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Pyxiruを通して「学んだこと」-組織編-

大学生の自己理解をサポートする団体「Pyxiru」での活動を通し、様々な学びを得ることができた。今回はその中でも組織に関わることを抜粋して整理していきたい。(あくまでも個人としての記録用)

事前準備で「意思決定」のスピードと質を向上させる

Pyxiruはもともと時間に制約がある中で生まれた団体だったのもあり、活動当初からMTGの質にはこだわっていた。MTGがスタートした時点で「何について話すのか」がイメージできるようにすることで、それぞれのメンバーがアイデア発散やアイデア収束に集中できるようにした。MTGで常に用意していたのは以下の項目だった。

◉議題/論点(何について話し合うのか)

MTG内で話すべき「テーマ」とも言えるもの。なぜこの議題を話す必要があるのか、という背景にもできる限り触れるようにしていた。「背景」や「目的」という形で各議題について話し合う意義を明示するようにしていた。これによって、「何を考えれば良いのか?」を一人一人がイメージできていたのではないか、と思う。

◉所要時間(どれぐらいの時間で話すのか)

「気づいたらすごく時間が経っていた...」というのはMTGでよく起きてしまう現象。アイデアがなかなか出ず淡々と時間が経っていったり、逆にアイデアがたくさん出て発散だけで終わってしまったりする。Pyxiruの立ち上げ時は特に、「必ず決め切る」ということを重視し、事前に時間配分を設定して各議題に移るたびに残り時間を意識するようにしていた。もちろん、時間を延長させた方が良い時は柔軟に対応していたけれど、大まかは時間配分通りに発散や収束をできていたのではないか、と感じる。

◉アイデアの発散(どのような順で考えれば良いか)

アイデアの発散を行う時、よく迷う事の一つとして「どのぐらいの粒度で考えれば良いか分からない」というのがあると考えていた。だからこそ、例えば...という例示を1つ2ついれることで事前にアイデアの粒度をイメージできるようにしていた。これは議題によっては不必要になることもあった(アイデアを広げたい時は逆に障壁になる)ため時々で使い分けていたが、一人でもアイデア出しのイメージが湧かない人がいる限りは例示した方が良いと感じる。

◉アイデアの収束(何を基準に決定するか)

アイデアを出したは良いものの、「さぁ決めよう!」となった途端に議論が止まる。。というのはよくある現象の一つかなと思う。何を基準にアイデアを確定させるのか、が明確でないと直感的に「なんとなくこれが良さそう!」という安直な意思決定に繋がってしまったり、「〇〇を重視するならプランA」「△△を重視するならプランB」と条件付きの決定になってしまったりする。アイデア収束の前に「論点」に立ち返り、何を基準に意思決定するのが適切か、を話し合うことでアイデア決定の質とスピードが格段に上がると感じた。

◉決定事項(最終的な結論は何か)

MTGの時は「決めたつもり」のような感覚を持ちやすいため、「決めた!と思いきや、振り返ってみると結論どうなんだっけ?」となることはたまにある。だからこそ、何かを決定した際に、面倒くさがらずに「〇〇の施策を行う」などの決定事項を端的にまとめるようにする。それによって後で振り返る時に迷わなくてよくなる。

◉スケジュール(今後の具体的な計画は何か、誰がいつ何をするのか)

結論が見えた段階で「誰がいつ何をするのか」という具体的なスケジュールを決定しておく。Pyxiruでできなかったことを一つ加えるのであれば、この際に各メンバーのタスク状況/残りキャパを洗い出した上で適切な担当者を決めるのが良いと思う。決定事項についてのスケジュールを決めるだけでなく、その際についでに他のタスクについても共有しておくのがより良いやり方だと感じる。

1on1で一人一人と向き合い「個々のやってみたい」を実現する

1on1をする中で、Netflixの人事チームが活用している手法を取り入れ「続けること/辞めること/始めること」という形で結論づけるようにしていた。

それによって「今後何をするのか?」が明確になり、「これ今考えてみる?」という形でその場で企画が動き出した例がいくつかある。

活動期間が限られていたこともあるけど、リソースがある限りは新しいことに挑戦してみるのが良いんじゃないか、と考えていたこともあり1,2月の時期に怒涛のように企画を動かしていけたのは面白かったし各メンバーにとっても良かったなと感じる。

