気取りに媚びないっていうか、言い方悪いと開き直ったというか。そんなものをじわじわ感じたりもしたんですけどね。

BMSGのホームページに企業理念が載っているんだけど、どの部分を見ても
実際に活動してきたアーティストだからこそ言える本音だよね。

特にここなんだけど(一部抜粋)

才能が歪んだ形で消費され、救われないケースが多いという事。
確かな才能を担保に成功を掴んだ人間が、実際に幸せに生きている可能性があまりにも高くないという事。

歌やダンスといった芸能活動のクオリティよりも愛嬌や対応に需要が傾いた際に、本人がそれを享受してしまえば、需要はより高まる。いつしか芸能というものはそういうものだと認識が進んでいってしまい、接客サービス業と化す。
本当はアーティストとしての才能と、個人の人間性っていう物は分けて扱われるべきなのに、何かあれば丸ごと攻撃されてしまう。どこに地雷があるか分からない。ちょっとしたことで才能は簡単に殺されていく。そんな中で生きていれば、周りの人間も、時にファンですら信頼できない形が生まれていく。確かな才能と魂の込められた作品がいくつ回収されただろうか。作品と関係のない話に何度消費されただろうか。

いくつの夢と才能が、望まぬ消費をされ、潰され、殺され、灯を消して来ただろうか。

:日高さんはよく"消費"って言葉を口にするんだけど、おそらく音楽の理想とするところって、消費ではないよね。サービス業でもないはず。音楽を受け止める側の気の持ちようでしかないんだけど...。
どう考えてもこれまでの売り方や宣伝のされ方、日本の音楽チャートをみたら疑問を抱きながらもこなしていたって思ったのよね。
SKY-HIのセールスまではあんまり詳しくないのだけど、自分たちが現地に赴いてリリイベしたりね。大概CD買ったらハイタッチがついてるとか、FCに新規入会したら写真取れるとか。
さっきもバラエティが〜のところで言及したけど、音楽そのもの<アーティスト本人 みたいな需要になっているんじゃないかと。どストレートに言ってしまうと、犠牲の上に成り立つCD売り上げみたいな。
もちろん、ファンとの交流もあったからこのセールスを一概に否定したりするつもりはないんだけど。

: そう、だからさ、日高さんがグループに対して抱いてた葛藤みたいなものって、どうもAAAファン界隈で誤解されるようだけど、グループをやりたくなかったとかそういうミクロ的な話ではなくて、グループの売り方というか方向性というか、もっと言うと、グループで音楽を純粋にやりたいだけなのに、それがスッとできない業界全体への葛藤だったんだよね…
さっきも言ったけど、「グループをやる」ということに関しては、そこは絶対にやり続けたいと思ってるんだと思うし。
オーディション中に参加者達に語りかける言葉の色んなところで、グループの素晴らしさとは、っていうのを伝えてたと思うよ。自分がグループを素晴らしいと思ってるからこそでしょ。

: そうそう。この仕組みや業界の悪しき伝統みたいなのを根本から変えていかないと、第二の自分のような存在を出してしまうという危惧からだよね。実際言ってるし。
ちょっと言い方がストレートすぎたり、思いもよらぬところまで教えてくれるのでよくざわつくけど(笑)
私もやっとそうなんだって素直に思えるようになったわ。だからこそ、BE:FIRSTのCDの売り方にびっくりしたんだけどね。

BE:FIRSTのファンダム

: 元々、THE FIRST放送中〜終了後、この界隈にハマった方々のパターンが全然読めなくて。
別の界隈でしっかり推し事経験があるようなオタクプロみたいな方から、FLYERSさん、スッキリ層の主婦、オタ活未経験の方、私みたいにAAAから入った方。
それぞれの常識というか、当たり前が違いすぎて。
その上、BMSGの掲げる目標はどちらかというと既存のオタ活の呼ばれる行為をすることとは正反対なわけですよ。
デビュー前のSKY-HIのラジオで、"CDを沢山買って頂くことは有難いことではあるけど、レーベルが潤い、アーティストに直に入ることは難しい。だからこそ直に届く今回のクラファンだった。形態を揃えてコンプリートするなどの買い方をして頂くことは事務所の企業努力が必要ですが。"
というような事を言っていて。(うろ覚え)
必ずしも応援の意味で買うってことを推奨してないように聞こえたのよね。

