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「セルフ・キャリアドック」を学ぼう!

国は企業に対して「セルフ・キャリアドック」という従業員の自律的なキャリア形成を支援する仕組みを導入することを推奨しています。その内容と企業の導入状況を共有します。

こんにちは!
じゅんじ@50歳からのキャリアコンサルタント です。国家資格キャリアコンサルタントとIT企業マネージャーとの二刀流で活動しています。

私の会社では従業員に対して「キャリア形成支援制度」を年に1回実施していまして、今年度の制度実施が先日完了しました。

私にとってはキャリアコンサルタント資格を取得してから初めての実施となりましたが、これまでに勉強して得た知識を有効に活用できたのではないかと思います。

そこで改めて気づいたのは、この会社の制度は「セルフ・キャリアドック」に基づいた内容になっていることです。

セルフ・キャリアドック?

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人材育成に関わっている方でないとほぼ知られていないこの制度。今回はみなさんに共有します。

◆「セルフ・キャリアドック」とは?

「セルフ・キャリアドック」とは、従業員がキャリア形成を進めるために企業が支援する仕組みのことです。

厚労省が「キャリア形成サポートセンター」という事業会社に委託して、企業に導入を勧めています。

具体的には、企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、

・キャリアコンサルティング面談
・多様なキャリア研修


などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施するのです。

もちろんキャリアコンサルティング面談においては、キャリアコンサルタントを使うことが推奨されています。

◆「セルフ・キャリアドック」導入の効果

セルフ・キャリアドックを導入することで以下の効果が期待できると言われています。

●人材の定着化
人材を組織に留める方向で支援する機能。特に新卒者や中途入社者に対して、職場理解や仕事理解を促すことにより職場適応を実現し、早期離職を解消する。

●人間関係調整・対話促進
上司や同僚との対話を促進し、人間関係を良好にしていく。多様な価値観のメンバーと協働していくことや、組織開発をしていく上でも重要。

●従業員への動機づけを促進
組織から与えられていた働くことへの意味やアイデンティティを新たに作り出し、従業員の内発的動機づけを促進する機能。


実際に2019年にJILPT(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)から発行されたレポートでは、キャリアコンサルタンティングを受けることの効果が報告されているのです。

◆満足感に関する比較
収入・仕事上の地位・仕事内容・職場の人間関係・職業生活全般・現在の生活全般についていずれの満足感についてもキャリアコンサルティング経験有の人の方が無しの人よりも満足度が高い

◆職業能力についての自信
キャリアコンサルティング経験有の人の方が無しの人に比べると、自分の能力が他社でも通用すると考える比率は高く、通用しないと考える比率は低い

◆実際の導入についてはなかなかお寒い状況である

以下の表は厚生労働省が毎年実施している「能力開発基本調査」の令和2年度の結果です。

「キャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所」は38.1%。

一方、「キャリアコンサルティングを行うしくみがない」とした事業所は61.4%でした。

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1000人以上の企業については導入割合が60%を超えていますが、企業規模が小さくなると導入割合が下がっていく傾向にあります。

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また、「キャリアコンサルティングを行うしくみを導入している事業所」のうち、キャリアコンサルタントが雇われている割合は10.9%でした。

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事業所全体で考えると38.1%のうちの10.9%なので、

たったの4.2%!

なかなかお寒い状況ですね。。。

とは言え、この状況に嘆いてばかりいてもいけません。

実は「セルフ・キャリアドック」を企業に導入していくのもキャリアコンサルタントの仕事のひとつなんです。

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いきなり全面導入は難しいかもしれませんが、一部の部署にトライアル的に導入して効果を測定するというやり方もあります。

また導入することで政府からの助成金がUPするメリットも得られます。企業の経営者・人事担当者の方、ぜひ我々キャリアコンサルタントに御用命ください。

ではまた!

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