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初恋の人と20年ぶりに再会して、“答え合わせ”をしたあの日のこと。

どれだけ需要があるのかわからないが(あるわけないか)、たまには恋愛の話でも書いてみようかと思う。noteを始めて5年以上経つが、恋愛についての記事を書くのは、記憶にある限りは初めてのことではないかと思う。

私の初恋は、小学校4年生の時だ。まあ、それ以前も「あの子ととなりの席になれたらいいな」といった程度の気持ちは抱いたことがあったが、それはいまで言う「すきぴ」くらいの存在で、いわゆる初恋と呼べるのは、小学校4年生のときなのではないかと思っている。

「あきこちゃん」という背の高い女の子だった。私の自宅から小学校に向かう途中の、ちょうど真ん中ぐらいにある団地に住んでいた。私はクラスの中でも活発なほうで、男子とも女子とも仲良くしていたから、もちろんあきこちゃんとも話したり、遊んだりする機会はよくあった。

ある日、どこかの団地でみんなでかくれんぼをしていたときのことだ。私がどこに隠れようかとまごついていたら、あきこちゃんが「こっちこっち」と私の袖を引っ張るようにして、いくつか倉庫が並んでいる場所まで連れていった。そして、そのうちひとつの倉庫の扉を開け、そうっと中へと入っていく。私もそれに続いて、小さな体を倉庫の中へと向かわせた。

中からドアを閉めると真っ暗になったが、やがて目が慣れていく。あきこちゃんが、すぐそばにいる。そこで過ごした数分間は、大げさではなく心臓が口から飛び出るかと思ったし、何ならこのままずっと鬼に見つかってほしくなかったし、いやそれだと私の心臓が持ちそうにないので、適度なタイミングで見つけてほしいかもしれないという、よくわからない複雑な感情に支配されていたのをよく覚えている。

5年生になってクラス替えがあり、あきこちゃんとは別々のクラスになってしまった。そして6年生の夏休み、彼女は広島に転校してしまうことが決まった。別のクラスになってもまだあきこちゃんのことを好きでいた私は、思いきって文通を申し込んだ。LINEのある現代からすれば、文通だなんてあまりにアナログで笑ってしまうのだが、当時はそういう時代だったのだ。

そこから半年くらい手紙のやりとりをしていた私たちだったが、小学校卒業を目前に控えたあたりから、なんとなく交流が途絶えてしまった。あきこちゃんに関する私の記憶は、そこで止まっていた。

ところが、2011年頃だっただろうか。私の公式ホームページ宛に、あきこちゃんからメールが届いたのだ。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
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