それからARATAさんもYouTubeで言及したこちらの記事や


こちらのストリーミング時代についてのトークセッション

: 私もこれ見たよ。確かに、聞く前から高評価は逆に失礼すぎるよな…と思った。音楽をやる人に対して、音楽を聴いていないという一番やって欲しくないことになるっていう。それって本当にファンなの?アーティストを大事にしているの?っていう。

: だよね。耳が痛いな、と思った。ここでいう"応援する"っていう行為の一つがビルボード対策だったり、再生回数貢献みたいなものに当たるのかなぁと。
インタビュアーであるレジーさんのツイートの
"ファンの組織力と熱意で「YouTubeの再生回数を増やそう」みたいなのは気をつけないと楽曲やアーティストの評価を貶めることになるのでは?"って話にも通じるなと。
それから"推し"の概念ね。広く音楽を楽しめる人って所謂オタク気質な一点集中型の応援の仕方じゃないよね。人柄から先行して好きになったりしたときに、それが音楽やってる人だとしたら、音楽性は後付けになるというか。元々音楽活動から"好き"になったとしても、その人自身が好きだから、もう何言われても好き!だから応援するし!みたいな感情になったときって、確かにカルチャーを殺すよなぁって(涙)
ここに気付いたとき、自分にも思い当たる節が多くて、ナイフでざっくり刺された感覚だった。だからTHE FIRST観ていて、そういうところからのバズりが多かったのを客観的に見たら、BMSGの目指す理想とは少しずれているようにも感じる。
でも綺麗事を言えば、そうしてお金を払う行為があるからこそ成り立つビジネスの側面があって、熱心なファンの厚みがあることで大きな箱で全国ツアーが出来るという背景があるし...受け手である私たちすらもこうやって葛藤するんだよね。

ぱ: そうなんだよね…ドームが埋まるのも、何回も通うファンがいるからこそっていう面があるもんね…何回もとか、何枚もって、全てを否定はしきれないし、ダメなことだとも思えない。ただ、それが応援していることだっていうのは根本を間違っちゃってる部分があるよってことだよね…

は:表裏一体というか、紙一重というか。難しい問題だよね。そういう、誰も言わなかった暗黙の了解みたいなところに、大声で"それはおかしいんじゃ?"っていう勇気みたいなのに、グッと来たし、賛同した人も多いよね。

AAAってCDの全盛期と変換期みたいなところにいたアーティストじゃないですか?ストリーミング期の立ち上がりにもいて。積む行為でCDが売れたり、ストリーミングを回すことでランキングに入ったり。そういう音楽の消費の時代にいるわけで。もう苦悩ですよね。だからこその問題提起なわけですよ。本当の意味での音楽の届け方の理想の形ってなんだろうか、みたいな葛藤。どちらの良さもわかれば、悪さもわかる。そんな時代を駆け抜けた一員である日高さんのBMSGだからこそ、Gifted.のセールス方法はかなり気になっていたんだけど、
第一印象はAAAと同じだ、でした(笑)
これが"これから広く世間に打って出ていくにあたり『既存の芸能のあり方』の中での仕事が始まっていて、その距離感に悩むことも多いです"と言及した部分なのかな?と思ったのよね。
レーベルはBMSGとavexの共同レーベルだし、最初から理想のセールスとはいかなかったのかなと感じたりもした。あくまで素人の推測の域ですけど。
映像特典や初回盤のみの音源があったり、形態を揃えて購入を促すってのは企業努力になるのかな。特典にオンライントークの抽選券になるシリアルコードが入っていたり、ランダムにメンバーのヴィジュアルグッズが付いていたことには、これは"媚びる"ってとこには入らないの?って個人的に矛盾みたいなものを感じたのよね。

: avexとの共同レーベル、っていうところの話ってありそうだよね。何形態も展開しないと売れないという目算なんだろうし、ということは即ち、やはりCDの売上は現状では必要ということ?

