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フィーダシュタントを観劇して

皆さんこんにちは、いかがお過ごしでしょうか。
LDHオタク19歳大学生です。
3月16日に開幕した韓国発の舞台
「フィーダシュタント」23日soiree公演を
観劇してきました。
持論を基に考察を深めるというより観て「ここがすごい!」と思った瞬間をただ書き連ねていきたいと思います。当方THE RAMPAGEのRIKUさんを応援しております。
まだ観ていない方はネタバレになってしまうかもしれないので自衛をお願いいたします。
5月に配信あるそうです。

運命共同体ってコレ

鷹揚・天真爛漫でちょっとおっちょこちょい、
そして負けず嫌いなマグナス、
マグナスの幼馴染でクールかつ冷静で
物事に対して確固たる意志をもつアベル。
二人とも仲間思いで優しい。

とにかく二人が運命共同体過ぎて最高。
それがまた残酷。
マグナスはアベルがいないと駄目だし、逆も然り。

一幕前半のマグナスがほぼ陸さん。
明るくて、可愛くて、いいやつ。
ほんとそのまんま。
そのいつもの陸さん演じるマグナスが闇落ちしていくシーン、得体の知れない何かを誤って見てしまった感があった。めちゃくちゃ興奮した。
もちろんこれまで共に切磋琢磨してきた大事な仲間であるアベルをずっと心の中で思い続けてはいるけれど、突として手に入った権力に踊らされ、だんだん目にハイライトが入らなくなる。

マグナスがクレアに一目置かれる件。
「認められる」ことが引き金だったと思う。
学校最初の授業でフレドリッヒに惨敗し闘争本能を剥き出しにして練習に励むマグナス。近親者で”認めてくれる”存在であろう父親に対してあまりいい思いの無いマグナスは自分の努力を報いてくれるクレアは光に見え、着いていくしかなかった。悪く言えばクレアはマグナスの精神的弱点に付け込んだに過ぎないかもしれないが、逆に言えばマグナスもクレアに縋るような思いだったかもしれない。
「認める者」「認められる者」の歯車が合うとまるで沼のようにどんどんはまっていってしまう。

そしてアベルとは幼い頃、中世の騎士の如く互いが互いを死ぬまで守るという誓いを立てた。
「我、アベルを死ぬまで守る」という風に。
最早これが呪文のようなものだったと考えるとめちゃくちゃ胸が痛い。

学校に対し「フィーダシュタント」を掲げるアベルを含む大事な友人たち、その対極で自分を認めてくれ思い通りにしてくれるクレアという存在。
二極間に揺れるマグナス。
守りたいけど、認められたい。
心も目も揺らいでいた。そう思ううちに後者に傾いていき、闇落ちという結果になった。
欲求が人を変えた瞬間をだった。

一番苦しかったのは、
マグナスとアベルがぶつかる場面。
ハーゲンに対し、若干の後ろめたさを感じながらも
酷すぎる罵声を浴びせる。
後ろめたさがあるというのがなんとも辛い。
ETERNAL2のレンブラントのように何の配慮もなしに(無知ゆえ)地雷を踏む感じとは180度変わって、とにかく陸さんの表情が苦しそうで苦しそうで。人格否定の言葉を声の小さかったハーゲンに何度も復唱させる痛々しさ。クレアに認められるため・ガッカリさせないため、言いたくもないことを言わなければならない苦悩が全身から滲み出ていた。
体調悪かったら見てられない。
その勢いのままアベルとの決闘。
かつて同じ希望を胸に抱き”親友”として互いの存在を大事に思っていた仲。今はひたすら剣と思いをぶつけあう。互いに何をどう釈明しても分かり合えない。互いの熱量の根源は悲しみなのか、怒りなのか、宥めなのか。
これまで陸さん出演舞台作品は幾度となく観てきたつもりだけど、あんなに怒りにまかせ顔を歪める嫌な奴を演じ切る陸さんの表現の幅・演技力に圧倒された。音楽や殺陣からもその熱さが伝わる。
本当はいつかの誓いのように「アベルを守るため」だったとはいえ、あまりにもキツい場面だった。

結果としてアベルは自殺。
それもまた「マグナスを守るため」。
大切なものを失ってから気付く自身の過ち。
大事な親友の復讐のためマグナスの心に「フィーダシュタント」の意思が芽生え、少しずつマグナスの目に反抗の意思を示すハイライトが入る。
その目のハイライトが最大化したその時、
かのドイツ総統を斬りビラを撒いて幕が閉じる。

