インターネットが地上と地下に分かれていく

ちょっと前に、周囲でとても
好意的に受け止められていたニュースに対して
批判的なコメントをしている人を見かけた。

釈然とせず、なんとはなしに
そのニュースの当事者の名前でツイッターを検索してみたら、
批判的なコメントが思った以上に出てきて、

人の生き方を否定する人、ネガティブなことを
言わずにはいられない人がこんなにも多いのかと驚いた。

ある意味、私にはない視点だった。
それにしても、当事者にあの言葉が届いていたら、
と思うと胸が苦しい。

そういえば、
#metoo に関しては自分が台風の目だったけれど、
あの時、つらくて死にたかったと打ち明けたら、

相手に
「え、みんな応援していたのになんで?」
と言われたことがあった。

その人の周りでは、
きっとみんな、応援してくれていたんだと思う。

けれど、私の目に日々入っていたのは、
誹謗・中傷とデマニュースと嫌がらせだった。
私への応援しかないタイムラインがこの世界にあったとは、
夢にも思わなかった。

ただ、それは私が当事者だったからで、
私も自分に直接関係のないニュースを見ている時は
片面の反応しか見ていないのかもしれない。

当事者だったからこそ、表、裏両面の反応を見れたということだろう。

この時、精神的に大きくダメージを受けた話は
他のところでもしているのでいったん
ここではおいておく。

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ここで語りたいのは、
同じインターネット上にいるのに、
みんな、日々見ているものが違う、ということ。

私のことを、ただのキラキラ系インフルエンサー
と見てくれる人もいれば、
(広告代理店の人に、読モだと思われていることがある)
炎上常連の作家気取りの女、と見る人もいる。

私は一人しかいないのに、
貼られるレッテルは様々だ。

見る角度、相手のいる世界によって、
私の見え方は、相手にとって、
敵にも味方にもうつるだろう。

これはあちこちで書いていることだけど
この一年ほど、次の小説のために、
裏アカウントを持っている。

名前を出してやっているサブアカウントではなくて、
誰も私の正体を知らないアカウントで、
そちらでは、裏アカウントやナンパ師ばかりフォローしている。

そっちの私は、人妻の設定で、
淡々と話題のツイートをRTしたり、
毒にも薬にもならないことをつぶやいているのだけど

ツイッターのアプリを立ち上げて
普段の「はあちゅう」から、
その人妻アカウントに
タイムラインを切り替えると、
明らかに風景が変わる。

たとえるなら、地上から地下に降りた感じ。

そこから見る世の中は、
私が普段見ている世の中とは全然違う。

例えば、私が普段、憧れ、尊敬している人
(名前出しちゃうと、例えばキンコンの西野さんとかね)

が、地下のタイムラインではめちゃくちゃに
罵倒されている。

堀江さんのロケットの失敗は、
地上のタイムラインでは、
「次につながる失敗だ」と
称賛されていたけれど、

地下のタイムラインでは
「ざまぁ」と嘲る声ばかり。

この違いはなんだろうか。
地上と地下のコントラストに
ただ唖然とするしかない。

ちなみに、地上のタイムラインにしか登場しない人と
地上で見るメンバーで、
地下のタイムラインにも定期的に登場する人がいる。

地上にも地下にも登場する人は
いわゆる「アンチ」を抱えている人だ。

私も、たまに登場する。
裏アカで、RTされてくる表の自分の言葉見るのは、
なんだか不思議な感覚だ。

西野さんと前にエゴサーチTVで共演した時、
アンチは自分では届けられないところに
ニュースを拡散してくれるから
アンチは大事にしろ、利用しろ、みたいなことを
言ってくれたけれど、まさにそれ。

地上にも地下にも登場するには
「アンチ」が必要なのだとわかった。

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地上は実名、顔出しをしている人の世界。
地下は匿名、裏アカの世界とも呼べるかもしれない。

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