キングオブコント2023決勝を大人数で見た
結論から言うと想像以上に楽しかった!
今年のキングオブコント決勝は、大勢で一緒に見る事になった。
2013年から個人的に起ち上げた「放送作家Class」を始めてから10年経ち、
これまで受講した生徒さんたちから
同窓会をやりたいという声があがっていた事もあり、
どうせ同窓会をやるなら、キングオブコント決勝をみんなで見よう
という事になった。
これまでそういったコミュニティ的な集まりには無縁だったが、
まさか自分がその中心にいることになるとは…。
結論から言うと、大勢で見るというのは想像以上に楽しかった。
大きなテレビモニターのある場所を借りて、
デリバリーを頼み、参加者が各自おつまみを持ち寄ることで、
お店を貸し切るよりもかなり低予算が実現でき、
そして、同じ趣向の人たちと一緒に見る、
というのはとても健全で楽しい時間だった。
年々ハイレベルな争いになってきている
今年の大会は、本当にどこが優勝するのか全くわからなかった。
毎年準決勝の審査をやらせてもらっているが、
約35組までに絞られてくると、スベるという人たちはまずいなくて、
どの組の出来も素晴らしく、かなりハイレベルな争いが繰り広げられる。
もちろん真剣に審査をしているのは言うまでもないことだが、
日本のトップクラスのコント師たちのパフォーマンスを目の前で堪能出来て、
贅沢で楽しい時間でもある。
綿密な脚本だけでは、もう勝てない時代になってきたのか?
決勝のセカンドステージに勝ち進んだ
サルゴリラ、カゲヤマ、ニッポンの社長
この三組は、拮抗していたとはいえ、
準決勝出場組の中でも頭1つ出ていたという印象だった。
決勝当日も存分に力を発揮し、順当に勝ち進んだと言える。
惜しくもファーストステージのみとなってしまったが、
ジグザグジギーとラブレターズの健闘は大きく称えたい。
ジグザグジギーは、
あの大喜利番組を彷彿させるネタを、
実は、準決勝では2本目にやっていたが、
あの審査員の前でどうしてもやりかたったのだろう、
決勝では1本目に持って来た。
そして、本人たちにも聞いたが、
ああいう審査結果になることも想定してのことで悔いはなかったと言った。
ここで特筆すべきは、
もう一組ラブレターズとともに、奇しくも7年ぶりに返り咲いたという事実。
7年もの間、よくぞ腐らず諦めず、この大会に熱量を注ぎ続けたものだと思う。
本当に頭が下がる思いだ。
それにしても、
準決勝を見ていて思ったが、
「みんな一体どうやってあんなネタを思いついてるのだろう?」
〝襖を開けたら、上司が下半身丸出しの状態で土下座している〟
たとえそれを思いついたとしても、あんなにウケるとはまず想像出来ない。
でも、面白い。爆発的な面白さがある。
その要因の一つは、あの体型にあると言えるのではないだろうか。
ニッポンの社長のネタもそうで、
ナイフや銃で撃っても全然死なない、
そんな設定を思いついたとしても、ウケるとは思えない。
でも信じられないくらい面白い!
それは、刺されたり撃たれたりしても、
あのケツ君のキャラには、なぜか「不死身感」があるからだ。
つまり両者とも、
作家には作れないコントなのだと思う。
この二組のコントは、台本で読んでもそんなには面白くはないはずだ。
でも、彼らが演じる事で、想像もつかないような笑いが生まれるのだ。
もしかしたら、賞レースで勝つためには、
綿密な台本と、卓越した演技力はまず基本にあって、
それ以上の何かがないと、もう勝てないという、
とんでもない時代になってきたのかもしれない。
優勝したサルゴリラのネタでも
おっ!と思わせる瞬間があった。
それは、マジシャンのネタのオチの場面。
あの「靴下にんじん」や「ペンチピーチ」を出して
マジシャン役の児玉君が自慢げに説明していくくだり、
それを見ているディレクター役の赤羽君は、
ずっと冷ややかな目で見ているのだが、
大抵の場合、マジシャンが一通り説明し終えると、
「帰れー!」などと、大声でツッコんで終わりがちなのだが、
彼らはそうしなかった。
ディレクターが冷ややかな目で見たまま、そのまま暗転になるのだ。
準決勝では特に、この暗転の間が絶妙で大きな笑いが起きて終わった。
コントの理想的な終わり方だった。
大声でツッコんで終わるという安易な方法をとらず、
「すかす」というツッコミで終わらせた彼らには、
自分たちのネタに対する矜持と、
コントはこうあるべきという信念が感じ取れた。
来年のキングオブコント決勝も大勢で見るかもしれない
とにかくすごい時代になってきている事は確かなようだ。
来年は、どんなコントが見られるのか?
今から楽しみである。
そして、
来年も、決勝は大勢で見るかもしれない。
大人数で見た方が楽しいのは間違いない。
《追記》
内村宏幸 放送作家Classの卒業生で、
この記事を読んで、自分には連絡が来ていないと感じた方、
連絡が行き届いてなくて申し訳ありません。
同窓会参加希望の方は、
Slackや、公式LINE、または、私のSNSへのDM、
または、
かつて受講中に使っていたメールアドレスの数字を「2023」に変えてみるとか、
何とかして連絡してみてください。
何卒よろしくお願いします。