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自分にとっての「幸せ」の作り方

この話、他にも書いたことあるけど
クローズドな場所だから、ここでだけ少し詳しめに書く。

広告会社時代、業界の偉い人に猛烈にパワハラとセクハラを受けていた。
なんでも思い通りにならないと気が済まない人で、ただの新入社員の
私に「はあちゅう」という異名があることを知ったとたん、態度が変わり、ご飯に行こうと誘われた。

なかなかご飯になんていけない相手だと思ったから
誘われた時に優越感を感じたことは否めない。
でも、そのご飯をきっかけに、私は奴隷のような扱いを受けることになり、
それは会社に入った直後に始まって、私が退社するちょっと前までずっと続いた。

最初は彼からの誘いをうまくかわしたり、激高された時にいなすことも
社会人として必要なスキルだと思ったけどだんだん、そうも言えなくなってきた。

詳しく書くと相手が誰かばれるから、いろいろぼかすけれど、
深夜1時、2時に平気で電話でたたき起こされ、
4時間くらい、電話で彼の自慢話を聞かされたり、
女の子を紹介しろと言われたり、家に来いと言われたりして
電話をスルーすると、30回くらい着信があって
電話をオフにすると社用携帯にも、
会社のメールにもツイッターのDMにもメッセージが来た。
それが、ひどい時には毎晩続いた。

電話では自慢話を聞かされた後、徹底的に叱責された。
「お前はブログでいい気になってる。慶應から電通に入った自分を自慢したいんだろ」「慶應のやつらは、筋が悪い。群れたがりでつくるものに、骨がない」よく、学歴を攻撃された。怒られたからといって、今更変えられるものではないのに。

長文の英語資料を、「これ訳して」と送ってきたり、「このオンラインセミナー俺のかわりにみて感想教えて」と言われたり、なんだかんだで一日中彼の対応に追われることもあった。

ツイッターで「これをRTしろ」とか「こいつのツイートはRTするな」とかそんな指示もあった。彼の嫌いなクリエイターのつぶやきをRTすると
10秒後には電話がかかってきて怒られた後で
延々とそのクリエイターの悪口を聞く羽目になった。

クリエイターワナビーの学生と彼が飲んでいるときは
よく電話がかかってきて、
「はあちゅうは、俺のいうことはなんでも聞くよ。テカだからな」
と学生たちに自慢しているみたいだった。
(テカというのは手下、という意味の業界用語)

プレゼン前で死んでいようと、残業中だろうとかまわず、
知らない学生と電話で喋らされ(まあ学生に罪はないけど)
でも切った後には「でもはあちゅうはクリエイターとしては
まだまだだからなー」と学生相手に喋られることは目に見えていた。

家で友人とユーストリーム中継をした時は
放送開始10分で電話がかかってきて
「お前のその低クオリティーの放送が、広告業界のクリエイターの放送だと
思われたら、責任とれるの?」と怒鳴られた。
今から考えたら笑い話だけれど、
その時の私は、世界が終わったような気持ちになって
放送中は一切喋れなかった。

まあ数年間、本当にいろいろ
ここではとても書けないことがあったけど、
最終的に彼のしつこいハラスメントにある時ノーを言ったら

「お前が俺と縁を切るのが望みなら
今この電話を切った瞬間、お前と俺は
一切関係がなくなるようにしてやるよ。
ツイッターもブロックするし、連絡先いっさいがっさい、
電話もメールも消去する」と言われた。

いつもの私なら「ちょっと待ってくださいよ」
と全力で彼の機嫌をとるところだけど
その時はもう本当に本当に疲れ切っていたので
「わかりました」と言った。
その答えは彼にとっては予想外だったみたいで、
「お前、広告業界で生きていけると思うなよ」
「俺を敵に回すってことがどうなるかことかわかるな」
「お前がコピーライターとして世に出る道は、あらゆる方法でつぶす」
と言われた。

「もうそれでいいですよ」と言ったら電話は切れた。

翌日から「俺はあいつを見損なった」と社内・社外のあらゆる場所で言われた。「クリエイターとしても才能がない」とか「絶交した」とか
いろいろな場所で言ったみたいだった。

いくらあの人だからといって、
私怨を仕事に持ち込むはずがないと思ったけれど、
実際、その後、彼が審査員をつとめる広告系のコンテストでは、
会場投票で一位をとれた案も、審査員だった彼の猛反対によって、
二位になったりした。

(数年後、関係者から「これを一位にするなら
俺は、この先のこのコンテストの審査を全部おりる」と言って
仕方なく順位が決まったと聞いた)

私は、会社と個人は分けて考えているから
その人が嫌なことと会社が嫌だという思想は
全く結びつかなかったけれど、その人が実権を持っている組織は
正直、居心地がよくなかった。エレベーターで偶然会った時には動悸がした。
もうかかってこないとわかっていても、夜に着信があるたびに怖かった。

それは、その後ベンチャー企業に転職するという選択を
後押ししてくれる理由になったかもしれない。

最近も、一度、彼によって、
仕事の妨害を受けたのでびっくりしたけれど
その人の存在は、この数年間忘れていたので、
正直、「まだそこにいるんだな…」と思った。
私はもう、彼のことなんてほとんど思い出す日はないけど、
彼の時間は止まってるんだと思う。

私は、彼と決別してからの4年間、外の世界の自由を味わいつつ、
自分の生き方だけをみつめてきた。

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