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アフターコロナと地域コミュニティの「居場所」

アフターコロナで働き方も含めて変わる中、求められるのは地域コミュニティでの「居場所」をつくることかもしれない。歴史が教えてくれる居場所の大切さ。

アフターコロナは自宅や地域で過ごす時間が増え、地域コミュニティが大切になる。その時求められるものは何か?

会社や学校、塾に変わる「居場所」ではないか。

テレワークを始めた若い人たちからは、1日中自宅に一人でいると人と話す機会が減り、雑談をすることなくなり寂しい感じがするいった声が聞かれる。自粛のために外出を控えていた一人暮らしの高齢者などは、孤独になり心細く日々暮らしていると聞く。こんな声を聞くとやはり人と顔を合わせ、話ができる「居場所」が必要な気がしてならない。

そんなことを考えていたら、先日、「人は社会が不安になると集まる場所を求めるようになる。そうして建てられたのが銀閣寺で、そこに茶室がつくらた」と帝京大学の大下茂教授から聞き、歴史は教えてくれると思った。

地域コミュニティでは銀閣寺はできなが、居場所の一つとしてカフェがあったらどうだろう。

テレワークで仕事をしている人が、気分転換にパソコンを持ってカフェに訪れ、仕事の続きをしながら顔見知りになった店の人や近所の人と雑談をする。それだけで一人で自宅にこもり仕事をしているよりは、精神的によくなるであろう。一人暮らしの高齢者もカフェに訪れ、顔見知りと昼食を一緒に食べたり、コーヒーを飲みながら雑談をしたりすることで孤独感から買い干される。「地域の茶の間」や「地域食堂」と言ったものと同じ役割である。カフェがひとり暮らしの高齢者の見守りや心のケアに一役果たす。

さらに、スマホが不得意な高齢者が、遠方に住んでいるお孫さんにオンライン帰省のリクエストをされ、これまで避けていたSNSなど使い方を教わりにカフェにやってくる。夕方になるとカフェでは学童保育が始まり、子どもたちが学校からカフェに集まる。それぞれタブレット端末を取り出して学習を始め、わからないところは上級生に教えてもらうこともできる。地域コミュニティのカフェの運営は、顔見知りの地域の人たちが中心なので、子どもを預ける親も安心だ。地域での子育て支援につがる。

こうした居場所となる地域コミュニティのカフェに、避難所となるような機能を持たせておけば、災害時には地域の人々がいち早くカフェに集まり安否確認を行ったり、炊き出しを行ったりできる。コロナウィルスの影響でカフェと見知らぬ人と接することを心配する声があるようなら、アプリを上手く活用するなどして登録制にして何かあったときには接触者が解るようにする方法もある。

コロナウィルスにより暮らしが変わる中、地域コミュニティにこんな「居場所」があれば、高齢者から子育て世代、若い人など各世帯から住みたい地域として選ばれるようになるのではないか。

稼働率の低い自治会や町内会の会館、人口減少に伴い増える空き家や空き施設の活用と合わせて考えたい地域コミュニティの仕組みである。


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