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敏感な人が「とらわれ」にどう対処するか?

「何事も悪い方ばかりに考えてしまって、どうしようもないです。どうすればポジティブに考えられるでしょうか?」
「つい何でもないことにこだわってしまって、周囲とケンカになります。どうしたらいいでしょうか?」

今回の記事では、とても敏感な人(HSP)が起こしやすい「とらわれ」について、そのメカニズムと対処法が分かります。

とても敏感な人(HSP)については、こちらに詳しく書いています。

私は、先日会議でプレゼンをする事になりました。
いつもやっている内容なのですが、プレゼン先の一人に自分の苦手な人がいました。
どうもその人の反応が気になってしまい、他の仕事も手につかなくなりました。
そんな時に「やり方を変えればいい」と思っても、私はどうも過去のやり方にこだわるところがあります。
自分のやってきたことに成功体験があるので、つい変えることを躊躇してしまいます。

これらは、私が何かに「とらわれ」ているといえます。
前者は「何か失敗をして指摘されたらどうしよう」という不安にとらわれている。
後者は「これまでこのやり方は上手くいった」という経験にとらわれています。
特に後者は、「上手くいかなかったらどうしよう」という不安にとらわれているから、過去の上手くいった経験にこだわってしまうという流れなのです。

私は敏感な気質(HSP)で、周囲があまり感じないような事でもつい不安や怖れを感じてしまいます。
嫌な思いや経験をたくさんし、それを思い出してしまうのです。

■とらわれのメカニズム

とらわれてしまうと視野が狭く固定されてしまい、他の行動が制約されてしまいます。
危険な環境だと認識すると、周囲に敵がいるかもしれないと動物が細心の注意を払うように、自由には動けなくなります。

私は何かにとらわれてしまうと、何もする気が起きなくなってしまいます。
とらわれが頭の中をぐるぐると駆け巡ってしまい、行動が止まってしまうのです。

とらわれは過去の経験とその時の感情の記憶から起こります。
今の出来事と過去の経験とがつながり、以前のネガティブな感情が思い出されます。
だから今の状況を自分にとって危険だと無意識に判断してしまうのです。
特に敏感な気質(HSP)の方は大きく感情が揺り動かされるため、ネガティブな感情と経験を記憶しやすく、とらわれやすいといえます。

このとらわれは、無意識にしてしまうだけに変えることは難しいです。
とらわれてしまうと行動が制約されてしまう。周囲にネガティブな反応で応えてしまい、上手くいくものも行かなくなってしまうのです。

■とらわれにどう対処するか?

この「とらわれ」にどう対処すればいいでしょうか?
とらわれから逃れることは、とても難しいです。
無意識の行動を変えることは難しいからです。
しかし対処法はあります。
とらわれのメカニズムとパターンを知ることで、とらわれに対処出来るようになるのです。

①自分が「とらわれている」事に気付く

まずは、自分が今とらわれているということに気付くことが大切です。
何かしようとしているのに上手くいかない。いつも同じような失敗を繰り返す。気持ちがブレーキをかけているような気がする。
そんな時には何かにとらわれている可能性が高いです。自分の感情を紙に書いていく中で、とらわれているという事に気付くこともあります。

②とらわれの内容と感情を紙に書く

とらわれに気付いたら、その内容とその時の感情を紙に書いてみます。
最初はまとまりがつかなくても、書いているうちに何に対してとらわれているのか、その具体的な内容が分かってきます。

またとらわれている事が、客観的にみると根拠の薄いものだということに気付くこともあります。
例えば先のプレゼンの心配も、周囲がそこまで注目している訳ではないと気付きます。そう思えれば、前に進めるようになります。

ここで難しいのは、「とらわれ」の原因は過去に嫌な思いをした経験にあるからなのです。
とらわれから自由になる時に、過去の自分の経験、その時感じた感情を否定することになると思ってしまうのです。

逆にとらわれから自由になるために、過去の経験と感情を大事にするのです。その時の経験と感情を思い出して紙に書いてみましょう。
嫌な思いをするかもしれません。心の傷をさらけ出すような感覚を覚えるかもしれません。
ここで、あまり無理をしてはいけません。途中でやめてかまわないのです。
そこが一番自分が触れられたくない「とらわれ」なのかもしれません。
「つらかった、嫌だった」という過去の自分の気持ちを大事にするために書くんだと意識して、少しずつ出来るところまでやってみましょう。

「こんなに大変な思いをしたんだから、とらわれるのも仕方ないよね」と思えたなら、自分が自分の応援団になれた証拠です。
とらわれを乗り越えられるのももう少しです。

③出来る対処法を実践する

何にとらわれているかに気づき、とらわれの内容を紙に書くと少し気持ちも落ち着いてくるのではないでしょうか。
次に今出来る対策を考え、実践してみましょう。
例えば大事なプレゼンが控えているのであれば、しゃべる内容のシナリオをつくって練習しておくなどです。

以前より、とらわれで注意をそらされることが少なくなると思います。
とらわれを客観的に見ることが出来ている証拠です。
少しずつ、ゆっくりやっていきましょう。

対処法の最初を上手く取りかかることが出来れば、すぐに前に進み始めます。いい循環に入ります。スタートに全精力を傾けましょう。

④自分がとらわれやすい状況を知っておく

自分が「とらわれている」ことに気付けると、自分がとらわれてやすい状況がどんな時なのか傾向が分かるようになります。

とらわれやすいのは「怖れや不安が生じやすい場面」です。過去の嫌な思いをした経験と連動しているのです。

とらわれやすい状況を知っておくことで気持ちが違います。怖れや不安を軽減するための準備が出来るからです。

⑤身体を良い状態にする習慣

とらわれは怖れの感情とマイナスの行動を引き起こします。だから、怖れや不安の感情を軽減するのも効果的です。

自分の身体を良い状態に保つことで、怖れなどネガティブな感情を軽減することにつながるのです。
日々ストレッチや走るなどの運動をして血行をよくすると、ネガティブな感情をおこしにくくなります。
更にその行動が習慣になることで、とらわれによるマイナスの行動を少なくすることが出来るのです。
つまり、無意識のとらわれを無意識の習慣が上書きするのです。

自分の身体を良い状態に保つ習慣については、こちらに詳しく書いています。

■まとめ

今回は「とらわれ」にどう対処するかについてお話しました。
とらわれの悪影響はとても大きいです。
とらわれが無意識なだけに、陥ったときは戻すのが困難です。
自分で気づかない限り不調が長引いてしまったり、同じ事を繰り返してしまうのです。

とらわれの原因は過去の嫌な思いをした経験にあります。
その経験とその時の思いを書き出して、大事にするのです。そうする事で、とらわれから抜け出す事が出来るのです。

過去の経験や感情と向き合うのは大変だと思います。
自分を保つ行動など、自分で自分を応援しながら、少しずつ感情と身体と行動を良い循環に整えていきましょう。


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