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Pyxiruを通して「考え感じてきたこと」

大学4回の7月頃から、大学生の自己理解をサポートする「Pyxiru」という団体を立ち上げ活動してきた。約9ヶ月間の活動の中でたくさんのことを考え感じ取ってきた。メモ程度に保管していたものがたくさん見つかったので、この機会に全てまとめてみようと思い立ちここに綴っていくことにした。今回は「心境の変化」に焦点を当てて振り返っていきたい。

少し長くなりそうなので、立ち上げ期(7,8月)、サービス運用期(9月〜12月)、締めくくり期(1,2月)に分けて整理していこうと思う。

と、その前に少しだけPyxiruの生い立ちを整理しておきたい。

Pyxiruの生い立ち

高校生の頃、あることがきっかけで"教育格差"や"貧困"を身近に感じるようになり、留学を通してそれらの問題の深さを知った。就活の時、自分の奥底にあった「社会課題(特にキャリア選択における意思決定や教育格差)を根本から解決できるサービスを作りたい」という強い想いに気づき20代のうちにそれを実現しようと考えるようになっていた。

いつか、いつか、と思っていたはずだったのに、気づけば「自分が今解決できるものは何なのか」を考えるようになって、一番身近で問題意識を感じていた「就活」に対して深く考えていくようになった。

そして、友達の就活相談を受けたりする中で、自分自身が最も興味を持っていた"キャリア選択"という領域と相まり「大学生が何となく進路選択をしてしまう問題」に大きな違和感を持つようになった。

「就活」は人生において紛れもなく大きな意思決定の瞬間だけど、深くまで考えないまま進路を選んでしまっている人が多いのではないか、自分で選んだはずなのに選択に後悔している人が多いのではないか、色んな疑問が浮かび上がってきていたけれど、一番根本にある問題が何なのかを考えた時にはっきりしたのが「自分のことを知らないまま進路選択をしてしまっている」ことだった。

自分自身が「自己分析」を通して心から納得できる進路選択を行えたという経験と重なり、この分野で何かサポートができないのか、と考え始めたのが全ての始まりだったなと思う。

前置きが長くなったけれど、そこから共通の問題意識を持つメンバーと巡り合い5人でPyxiruをスタートさせたのがちょうど2020年の6月末。(あるメンバー*⇦勝手に名前出すわけにいかないので独特の表現になっているけど...個人的に同期の中で一番尊敬している最高のパートナー*とは3月頃から連絡を取り始め、ほぼ最初の頃から一緒に考えてきたけれど。)

立ち上げ時の心境

そんな当時の心境は「先を見通せないほどの靄に包まれた視界の中、自分の中にある強く小さな光を信じて進んでみたい。」という気持ちだった。前者については、サービスも組織も一から作ること自体が初めての経験だったため、簡単なイメージしか頭の中になく、歩いていく道に結構濃い靄がかかっていて、先をうまく見通せないような感覚だった。

後者については、「キャリア選択という場面において"自己理解"が重要な鍵を握っているのではないか」と、一種の強い確信を持ちつつもまだまだその光は弱々しくどこまで照らしてくれるのか分からないような感覚だった。

強く小さな光源を持っているけれど、周囲には靄がかかっていて先を見通せない。というのが当時の心境だったように思う。逆に言えば、見通せない道が広がっているけれど小さな光を信じることでしっかりと前に進んでいけるだろう、という感覚でもあった。(実際、こっちの感覚の方が強かったかもしれない。)

そして、この小さな光がより強く輝きを増すようになったのは、紛れもない立ち上げメンバーみんなの存在だった。MTGを重ねるごとに、この小さな光がそれを必要としている人の元に届く日が確実に近づいているなと感じていたし、この時の感覚(信じているものがより強固になっていくような感覚)は今でも忘れられなくて、少し感動したのを思い出す。

サービス運用時の心境

9月に入るとサービスの運用が始まっていき、11月には新メンバーも迎えることになっていった。運用時の心境としては「人の奥深さや可能性にワクワクし、人との出会いに心の底から感謝していた」というのが一番強かった。光で例えるなら「小さかった光源が瞬く間に大きくなり、そこからたくさんの人に光を届けていく」という、そんな感覚だった。

面談やワークショップを通して、一人一人にその人だけのライフストーリーがあって、そのどれもが魅力的で奥深く、その誰もが可能性に満ち溢れた人生を歩んでいるんだなと感じていた。面談をしていると「人って何だろう?」とか「人生って何だろう?」とか、かなり哲学的なことを考える時間が増えて、自分自身の中でも「生き方」という分野においてより深い考えを持てるようになったなと感じる。

