えんとつ町のプペル

ハロウィン特別上映ってことで再鑑賞。
町中のえんとつから出る煙のせいで空が覆われて外界を知らない人たちが住む。星があるとか海の向こうの話をすると変人扱いされて、ひどいと異端者として罰せられる。みんな心のどこかでビクビクしながら暮らしている。

空から落ちてきた星のかけらから生まれたプペルは、星を信じる子どもルビッチと出会う。周囲から星なんてある訳ない、異端審問にあうぞとあしらわれるが諦めない。警官から追われる身になっても仲間が危険な目にあっても星はあると信じ続ける。亡くなった父親の言葉と海から現れたデカ物を見て星はあると確信を持つ。
彼らの姿にバカにしてた周りの人も少しずつ理解を示す。異端なんかじゃない、外の世界を知りたいと語ったら処罰されるなんて間違っている、心の奥に仕舞い込んだ本音を解き放つ。

異端は罰せよの精神で治安を維持する政府に楯突くかたちではあるけど、みんな息苦しさを感じながらそれを押し殺しているのがポイントだね。完全にはルビッチたちをバカにしていない。羨む人もいる。
終盤にルビッチがバカにしてくる人たちに放った言葉は痛快。煙の向こうを見たのか、星があるかないか誰もが知らない、やらなきゃなにも始まらない。

ルビッチの言葉から作品に携わった人たちの思いがストレートに伝わる。最初から決めつけるな、バカにしてくる奴らを見返してやれ、夢を諦めるな、そんなメッセージが込められている気がする。世にはびこる偏見や固定観念を、町を覆う煙で表現したのかな。
あとルビッチの声は芦田愛菜ちゃん。グー。