:実際にどれぐらい売れたらば、黒字になるっていうのには詳しくはないんだけど、CDという形あるものにするのにはアーティストしてのプライド、じゃないけれども感じるよね。でももうこのSNS時代には"デビュー"っていう概念も若干古い気もする。だってYouTubeに自作曲をバンバン載せるアーティストってそんな概念ないじゃないですか?今回はオーディションの末のデビューで、区切りみたいものとも言えるかな?       
元々の話にはなるけれど、CDを作って世の中のお店に並ぶまでって、本当にお金がかかると思うよね。要所要所でのコストがすごくかかる。それでも形あるものにする理由ってことですよね。

で、ここまで長すぎましたけど、我らがNissyさん(西島隆弘さん)の登場です!いや〜長かった(笑)
こういう一連の流れを見ている時にね、ふと思ったんですよ。Nissyのセールスって改めて特殊で新しいわ、って。

Nissyのセールスとファンダム

Nissyは2013年にこの世にお披露目されました。(SKY-HIは2012年デビュー)デビュー曲"どうしようか?"は2013年8月6日にMVがYouTubeにアップされましたが、音源販売はされず、その約1年3ヶ月後にCDとしてやっとファンの元に届きました。

そのセールス方法はavexのオンラインショップであるミューモやAAAファンクラブ内のショップでの受注販売やサブスク、配信販売のみで、店頭で発売されたのは、"Nissy Entertainment 2nd LIVE -FINAL- in TOKYO DOME"のLIVEの円盤が初めてでした。その後のベストアルバム、ライブ円盤は店頭販売されましたが、2019年、2021年にリリースした曲は全て配信、また受注販売となりました。

: Nissyのセールスは独特ですよね。
まず2014年のCD販売の時点で店頭販売がなかった。ミューモと配信のみでしたね。
このセールス方法は、ファンの間では事務所からの抑圧なのかも?みたいな説が多かった。
私もそうなのかなって思っていたこともあったのだけれど、今回のSKY-HIのインタビューやBE:FIRSTのデビューシングルの界隈の動きを見て、何か意図があったセールの仕方なのかもって感じたんですよね。

: スタートの仕方としては、CDを出させてもらえないから何とかもがいてMV作ったのかな…ていう感じだよね。でもたぶん軌道に乗り始めてからも、CD店頭販売はしないっていう方針だよね。私もこれが何かの陰謀なのかと思って随分心を痛めた部分だったけど…(笑)
今思うと、そうでもない部分がありそうだ、と。

: そうそう、押し切ったとも言ってたね。     
ちょうどその頃、AKBのシングル総選挙が世間では盛り上がっていて、チャートを占めていたのはほぼアイドルだったんですよね。
グループとしては新しいフェーズに突入するような時期かな。777やEighth wonder、gold symphonyの頃。
年齢的にも25歳を迎えて、もう立ち止まったままじゃいられないと思ったんだろうね。           MVは、撮影スタッフから相手役の女優さん、全て自分で手配したと言っていたし、事務所としてはソロ活動に肯定的じゃなかったのかもしれない。でも、元々グループの中でも中心の人で実力もあったから、どうしようか?はファンからの支持を得て、CD化したんだもんね。

