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敏感な人は「ストック思考」でいこう

いつも周囲の人の言うことや、周りに振り回されて疲弊してしまう。
陰口をたたかれているのではないか。自分が何か悪いことをしてしまったのではないか。とつい考えてしまう。

 周囲の環境に敏感に反応してしまう皆さんは、このような事がよくあるのではないでしょうか。
 身体が硬直してしまい、頭の中も同じ事をぐるぐる考えてしまいます。良い考えが浮かぶことがないのです。

 そんなとき私がお勧めしている対策として、自分の姿を鏡に映し、じっくり観察すること。更にその場で肩を上げ下げしたり、回したりする方法があります。
 こうやって自分の身体をあえて観察することで、いつもとは違う身体の硬直に気付くことが出来ます。また身体を動かすことで血行がよくなり、身体の状態が改善するのです。
 身体の状態に気づき、肩を回すなど身体の状態をよくする行動をとると、身体の状態が変化し、それにつれて悪い方向にばかり考えてしまう思考が変わっていくです。
 こういった成果をあげるために自分自身にまず目を向けようとする思考を、私は「ストック思考」と呼んでいます。
 今回は、この「ストック思考」について詳しくご紹介します。

■「ストック思考」とは何?

 ストック思考は、自分自身を再度見直し、最大限に活用するという視点をもたせる思考です。
 そもそもストック思考とは、時々に自分に起こる出来事・経験を単に良かった、悪かったなどと評価して終わらせるのではなく、より深く観察し、その学びを蓄積(ストック)としてとらえ、中長期的な視点で活かしていく思考なのです。
 
 自分を過小評価してしまい、なかなか成果をあげられないと思われる皆さんには是非身につけてもらいたい思考です。

 「ストック思考」を、より理解するために、まずは「ストック」という用語を確認してみましょう。
 「ストック」とは、会計の用語です。対になる用語として「フロー」があります。

「ストック( Stock)とは、ある一時点において貯蔵されている量をいう。」(Wikipedia)
「フロー(Flow)とは、一定期間内に流れた量をいう。」(Wikipedia)

 ストックは資産・負債・資本からなります。フローは収入と支出からなります。
 資産は「将来的な収益が期待される経済価値」のことです。負債は文字通り借金のこと。資本は収益を生み出すための元出のことです。資本や資産を持ち、活用することで、収益を得ることが出来るのです。
 資産は資本と負債の合計と一致します。自分が持っている元出と借金を活用し、資産を大きくして、収益を更に大きくすることが出来るのです。
 一方、フローは一時点の収入と支出というお金の出入りを考えます。それでは、収入が良い、支出が悪いという発想になってしまいがちです。

 ストックは、フローと比べて2つの視点を加えることが出来ます。
 まずは、「稼ぐ・成果をあげる源泉」という視点を意識できます。
 何が稼ぐ・成果をあげる源泉なのかを考えます。
 例えば小売業では、商品を仕入れて、お店に陳列し個人に販売する。その商品やお店は稼ぐ源泉です。商品を仕入れるためのお金も稼ぐ源泉です。
 こうやって考えると稼ぐ源泉は多様だということが理解できます。稼ぐ源泉が自分と一緒に稼いでくれるのです。お店、金融資産が自分に代わって稼いでくれる。ストックによって、何が稼ぐ源泉なのかについて意識出来るのです。
 次にストック思考は、稼ぐ源泉を更に幅広く考えます。資産は資本+負債です。負債(借入金など)によって稼ぐ力にレバレッジ(てこ)をかけて、どんどん大きくすることが出来るのです。

■個人がストック思考をもつことの意味

 ここまで見て、会計用語である「ストック」が、人を良い方向に向ける方法と何の関係があるのかと思われるでしょうか。
 企業も個人もその場、その時の損得だけを考えていては持続しません。将来を考え、投資し、稼ぐ・成果をあげるための力を増やしていかないと、成果を継続して得ることは出来ません。
 ストック思考は、ただ現時点ではなく、成果をあげるための長期的な道筋を示してくれます。将来的に成果をあげるための種まきの方法を考えさせるのです。
 またストック思考は、成果をあげるための源泉について意識することが出来ます。
 個人が成果をあげるための源泉とは何でしょうか?一番は自分自身です。 
 自分自身にもっと目を向ける必要があるのです。
 そして、自分以外にも成果をあげる源泉を広げていくことが出来るのです。詳しくは後ほど触れていきます。
 これらが個人がストック思考をもつべき理由なのです。