自分たちで作ってきたサービスを、必要としてくれる一人一人の人へ大切に届けていくのは何物にも変えがたい嬉しさと喜びがあった。キャリアに関わるというのは、すごく責任の大きなことだなと感じていたからこそ、そこに本気で向き合えた日々はすごく濃くてたくさんの学びをもたらしてくれたなと思う。(「Pyxiruを通して学んだこと」は次回に整理する予定)

締めくくり時の心境

そして、締めくくり期。この時は本当に色んな葛藤や迷いがあった。Pyxiruはそもそも一年限定のサービスとして動かす予定で進めていたこともあり、次年度について考え始めた時は色んな感情が渦巻いていたなと思う。

この当時の心境を一言で表すなら「自分とPyxiruを信じきれるか、についての葛藤」だった。言い換えれば、「"大きく輝きだした光"をこれから先も信じきれるか、についての葛藤」とも言える。

そもそも、Pyxiruは自分にとって「これまでの人生の集大成、かつ新たな道への出発点」という意味合いが強い。これまで考え感じ取ってきたものの全てを総動員して活動してきたものだったし、それと同時にこれから向き合っていきたいテーマに対しての一つ目のアクションだった。

そういう意味で考えると、Pyxiruの今後をどうするのか、という問いに対して出てくるのは「引き続き中心に立って活動を続ける」というのがシンプルでストレートなものだったと思う。

けれど、当時の自分はそう決断するのにすごく時間がかかってしまって、最後の最後まで悩んでいた。今振り返ると、一番の要因は「自分を信じきれなかったこと」だなと思う。

立ち上げメンバーを中心に今後のことを話し始めた時、本当の本心としては(当時は気づいてさえいなかったけれど)このメンバーと一緒に活動を続けていきたい。活動を継続的なものにするためにもサービスや組織のあり方を再構築して新たなスタートを切りたい。というものだったはずだけど、自分がそれを実現するだけの覚悟や興味はあるのか、それを求めてくれる人はいるのか、それを納得してくれるメンバーはいるのか、という色んな疑念を抱いてしまっていた。

だからこそ、最初は次期4回生に引き継ぐ、という意思決定をしてしまった。様々な疑念を抱いたまま中途半端な関わりをしてしまうことを恐れすぎて、確実な方法を選ぼうとしていたんだと思う。

心のどこかでしっくりこないな。と感じながら年を越し、少しモヤモヤしていた時にその靄を取り払ってくれたのがPyxiruの11人のメンバーだった。一人一人と話す中でメンバーが本当に求めているものが何かに気づき、Pyxiruの存在が何かに気づき、自分の中での迷いや疑いを晴らすことができた。

Pyxiruを通して、"自己理解"がもたらす可能性を実感したしそれを求めてくれる人の存在にも気づいた。活動を通して、キャリア選択という領域に関する課題解決について、自分の中にとてつもないほどの強い興味と覚悟があることにも気づいた。そして何よりも、Pyxiruで一緒に活動してきたメンバーの存在の大きさ/心強さにも気づいた。

この3つが揃っている中で大きな決断に踏み切らない理由はなくて、結局「自分が一番、自分自身とPyxiruを信じなくてどうするんだ?」と思い、なかなか自分を信じきれなかったことに半ば呆れ笑いながらも舵を切ったというのが一連の流れだったなと思う。

こんな形で進んできたPyxiruも、公式の活動はほぼほぼ終了し早くも次のステージに進む準備を始めている。

振り返ってすごく思うのは、本当に「出会うべきメンバー」に恵まれた環境の中で「興味あること」に没頭した日々はこれまでの人生で一番充実感を感じた瞬間だった、ということ。

Pyxiruの活動を通して学び得たことは本当に多くて(今振り返っていると60個ぐらいあるけれども)その一つ一つがこれからの人生の基礎になっていくんだろうなと想像している。何よりも、自分のことを前よりも好きになれて、最高に尊敬できるメンバーと出会えて、興味あることを掘り下げるきっかけを作ることができて、これからの人生がすごく楽しみになったし「生きることの面白さ」を深く感じ取ることができるようになったなと思う。

改めて、Pyxiruの11人のメンバーや、Pyxiruに関わって下さった皆さんへの感謝の気持ちは伝えきれないほど深いです。本当にありがとう!とこれから先も伝え続けていきたいなと思います。


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