そこからNissy entertainmentはエンジンが掛かって、何作かリリースしたあとにアルバムもできて。ライブまで実現した。
そこまで、ずっと店頭販売はなかったよね。その後のライブ円盤も店頭販売はなかったし。
2ndアルバムを引っ提げてのツアーがアリーナツアーになり、確実に着実にNissyのファンダムは広がっていって、ついにはソロでドーム公演。
このスピード感を持ってしても、店頭販売は無かったんですよね。最初に言ったけど、店頭販売されたものがその後に3回あって、ちょうどその時の売上が30.8億ありましたよね。(2019年度アーティストトータルセールス10位/オリコン調べ)
今までチャートというチャートに入っていない中、本当に伝説だったと思う。

でも、その後のリリースは従来のものに戻った。今回の言及したいのはそこなのよ。            私とぱぴこさんがTwitterで発言したときに有難く意見を頂戴しまして。こちらなんですが、

『こだわりが強すぎて、周りの人を理解させるのに時間がかかるからスピーディなリリースが出来なかったんじゃない?音楽性はもちろんあるんだけど、エンターテイメント性を重視しているし、パッケージごとに1つの作品で懲り過ぎて量産出来ないのと時間かかるからオーダーになるんでは?』

わかりみが深い(笑) これに関しては、その通りです。としか言いようがなかった(笑)
でもこう意見をもらってすごく感じたのは、あっ、自分の意思を持って、店頭販売よりも作品の完成度を重視したんだな、ってこと。
譲れないこだわりのポイントがチャートに載ることじゃなく、あくまでも作品そのものに重点を置いているんだなぁと。

: 西島さんはこだわりが強すぎて時間がかかってスピーディなリリースができない、が本当にそれだわ(笑)
そうしてみると、西島さんはとにかく自分が作りたいモノにこだわって、戦略は二の次っていう感じがするなぁ。

: そうだよね。これってある意味幸せなことだと思うのよ。だって、自分のしたいように魂込めて作った作品が、一般的なCDよりも値段が上がっても、需要がある、喜ばれるってことだと思うし。
それこそ、作品作りはやりたいように出来る環境だったってことだよね。(初期からではないにしろ)媚びなくてもきちんと音楽を届けれる、というか。
でもその中身が伴ってないと、ここまで大きなファンダムというか、ドームでライブを出来るまではならないと思う。Nissyの作品が人生に彩りを与えたり、作品を楽しんで、面白いなと思う人が増えたからこそよね。

AAAはね、もちろんチャートは気にしていたと思います。実際に売れたいっていう発言や、ヒット曲が欲しいっていう願望も口にしていたし。でもそんなときにチャートを占めていたのは、全てではないけれど応援の意味で買われるCD達が多かった。すごく葛藤があったと思う。もし自分が当事者で、純粋にいい音楽を届けたいって思っていたとしたら、そんな中で戦うというか、比較されたりするのって本意じゃないし、意味が違ってくるというか。本質的なことで評価されるのとは訳が違うからなんだかなぁ、と思いますよね。

: もはやランキングはどうでもいいぐらいだったんかな(笑)そんで、ごめんねランキングに乗ってこなくて、分かりやすい目安としてドームするね、だったんかな(笑)
私もっとランキング気にしてる気がしてたけど、そう言われるとなんか、この人どうでもよかったんじゃないかなとさえ思えてきた(笑) いや、誉めてる。誉めてるよ。そこまで自分のやりたいことに一直線なんだから。そしてモノ作りに対するこだわりは、私が職人気質の人が好きなので、大好きでしかない(笑)

:大好きですよね、この我を通す感じ(笑)
(ドームライブを決行したのかはNissy本人も話してはいます。Nissyというアーティストはチャートでは目立たない存在かもしれない。ドームという活字が応援してくれる方の安心になるのであれば。というニュアンスで)