アベルは仲間を守るため自分のやるべきことを見つけ、マグナスは本当に正しいことなのか疑問を胸に抱く。共に正義感の強いふたりだからこそ、この差が即座に開いていく。この対比が泣ける。
生物学の授業でマグナスはアーリア人として頭蓋骨を褒められ、アベルも褒められはしたものの差別的であると反抗。きっかけはこの辺かなと考える。

私はこの舞台で、権力を持つことや大事なものを失ってから気付くことの怖さ、題材であるww2の狂気を感じたが、それよりもそれらを含む"人間の生々しさ"を全身に享受した。
顔から笑みと光が消え、目付きはきつくなり、声も無愛敬になる。怖い。権力を手にしただけで、人はこうも変わるのか。たかが、でもされど。

この舞台、怖くて、惨い。残酷。でもそれが良い。
これらの単語だけでは到底言い表せないが、そう言うしか無い。語彙が無くなっちゃったから。

陸さん、君は綺麗だ

陸さん座長4度目となる今作品。
マグナスはこれまでの『ETERNAL1,2』、『天使について』のどれとも異なる役柄で正直こんなにハマると思っていなかった。
前述した3つの舞台では「THE 主人公!」という役柄が多く、「この役、まんま陸さんやん~」と思うのが常だった私の新しい扉が開いた。
『フィーダシュタント』もイントロダクションを見る限り”いつもの”だなと高を括っていた。
そんなわけなかった。

当オタク、陸さんには実生活でなるべく苦しまず、楽しく、幸せに暮らしていただきたいと願い、
”陸さんの幸せは我の幸せ”
というスローガンを掲げて生きている(まるでアベルのようだが一方的なので契は破綻)。
しかし、役柄で苦しみ、悪に塗れる分には
もっともっとやっていただきたいと思う。
せっかく開いた”ダークサイド陸さん”という扉を
閉じたくない。

言わずもがな顔がいいんですよ、凄く。
端正な顔立ちとだけでは言い表せない、
趣のある顔の良さなんです。
そして歌が、声がいい。曲が長調でも短調でも、雰囲気が明るくても暗くても、どんな場面でも陸さんの存在感を助長させる。
「そりゃ、vo.だし歌上手いよね、」
なんて言っていられない。
THE RAMPAGE vo.の陸さんの歌声ももちろん大好きだが、”舞台俳優”青山陸の歌声も大好きなのである。どちらも力強く、繊細で、透き通る歌声であるのは間違いない。
”いつもの陸さん”と”舞台の陸さん”の二面性を、私は同じ陸さんだからと言って一纏めにしたくはない。
陸さんが歌う一瞬一瞬を噛み締めなければならない。陸さんの歌声で救われる命、ここにあります。

マグナス役が陸さんで、この舞台の座長が陸さんで本当に良かった。

麗しきアベル役、糸川洋燿士郎様

糸川様、めっっちゃくちゃに顔がいいな!?
ということに気がづいてしまった。
画面越しでも実物でも、お肌が陶器過ぎる。
原材料は蝋…?
糸川様はフィーダシュタントでお初にお目にかかったのだが、演技も歌もヤバすぎる。
どこのシーンかはうろ覚えで申し訳ないが、上を向いてスポットライトが顔に当たっているというのに目からハイライトが消えていくアレ、
一体どうなっているんだ。
アベルとライナーの二役を見事に演じ切り、私は見事にどちらの役にも感情移入して号泣してしまった。まあずっとボロボロに泣いてたんですけど。

フィーダシュタントは終わらない、私の中で。

長くなり過ぎたので、フィーダシュタント個人的レポはこの辺で。
まだ、ジャスパー(浦川翔平さん)・ハーゲン(吉高志音様)・フレドリッヒ(正木郁様)・クレア(藤田玲様)について全く触れられていないので、別記事にして出します。
フィーダシュタントは、見た人それぞれがいろんな思いを抱え、色んな解釈が出来、どこまでも楽しめる作品だなと心から感じました。
なるべく、二回以上見たほうが良いです。

最高な作品を、ありがとうございました。

読んで下さり誠にありがとうございました。
感謝永遠に。また、どこかで。

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