この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第55回]
大癡小画 だいちのしょうが
渓水雖多曲 渓水 曲多しといえども
舟行不憚賖 しゅうこう 遠きをはばからず
山山秋樹赤 山々の 秋樹の赤きは
猶復似桃花 なおまた 桃花に似たり
高啓
画家黄大癡の画につけた詩
渓谷が曲がりくねっているが
遠くてもかまわず 舟をすすめる
山々の秋の樹が赤く
まるで桃の花が咲いているようだ
*秋の行楽の詩です。
今風にいえば、カヌーで渓谷の川下りです。
紅葉した山々を眺めながら
どこまで行くのでしょうか。
この絵、今回も川のS字曲線に挑戦です。
古典の山水画のスタンダードなモチーフを、
現代の絵画にとりこみ、
一本でも線をへらし、ぎりぎりまで単純化し、
最小の表現とすることを心がけて描いています。
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