AAAも結果的にはドームアーティストまでファンダムが広がった訳であるし、必ずしもチャートインやメディア露出、世間での認知度が高いから人気者っていう方程式は成り立たないよっていうのを体現したグループであると思う。(そこに到達するまでが長く苦しい道のりで日高さんが言うような、音楽とは関係ない消費みたいなところでもがいていた時期も多かったのは事実)
だからこそ、ソロでは自分の意思を持って自分なりのセールスを確立したんだと思ったのよね。

: 私前に、西島さんは次世代に託すんじゃなくて自分がプレイヤーとして活動していくことにした、みたいなこと言ったけど、そんな次世代にどうのこうのとか、カルチャーごとひっくり返すみたいな大きなことは考えてないよね、きっと。ただただ自分がいいと思ったモノを作っていきたいっていうだけなんだろうな…と思ったよ。日高さんのようには考えてないな、となんか今フッと思ったわ…
あの人ほんとにピュアね(笑) でも、自分がやりたいように作りたいモノを作るためには、やはり売れてないといけないわけで、その為の手段はそりゃ取らないといけないし、ということで最低限のことはやってた感じ?

:確かにそんな壮大なことは考えてないでしょうね(笑)
(まぁでも日高さんもSKY-HIとしての個人的な売り方は同じようなマインドの気がするよね。リリースのスピードが違うだけで)
でも、結果的にそれが次世代のセールスの走りになったと言いますか。アーティスト、アイドルに囚われない新しいジャンルでの発信だし、競合しないっていう意味でも、自分の音楽に誇りを持ち続けて、常に更新していくべきは他の誰でもなく、自分というか。タイミングよく、ストリーミングの時代を迎えて、様々な音楽へ敷居が下がったのも良かったよね。音楽ファーストって考えたら配信での販売も時代に合っていたんだろうなぁ。 初見の人が店頭でCDを買う確率で考えたら、配信で買ったりストリーミングで聴くことの方が遥かに入り口としては優しいし音楽の真っ当な楽しみ方だと思う。                                                                  自分が納得したやり方で対価を頂くってのが最低限のラインだったんですかね?もちろん黒字になる計算でね。商売っ気ないな〜と思いつつ、アルバムやライブ円盤なんかは、ドーンと2万円オーバーにする感じ、嫌いじゃないんですよ(笑)
それがね、これが自分の魂掛けて作ったエンターテイメントです!っていう自信をひしひしと感じるからね。

今回BE:FIRSTがビルボードで1位(Billboard JAPAN総合ソング・チャートJAPAN HOT100」(集計期間:11月1日~11月7日)になったのはシンプルにすごいし、嬉しいけど、界隈の動きを見ていたらやっぱりそのランクに乗るための頑張りみたいな争い?感があって、CDも勝たせるために沢山購入するっていう流れが見ていてうーんとなったのは事実ですかね。
その人のお金なんで、誰もなにも言う権利はないんだけども、綺麗事を言うとそこがなぁ、、という印象。
(自分の感覚的にはAKB商法と紙一重)
(しかしながら、ラジオの力が素晴らしいっていうのはまたここで気付きがありました。話がずれるので割愛しますが)

多分日高さんは全部わかってるんだよね。そういうチャートで上位にならないと、今後の活動に左右してくる、広告が取れない!とか、そういう現実なところにぶち当たるのも絶対わかってる。だって自分自身が体感してきたんだから。
だから、そういうことで判断される現実すらひっくり返してやりたい、っていう挑戦だと思うのよね。これは。
そのためには質の高いものを維持しないといけないっていう至極真っ当な考えなんですよね。
クオリティの高いものを届けさせすれば、良いものは良いって忖度なしに、ファンが必要以上に頑張ることをしなくても数字にきちんと反映されて現れると思うし。

ぬるっとまとめる

は:そんな考えも踏まえて、今一度BE:FIRSTのセールスの話に舞い戻るんだけれども、正直売り方にモヤってた自分がいたんだけど、西島さんの売り方を経由して考えたら本人達が望んでやるセールスならばそこには何の問題もないんだってこと。

