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Choose Life Project 声明と立民の説明に矛盾 資金提供はクラファン目標達成後?

 立憲民主党がインターネット報道番組を制作・配信していたChoose Life Project(CLP)に広告会社等を経由して資金提供し、その事実が伏せられていた問題で、資金提供の時期をめぐりCLPと立憲民主党・福山哲郎前幹事長の説明が矛盾していることがわかった。
 CLPは2020年3月以降、法人化される前に資金提供を受けていた説明していたが、立民はCLPが法人化されクラウドファンディングの成功が確実になった8月以降に資金提供していたことが判明した。

続報あり(冒頭写真はInFact・立岩陽一郎氏の了解を得て撮影)

 CLPは、立憲民主党(立民)から広告代理店等を通じて約1500万円の資金提供を受けていたことを認めた上で、2020年3月以降のまだ法人化していない時期だったと説明。その後、「公共メディア」として理念を固め、法人化してクラウドファンディングを開始後、資金提供は終了した、と説明していた
 一方、立民側は、InFact・立岩陽一郎氏の取材に対し、2020年8〜10月に4回に分けて広告代理店に支払ったと回答した
 CLPは同年7月11日からクラウドファンディングを開始し、7月25日には目標額を大きく上回る1850万円が集まったと報告している。その後に、立民が約1500万円の資金提供を行っていたことになる。

 CLPは1月6日に発表したコメントで、以下のように、立民から資金提供時期について「2020年3月から」と説明していた。そのため、法人化してクラウドファンディングを始める前に、立民から資金提供を受けていたとの誤解を与えた可能性がある。

(続報=検証CLP問題 クラファン開始後も立民の支援継続 終了申入れは2020年8月か

2020年3月からクラウドファンディングで自分たちのファンドを運用できるまでの間、立憲民主党から「番組制作費」として、広告代理店や制作会社を通じてCLPが資金提供を受けていたことは事実です。

CLPのコメント文(太字は引用者、以下同)

ネットメディアは、これまで私が長く働いてきたテレビ業界の、スポンサーがお金を出す形態とは全く違うものでした。初めての挑戦に叱咤激励されながら、やがて本当の意味で「番組は視聴者と一緒に作るものだ」と気づかされました。そして、政党から資金援助を受ける形ではなく、市民の手によって支えられるメディアこそが求められているという実感から、2020年7月に、CLPの理念をまとめ法人化し、「公共メディアを作る」としてクラウドファンディングを開始しました。その後、立憲民主党に資金提供の終了をお願いし、終了しました。

立憲民主党から資金提供を受けていた当時は、CLPをまだ法人化していない状況で、広告代理店、制作会社を通じて番組制作費を受け取り、佐治の給与、A氏、工藤の報酬、その他制作にかかる外注費として使われました。

2020年3月以降、クラウドファンディングで自分たちのファンドを運用できるまでの間、制作費として約1500万円(1動画あたり平均5万円・1番組 あたり平均12万円程度)を受け取り、CLPとして番組や動画コンテンツを作りました。

2020年7月から9月にかけてクラウドファンディングの募集を実施しました。その際、本来ならば「公共メディア」を掲げるにあたり、この文書で書いたような制作の実態を明らかにし、公党の資金によらない「公共メディア」を立ち上げる旨を公表した上で、クラウドファンディングへのご支援をお願いするべきでしたが、われわれはそれを怠りました。

これまでの経緯

2020年

3月〜 CLP、制作会社から制作費を受け取る(合計約1500万円)=CLPの説明
7月ごろ CLP、法人(株式会社)設立
7月11日〜 CLP、クラウドファンディング(当初目標額800万円)を開始。初日で目標額を超えたと報告
7月25日 クラウドファンディングで1850万円に達したと報告
8月7日 立民、広告代理店に4,475,390円支払い
8月14日 クラウドファンディングで2000万円を超えたと報告
8月26日 ネクストゴールを3000万円と設定したと発表
9月4日 立民、広告代理店に5,637,090円支払い
9月11日 CLPのクラウドファンディング、3147万8500円に達したと報告し、終了。
10月9日 立民、広告代理店に2,511,420円支払い
10月9日 立民、広告代理店に2,384,370円支払い

2022年

1月5日 出演者ら5名が抗議声明
1月6日 CLPの佐治洋共同代表が経緯説明と謝罪のコメントを発表
1月6日 立憲民主党の福山哲郎前幹事長がコメントを発表
1月8日 福山氏がInFact・立岩陽一郎氏の取材に対し、資金提供した時期について回答
1月9日 CLP、番組制作配信を当面休止し、外部専門家に報告書作成を依頼すると発表

InFact立岩陽一郎氏の了解を得てYahoo!ニュース個人の記事を撮影


参考記事

Choose Life Projectへの資金提供で立憲民主に政治資金規正法違反の疑いも(立岩陽一郎)

メディアの「独立」と「信頼」を、Choose Life Project、読売新聞と大阪府から考える(奥村信幸)

「Choose Life Project」への立憲民主党資金提供は何が問題なのか鎮目博道

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