また、この1on1を通して個人のキャパや役割を個別に調整することができたのは良かった。一度活動を休止する、という選択肢も設けることで最後まで悔いなくみんなで走り切ることができたと思う。(一方でこれによって浮いた仕事をどう配分するのか、についての考えが足りていなかったのは反省点。)

何よりも、1on1を通して率直に話し合うことの重要性を痛感したし、2ヶ月に1回と言わずもっと高頻度で振り返りを行えればよかったなと感じている。(それこそ、メンバーが増えてからは各大臣が中心となってチームを形成し、そのチームごとに振り返りを行っても良かったと感じる。)

サービスは出来上がってからが本当の勝負。定点観測で改善を続ける。

何か新しいことに取り組んでいくことも大切だけど、それと同じぐらい(もしくはそれ以上に)既に走っているサービスについて、「顕在化されている課題は何か」「潜在的な課題を見逃していないか」「今後課題になりそうなことは何か」などを定期的に振り返る必要がある。

また、その際に「その領域に課題があるかどうか」という視点で考えるのではなく、より具体度を上げて課題を掘り起こしていく必要がある。例えば、ロジックツリーとして分解しておいたものを基に各粒度ごとの課題を確認していく(抜け漏れがないように確認していく形)、または主要なポイントにおける課題を確認していく(優先度の高いものから確認していく形)など。

加えて、上記のような課題を見つけるには、スタートの時点で「各領域の目標設定」「最低限チェックするべきポイント」を明確にしておくと進めやすいと感じた。

この定点観測については、より良い方法をこれから模索していきたいため、Pyxiru再スタートと共に方法を深めていこうと思う。

役割分担、チーム制の導入

Pyxiruでは、各領域の担当を「大臣」と呼ぶようにしていたけれど、特にメンバーが5人から12人に増えた際はそのあり方を再考する必要があったなと感じる。

一つは新メンバーの参画方法を、面談だけでなく運用まで広げておくべきだったなと思う。最初はなかなかイメージできないから面談だけに専念してもらうのが良いけれど、少し慣れてきたタイミングで積極的に運営に誘致しても良かったなと感じる。

もう一つは、チーム制の導入。それこそ、各領域における目標/役割(論点となる部分)は大臣MTGで話し合い、それらの解決方法(アイデアの発散/収束/結論の決定)は各大臣が組成したチーム内で考えてもらうことができれば、かなり意思決定のスピードも上がり各メンバーの参画も活性化できたなと感じる。

また、ワークショップについては特に、興味のあるメンバーが集まって(定例MTGとは別の形で)話し合いを行った方が良かったと感じる。定例MTGはあくまで運用に関する改善を考える時間として、きっちりと時間を設けておくのが良かったと感じる。

これはPyxiru再始動の際にすごく大切にしていきたい考え方。それこそ、「自己決定」が機能する組織である以上、チーム制は導入しやすいと思うため。

タスク/キャパの管理

定例MTGにおいて、各メンバーのタスク/キャパを洗い出し、役割やタスクを調整する必要があった。自由度高く活動するという趣旨を重視し、タスクが可視化されると気にするメンバーもいるのでは?と感じていたが、それ以上にみんなで共有する方が遥かに価値があったと感じる。

Trelloを活用するなどして、いつでも各メンバーのタスク状況が可視化される状態を早い段階で確立し、定例MTGでは「Pyxiru全体として進めるタスク」と「個々のメンバーのキャパ」を確認しながら、タスクをうまく配分していくのが大切だったと感じる。

それこそ、Pyxiru全体として進めるタスク>個々のメンバーのキャパ、になるのであれば、メンバーを増やすor今いるメンバーでできる内容まで活動を狭めるという意思決定をしていくべきだった。

各メンバーでの相互交流

ざっくばらんに話せる場所を隔週などで開催しても良かったなと感じる。参加/不参加は完全自由だとしても、MTG以外で気軽に話せる場づくりをもっとしていけると、Pyxiru全体がより活気づいたんだろうなと感じる。

まとめ

組織についての改善点は一人で認識しても大きな解決には結びつかないからこそ、とても難しいなと感じた。共通して大切なのは、いかに素早く問題に気付けるか、そこから適切な手法で解決策を見出せるか、ということだと感じた。

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