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「東京オリンピック」開会式で感じた3つのこと。

自宅の窓から、これが見えました。あとで報道を見たら、1824台ものドローンを飛ばして地球を描いたのだとか。テレビの映像ではそこまで感激することもなかったのですが、肉眼で見たこの景色には、さすがに鳥肌が立ちました。近未来とか、幻想的とか、いくつかのワードは浮かぶのですが、どんな言葉もしっくり来るものはなく、自分の語彙力のなさを呪うばかりです。

さて、そんなこんなで開幕した東京オリンピック。いやあ、どうなんですかね。どうなるんですかね。一向に収まる気配を見せない新型コロナウイルスの感染状況や、開会式に関わるはずだった方々の相次ぐ爆死などもあって、開幕直前まで「こんな状況でオリンピック開催は無理だろ」という声が根強く上がっていました。一方、「いざ開幕してしまえば、それなりに盛り上がって、みんな『感動した』とか言い出すだろう」などと楽観視する人々もいました。

そういう意味では、昨日行われた開会式の出来や評価といったものが、今後の大会全体の雰囲気にも直結してくるだろうと思っていたのですが、これまた私のタイムラインを見ると、評価も真っ二つ。「長嶋(茂雄)さんの歩く姿に感動した」「各国の選手たちの笑顔に心打たれた」と絶賛している方もいれば、「ひどい演出だった」「恥ずかしい気持ちでいっぱい」と酷評する方もいました。

もちろん、端からオリンピックを盛り上げようという気持ちでいる方からすれば「いい開会式だった」と見えるでしょうし、この状況下での開催に否定的な気持ちでいる方にとっては「なんだあの演出は」とケチをつけたくなるものなのでしょう。感想などはそれぞれ自由に抱くものですから、それ自体はごく当たり前のことなのだと思います。

さて、私自身は今日からスポニチで始まった連載でも書かせていただいたように、オリンピックに対する態度を決めかねてきたというのが正直なところです。「こんな状況で開催強行なんて」という主張にも、「選手たちに非はないのだから応援しよう」という主張にも、どちらも理解できるものがあります。

そんな私が、開会式を見てどんな感情になるのか。自分自身、かなり楽しみにしているところがありました。夜8時からテレビの前でスタンバイして、11時30分過ぎにフィナーレを迎えるまで、酒を飲みながらではありますが、フル尺でしっかりと見届けさせていただきました。その上で、私なりに感じたことは3つありました。

1つ目は、「多様性と調和」という今大会で掲げていたビジョンをきちんと体現しようとしていたこと。日本選手団の旗手を務めたのは男子バスケットボールの八村塁選手。聖火の最終ランナーとして点火の大役を担ったのは女子テニスの大坂なおみ選手。どちらも海外にルーツを持つ選手でした。

それ以外にも、大工に扮した俳優やダンサーらが木遣り唄やダンスを披露する場面では、女優の真矢みきさんが“棟梁”役を演じていて、今後はますます女性リーダーが台頭していくことを予感させました。また、聖火ランナーの終盤には、今回で8度目のパラリンピック出場となる土田和歌子選手が登場して、オリンピックとパラリンピックの融合を感じさせてくれました。

もちろん、「多様性と調和」という観点からも粗を探そうと思えばいくらでも出てくるのでしょうが、私にはビジョンを体現しようという心意気が十分に伝わってきましたし、この文脈においては及第点を与えてもいいのではないかと感じています。

2つ目は、

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