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意味のあるチャットボット作ってるかい?

問い合わせの回答大変だよね、でも、それは、単にチャットボットに置き換えればいい問題か。
まずは、そこから考えよ!という回を書いてみる。
多くのBPR/DX研修で迂闊にチャットボットを導入すれば!!!と出てくるけど、そもそも、みんなQ&A持ってないよねだし、期待しているところが間違ってないか?なので、それを正してみます。

間違いその1:人は問い合わせを早く回答してほしいわけではない

そもそもの問題は、問い合わせが多いことというが・・・それは、なんで起こってるの?

・全部がバラバラの問い合わせでたくさん起こってるの?
・いきなりみんな電話(メール)に問い合わせしてきてるの?

これね、自分の業務が楽になったらいいと考えている典型的なEnd to Endでない考え方なのですよね。
本当は、調べたけど分からなかったから、何か不具合が起こっちゃったから問い合わせているのではないですか?電話でもチャットボットでも、それは「できなかった」結果としてやってるんです。そう起こらないようにどうするかの手立てをつくらないで、それだけやっていいんでしたっけ?

この辺りが、できていないのが、実はサービスデザインができていない理由なのかもしれません。
人は、問い合わせをしたいんじゃないです、問い合わせた結果のやりたいことが、自然とできるようにしたいんです。すなわち、それは、問い合わせなくても自然とできるようになりたいなのですよ。

それを無視して、自分が答えるのが億劫だからと、チャットボットが勝手にやってくれるでは本末転倒なのです。

今まで、一番やばいな・・・と思ったのが、そのうち勝手にAIが成長して人間のように自然な応答してくれるのを待つ、って話を言った職員さんがいたことです。え?技術の進歩がどこでできるか分からんのに、技術が進歩すればできるって考えちゃうの?それやばすぎないかい?ってとことなのです。

チャットボットはやれる範囲は限られる、どういうテーマに何をするか、ちゃんと分けて使うこと大事。

間違いその2:営業トークと不具合対応のチャットボットは異なる

みなさん、巷のサイトのチャットボットの種類見ながらちゃんと考えていますか?

ホテルのサイトや、サービスの説明でチャットボットが下の方から出てくるサイトはよくあるので皆さんご存知でしょう。これはYESなのです。その場で、その顧客をいかに捕まえるか。それが大事なことだから。

でもね、不具合対応(なんか動かなくなった、うまくインストールできない、うまく動かない)についても、これは同じことですかね?
それぞれ状況が違うことに対してチャットボットが本当に使えますか?これって、そう起こらないように何か手を打つ必要の方が大事ではないですか?

例えば・・・
・くっそ分かりにくいWordのインストールマニュアルや説明の手引き書・・・、これ動画にできませんか?
・本当によくある質問なら、インストール前に勉強してもらった方がいいんでは?やってから質問きたら意味ないでしょ?
・みんなが用語がわからんのであれば、やるのは各課の朝礼で5分のスモールラーニングでは?ないですかね?

いかに、質問が来ないような状況を作る、それってやってます?
単に自分が楽になりたいから、自動応答したいで終わってないですか?

なんで質問がくるのか、それは、状況やシチュエーションが違う。
それがあるので、同じ手だけで良いわけがない、そこを考えずにツールだけで語るようであれば意味がないのです。

これね、回答できればいいわけでなくて、それが使えなければいけないのよな。そうなってくると、ユーザーの画面のリモートデスクトップができることの方がいいのかもしれんわけだよ。もっと、ユーザーの立場で考えてみよう、そこに答えがあるはず。

間違いその3:AIチャットだから自動でよくなる

そんなわけないです。
旅券とか書いていたのが、パスポートとユーザーが入力した時にこれも旅券のことですか?と確認することで紐付けが増えるだけで、全く違う内容のことが答えられるわけではないです。少なくても、答えを作ってないものは答えられません。

つまり、答えられなかったものについてのメンテナンスコストは必ずかかるのです。

・毎年料金が変わるもの(条例でもそうかもしれない)
・毎年実施する日が変わるもの(お祭りとかね)

こういうのって、AIが勝手に変えてはくれないのですよ?
法令が変わって違くなってしまうものも然り。

だからこそ、回答用のDBの一元管理がそもそも必要で、そこをどのタイミングでどんなものを整備するのかを考えることが大事なのです(これ、たんなるデータマネジメントなのだけれどね)。
そういう負荷がどれだけかかるのか、何をトリガーで情報を変える必要があるのか、それを考えないチャットボットはデータの鮮度が悪いので使えなくなります。

勝手に、AIがなんとかしてくれるなんてことを考えるのは間違いです。
全ては、データがどのように運用されて、どういう品質でAIが使ってくれるのかを考えなければなりません。

思考停止はやめましょう

AI-OCR・・・、本来いらないものですよ、紙でやるのをやめなよ。
RPA・・・、データ連携でやるべきです、なんで手作業のトレースやってるの?

それらのダメな神話と同じく、チャットボットは運用含めてしっかり考えなければダメです。
自動でなんとかなる、それは、ちゃんと設計しているからようやくできるのです。

業務改革やBPRの研修やってて、何も考えず上記だけ上げてくる人多いです。
それは、思考停止です。本当に、それでいいんですか?
未来の業務考えた時に、それがあることで足枷になることわかってますか?

デジタル to デジタルを最初から考えてその未来においてどういうステップでやるか考えましょう。

本当に困ったら、問い合わせてもいいよ。

あまりに、チャットボット万能説で解決しようとしている自治体が多いため、一本説明を書いちゃいました。
ベンダーの皆さんは、こういうデメリットも含めて説明しないと誠実ではないですよ。
死蔵されたチャットボットが多いのは聞き及んでいることです、なんのため、運用は、価値をどう出すか。
それを考えて、ハッピーなDXを皆さん続けましょう!

ここから、何かあれば連絡してね。

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