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「大地の芸術祭」を知っていますか?

新潟県は越後妻有で開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。2000年の第1回から3年おきに開催されている世界最大級の国際芸術祭です。

本来であれば、2021年に開催されるはずだったのですが、コロナの影響を受けて開催を断念。翌年に延期されました。そうした経緯もあり、今回は2022年以来となる2年ぶりの開催で、なんと第1回の2000年から数えて9回目を迎えます。

私は数年前から、「大地の芸術祭」オフィシャルサポーターを務めていることもあり、先日、渋谷ヒカリエで行われた「東京企画発表会」に参加してきました。会場は予想を超える超満員。いよいよ7月13日(土)に迫った開幕に対する期待が感じられます。

大きな拍手とともに迎えられたのは、日本きってのアートディレクター北川フラムさん。瀬戸内国際芸術祭でも総合ディレクターを務めるなど日本のアートシーンにおけるレジェンド的存在ですが、「大地の芸術祭」でも第1回から総合ディレクターを務めている……というより、「大地の芸術祭」を誕生させた“生みの親”と言ったほうがいいのかもしれません。

登壇したフラムさんが今回のテーマとして発表したコンセプトが、「歓待する美術」。とにかく、会期中に訪れてくれた人たちが芸術作品に触れることで元気になってほしいとの想いを込めた、それを今回は「歓待する美術」と表現した、という言葉がとても印象的でした。


「芸術作品に触れて元気になる」と言われてもあまりピンと来ない方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこれまで何度も「大地の芸術祭」を訪れているので、アートの専門家ではないながらも、その言葉の意味が理解できる気がするのです。

というのも、芸術作品というと私たちはどうしても美術館のような屋内で、腕を組んだり、眉をしかめたりして鑑賞するような、そんなイメージを抱いてしまいがちですが、「大地の芸術祭」に出展されている多くの作品は、自然と一体化されたものが多いのです。

たとえば、「川はどこへいった」という作品は、全長3.5kmにわたって600本の黄色い旗を立てることで、かつての信濃川の川筋を再現していたりする作品なんです。

そして、私が最も好きな作品は、日本三大渓谷と言われる清津峡渓谷を利用した「Tunnel of Light」。この作品はトンネルの外に広がる景色とまるで鏡面のように映る景色が合わさって、一枚の絵画に入り込んだような気持ちにさせてくれるのですが、作家のマ・ヤンソンの狙いは「美しい自然と人間との関係性を考え直す」ことなのだそうです。

ここ数年、「大地の芸術祭」の目玉でもあり続けたこれらの作品のみならず、今回は2023年に没したウクライナ出身の現代芸術家イリヤ・カバコフが1950年代に手がけた卒業制作が世界初公開となるなど、見どころが満載です。

「大地の芸術祭  越後妻有アートトリエンナーレ2024」は、7月13日(土)から11月10日(日)までの開催(火・水は休み)となります。ぜひ、多くの方に足を運んでいただき、「美術に歓待される」体験を味わってみてください!

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