見出し画像

2021年度藤沢市での人材育成研修の所感(自治体DX研修)

DX推進リーダーの育成

DX推進リーダーは、デジタルツールの専門家ではなく、業務を改革し続けるリーダーである。

そのために必要となる、マインドのチェンジを続けるための仕組みや、自分の考えの枠組みを突破することを考え抜く力をつけていくこと、それをプロジェクトとして実施できること。そういうことを半年間進めてきました。

・業務について聞き出して、本来の姿を一緒に考えることができる
・目先の効率化ではなく、部門としてのビジョンをもってどこから手を打つか考える
・真因が見えてくるまで議論し続けてよい、チームの目標があわないでなあなあで始めてもいい結果にはならない、プロジェクトのゴールづくり
・ひとごとではない、私のプロジェクト化の促進

研修の方法もそうですが、こちらに力をいれることで、強靭な提案書ができてきたのです。

全体の取り組み

目的や進め方はこちらを参考にしてください。

DX推進リーダーがプロジェクトを自分のものにするために

最終的に出来上がったプロジェクトの提案書は、どのチームも単なる業務フローをデジタル化しただけの改善ではなく、その後どのような効果があるのか、巻き込むべき部門はどこなのか、プロジェクトとして体制をどう整えてリスクを最小化するのかがまとまっており、経営層の幹部職員さんたちからも実現するための具体的なアドバイスを多くいただいていました。

要求定義までは終わった。これから私が手伝うことは、要求定義を原課を巻き込んで本当のプロジェクトとして実現すること。そのためには、導入計画・原課とのスケジュールの調整、予算確保のためにRFIをするなと現実化するための支援、プロジェクトとしての立ちあげ支援など、まさにプロジェクトマネジメント支援を要件定義からプロジェクト化までしていくことです。
民間のプロジェクトマネージャーとしての経験を伴走型で伝えていくことで、DXプロジェクトを推進できる真のリーダーたちが育つことでしょう。

そして、もう一つノウハウを残すこと

今回の藤沢市の取り組みでは、職員さんが研修中に気がついたことを共有資料として残してあります。次回以降同じことをするときに、もやもやからの抜け出し方や、研修自体の効果的な反映方法などが出てくるでしょう。

研修するだけなら難しくはない

単に、ICTやデジタル、サービスデザインの話やワークショップをするだけだったらたいして難しくはない。それらをどのように、その組織に残し、活用できる状態にするか。少人数からでも成功体験を、評価につなげてエンジンにしていくか。自分たちで進められるようにするにはどうするか。それが難しいところである。
もう少し言うと、職員から言われた内容のみを作業者のように手伝っているのでは、これは研修としてもコンサルティングとしても意味がない。浅い考えで日和ってしまっているとき、勝手に自分のできる範囲を決めてしまっているとき、できないと決めつけて調べてもいないときなど、そういうときはあえて厳しくでも、それで本当に良いのかを問わなかければならない。それを進めることが、相手にも気づきのスイッチがはいる。
業務を改善することを支援することが正しいのか、本質的な力をつけるために厳しくするところは厳しく支援することが正しいのか。講師をする側も常に本気で考えて進めていかなければいけない。

ともに変革をするために、常に講師も変革を続ける

Aという街に合ったことが、Bでそのまま使えるわけではない。
我々講師も、現状の確認と、その自治体がどこを目指しているのかのあるべき姿を確認した上で、そのギャップを解決するためにカリキュラムを変えながら進めていくのだ。セオリーとしてのプロセスはあるが、理解度・条件・リソース・予算含めて違いがたくさんあるだろう、だからこそ、腹を割ってどこまで何が必要なのかを研修前に細かく聞いた上で、進めることに力を注いでいる。
実のところ、これが、応用能力であり現場で力を発揮するところに転用されていく。これは、DX部門や情報部門が、原課の方々に対してやっていく振る舞いと同じなのかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?