大前提に音楽思いっきりやってる!っていう環境さえ整っているのであれば、売り上げ伸ばすためにバラエティ要素がある露出をしたり、ビジュアルグッズの販売、ファンとの交流をやらないといけないって言うネガティヴな思考にはならないと思うのよね。
音楽ファーストで現実には一番音楽に近い環境にいるからこそできる、心の余裕とか、それで売れたとしたら本望であるし。
売るための自己犠牲にはならないよなぁ〜っていう気づきがあったんですよね。 

ぱ: そうだよね!!!!!
みんな今いろんなことをとても楽しそうにしてると思ってる。お母さん嬉しいよ(涙)
シュントくんも、バラエティに出たいって言ってたし、やってみたいお仕事の中にそういうのも入ってるよね。私達だってこんなにテレビに出てほしい出てほしいって言ってるんだから、急に高尚ぶってテレビなんか…バラエティなんか…て言わないでいいと思う。見たいもんは見たいでええやないか(笑)
何事もバランスだよね、っていっつも何の分野であろうと思う。そればっかりやられるから、本業は何?ってなるんだし。音楽ファーストですよね、まさに。彼らには明確な目標があるし、クリエイティビティもあるし、ポテンシャルもあるし、未来が楽しみだ!!としか思えない!

は:こちら側からしたら、その中身の比重というのはわかるわけないんですけど、日高さんにはすごく大事にしているスローガンが堂々とあるわけで、とても安心だよね。やっぱり、やらされているのと自発的に取り組むのでは訳が違うし。
アーティスト活動をする中で、本人もファンも出来るだけ不透明な部分が無ければ、それって素晴らしいことだし。こちら側も、こういう応援の仕方や音楽の楽しみ方、受け取り方で素直に間違ってないんだな、って安心にもなるもんね。
どこか、虚像やビジネスライクなものを見せられてるのかな?と思い始めるとだんだんキツくなってくるし。今まではそういうこちら側が描く理想をアーティスト側に押しつけてしまう部分も多少なりとはあったと思う。自分の何を知っているのか?とインタビューで日高さんも言っていたしね。
そういう意味でも出来るだけ気持ちの思い違いみたいなものが無くなれば健全ですよね。だからこそ、ここで話しているのはポジティブな妄想と理想であって、決して決めつけではないということだけは誇張して主張しておきます(笑)

ぱ: そうですね(笑)前に、はー氏が言ってた結局こっちが勝手に妄想して言ってるだけにすぎない、的なことは私も肝に銘じてるんだ…どうしても理想の推し像を作りがちだしね。たぶん私達が思うほど西島さんは不幸ではないし、辛い思いもしてなかったりするんだと思う。めちゃめちゃ立派でもなかったり、ただ単に「ひとりの人間」なんだと思う。そういう、ちょっと距離感というか、理想像を押し付けないっていうことも大事だよね。どうしていても好きだけど←

は:本当にね。西島さんはちょっと不運なところがファンの母性をくすぐるって方程式は明らかなんだけど、それでも虐げられ続けてこの業界にいるんじゃない、自分の意思でしっかりアーティストとして作品を届けてくれてるって希望を持って好きでいた方が私達も幸せな気はしますよね。

ぱ:こういう業界の健全化というか、ファンの在り方とは…ていうことを考えることが、私は楽しかったので、これからもBE:FIRSTを通して考え続けていきたいし、応援し続けたいし見守っていきたいな…と改めて思ったよ。
今回はセッションの相手に選んでくれてありがとうございました(笑)

は:今まで考えもしなかったことを考えるきっかけになったTHE FIRSTは本当に革命でしたね。なんとなくぬるっと生きるとこでしたよ。これからも考えることをやめないでいたいね。こちらこそ、リモートでありがとうございました(笑)

ここまで読んでくれた方がいらっしゃるかわからないですが、グダグダの座談会トークを読んでくださりありがとうございました!!!!

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