■HSPがストック思考を持つことの意味

 更に、敏感な気質の皆さんが「ストック思考」をもつことでどんな効果があるのでしょうか?
 やはり一番は自分自身が成果をあげるための源泉、「資本」であることを意識出来ることです。
 自分自身が資本であることは、HSPにとってなかなか意識できません。何故ならHSPは周囲の環境に影響されてしまい、つい自分を意識することを忘れてしまいがちだからです。
 ストック思考を持つことで自分が資本であることを再確認し、失った自分を取り戻すことを、まず第一優先に出来るのです。
 冒頭にご紹介した自分を身体を意識し、ストレッチを行うという意味は、資本である自分を第一優先にするということです。
 資本である自分をまず第一にケアすることで、より成果があげやすくなるのです。
 敏感な気質のHSPにとってストック思考は強力な武器です。ストック思考で自分を取り戻せば、HSPの特徴である周囲を観察し、細やかに対応できるという特徴がより際立つのです。

■ストック思考の実践

 それではストック思考を実践してみましょう。
 まずは、自らが資本であるという意識を持って行動しましょう。
 自分自身が成果をあげる一番の源泉です。自分をいたわることが第一優先としましょう。忙しくて後回しにしがちな心身のケアを生活の中で優先するのです。
 身体のケアとしては、散歩やランニング、ストレッチ、スポーツを取り入れてもいいでしょう。心のケアとしては、日記を書いて日常を振り返ったり、心理の専門家に話を聞いてもらうのもいいかもしれません。
 自分のケアをした上で、自分の知識、スキル向上に励むのです。
 こういった時間は平素の予定に強制的に組み込みましょう。
 自分を優先することで起きる周囲との軋轢にどう立ち向かうかについては、「会社で有給休暇を取るために」を例としてこちらに書いています。

 次に、成果をあげるためにその他の資産に働いてもらうことを考えます。 自分以外に働いてくれる資産を探すのです。
 例えばどんな資産があるでしょうか?
 まずは金融資産があげられます。金融資産が自分の代わりに収益をあげてくれます。不動産なども収益をあげてくれる資産です。そのためには、その資産を生み出す必要があります。支出を減らして生み出した資金で投資し、金融資産を生み出すための努力は必要です。
 他に資産はないでしょうか?
 自分が生み出すコンテンツも資産です。
 フローで考えると単なる支出であることが資産になることもあります。
 自分の経験がそうです。旅行に行った、食事に行った、趣味にいそしんだ、などは単なる時間とお金の浪費と捉えられがちです。
 しかしその経験が資産として働いてくれることもあります。それら経験を重宝してくれる人もいるのです。思いもしない経験が人の役に立つことがあります。
 そしてそれを文書化してコンテンツにすれば、資産として更なる稼ぐ源泉になるのです。

 こういった資産を探し出すことが重要です。資産は自分の身の回りに沢山あるのです。沢山見つけ出して、一緒に働いてもらいましょう。
 自分以外の資産に働いてもらいながら、空いた時間を使って、新しい資産の生み出しの時間とし、各資産に効率よく稼いでもらうための管理に徹するのです。このサイクルを回せるようになればこっちのものです。格段に効率が上がるでしょう。

■まとめ

 今回は、ストック思考について考えてみました。
 更にそのストック思考がHSPに有効な訳についてご紹介しました。
 ストック思考は、その時々の損得だけで判断するフロー中心の生活をアップデートする考え方であり、より迅速に、効率的に成果をあげるための考え方だということを理解していただけたのではないでしょうか。
 この考えの理解は、私自身もまだ途上です。長期的な視点で物事を考える視点は持っていたつもりですが、資産を幅広く捉えるのはまだまだです。より意識を深め、投資をし、資産を増やし、効率的に成果をあげる方法を考えていきたいと思っています。
 是非ともストック思考について理解を深めていただき、より楽に成果があがるような生活を送ってもらえると嬉しいです。

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