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この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第79回]


酔下祝融峯 礒部晴樹・画


酔下祝融峯      酔って祝融峯を下る

我来萬里駕長風    我れ来たりて万里 長風に駕(が)す
絶壑層雲許盪胸    絶壑(ぜつがく)層雲 許(かく)も胸を盪(ゆる)がす
濁酒三盃豪気発    濁酒三盃 豪気発し
朗吟飛下祝融峯    朗吟 飛び下る 祝融峯

朱熹


私は祝融峯に登った。
頂上の 吹きわたる強風に乗って 万里も飛んで行けそうだ
切り立った絶壁 重なる雲々が 私の胸をなんと激しく揺さぶることか
濁り酒三杯で 豪快な気分になり
高らかに詩を吟じながら この祝融峯を駆け下りた

祝融峯=湖南省の風光明媚な山の峰
駕=乗ること

*中国の山は、日本の山と異なり、
山水画のようにごつごつと尖った形をしているようです。
この絵のような山から、一気に駆け下りるのは、
しかも飲酒運転ならぬ、飲酒下山は、
ちょっと危険だし無謀だとはおもいますが、
中国風の山として描いてみました。





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