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新NISA制度に隠された意図

新NISA陰謀論

2024年1月から、新NISA制度が開始された。
年間360万円までの投資が非課税になる、大盤振る舞いである。

岸田総理が増税メガネなどと言われる程度には、増税があいつぐなか、投資に対してだけ、大盤振る舞いをしているわけだ。
この、あまりにも露骨な投資優遇に対して、疑いの声があがっている。

女優の小倉優子氏が、この新NISAに対して否定的見解を示したのが有名

「手を出していないです。国が推してるじゃないですか。国が推してるものにいいものがあるのかなって。何が裏があるんじゃないか」 としたうえで、「放ったらかしにしてても(大丈夫)とか夢だとか、そんな甘い話は世の中にない。永久っていう言葉も信じていません」


そのほかにも、金融業界が儲かる、アメリカが儲けるための陰謀など、さまざまな憶測が飛び交っているが、いずれも的外れに見える。


結局のところ、新NISAを使った投資をすべきなのだろうか?
新NISAに”裏”があるのだとすれば、新NISAは利用しないほうがよいのだろうか?

僕は、この疑問に完全に答えることができる。


実は、新NISA制度には、陰謀といって差し支えないくらい、政府の目的がきちんと存在する。

政府の目的は、”大増税”である。

新NISA制度は、大局的にみた大増税政策の一環として、用意された政策である。

どのように資産課税の20%を非課税にする新NISA制度が、増税につながっているのか、解説しよう。


ステルス課税 

岸田総理が、子育て支援金を導入しようとして批判されている。
月500円の負担が、いつの間にか1000円になり、2000円になりと、徐々に増加して、国民の怒りをかっている。

たしかに、子育て支援などしても、少子化問題が解決するとは到底思えない。完全なる無駄ガネだ。そんな、意味不明な負担を月に1000円とか2000円とか搾取されるのはたまらない。

ため息しかでない。

一方で、同時にステルス増税が実行されていることに気がついている国民はあまりいない。

ステルス増税とは、インフレ税のことである。

インフレ税 物価上昇(インフレーション)でお金の価値が下がることで政府の借金の返済負担が実質的に軽くなること。債務の額をインフレ率を上乗せした値で割り、減った分がインフレ税にあたる。例えば100億円の債務があって10%のインフレが起きた場合、実質債務は約90.9億円、差分の9億円強がインフレ税となる。

下記Link先のNikkei.comより 


日本の債務、国の借金はざっと1300兆円である。
公式には、直近1年間のインフレ率は3%程度である。
(実際には、もっとインフレ率は高いと思う)

この場合、インフレ税は39兆円となる。
消費税の税収が30兆円だから、なんと消費税よりもインフレ税の収入が多いのだ。

もちろん、消費税は毎年安定して税金が入ってくる。
インフレ税は、インフレが起きなければ税収にならない。
インフレ税は不安定なのだ。

とはいえ、インフレがひとたび発生すれば、日本国の債務は非常に大きいので、実質的な増税額はめちゃくちゃ多くなる。


インフレ税の犠牲者

インフレ税を支払う人は、原則として銀行預金をしている人たちである。銀行預金の金利は、きわめて低く、ほとんどゼロだ。

それゆえ、インフレが3%進めば、現金預金の価値は3%へる。

資産課税と一切変わらない。

日本人の預金はざっくり1500兆円である。
(家計 1130兆円 + 企業 340兆円)
1500兆円の3%は、45兆円である。
国民全体でみると、めちゃくちゃな経済的損失を被っているのである。

例えば、貯金 1000万円の会社員の場合、年間30万円もの損失が発生しているのだ。月当たり、2.5万円の損失だ。

冗談ではない。
子育て支援金の負担など、大した額ではないと思える。


新NISA普及を阻むもの

インフレ税が膨大で、シャレにならないことはわかった。

ただそれが、新NISA制度と何の関係がある?
むしろ、政府の本命がインフレ税にあるとすれば、新NISA制度の普及は望ましくないのではないか?
と疑問を持たれる方がいるだろう。

当然、日本政府も日本人が大挙して銀行預金を引き出し、新NISAを使った投資をしだしたら困る。
でも、そんなことはありえない。

”株は怖い”、”投資はギャンブル”など、教育課程を通じて、またマスメディアを通じて、さんざん投資にネガティブなイメージを吹き込んできたのである。

さらに、日本の資産の大半は高齢者が保有している。
老い先みじかい高齢者が、イチから投資を勉強するのは、正直効率がわるい。
運用期間から考えても高齢者は、きっと投資をしないだろう。

だからこそ、政府は安心して新NISA制度を導入できたのだ。


分断作戦

新NISA制度の目的は、”分断作戦”である。

単純に、インフレで預金が目減りしたとしたら、インフレを放置する政府に批判が殺到するだろう。

しかし、ここに政府自らが、”投資をしましょう”と一大キャンペーンを展開していたらどうか?

政府自ら、
「これからインフレにします。銀行預金は目減りしていきますので、投資をしてください。投資を促進するために、税金を免除する制度をつくりました」と言っているのである。


自己責任・・・・

政府が、
「インフレになるので、損をします。だから投資してください」
と言っているにもかかわらず、投資をしなかった。

これは自己責任だよね。

政府は、そんな空気を作るつもりだ。

そして、新NISAに乗っかってインフレ税の損失を避けることができた人たちも、自己優越感から、
「あれだけ、インフレになるから投資しろって言われてたのに、何もしないなんて、バカな奴ら・・・・」
と投資をしなかった人たちを見下すだろう。

新NISA制度があるのとないのとでは、政府への批判に雲泥の差がでてくるのだ。


新NISAを利用して投資すべきか?

答えはYesだ。

本当に、とんでもないことであるが、日本政府からしたら、インフレ税を止める理由はないのである。

国民は、目に見える増税、例えば子育て支援制度で月に1000円、2000円の増税に文句はいうが、みえないインフレ税には文句を言わない。

インフレ率が3%程度でも、インフレ税の税収は、消費税より多いのである。

厳密には、Googleで”インフレ税”と検索すれば、この見えない増税に対する批判はたくさんでてくる。
だが、大手のメディアやYoutube を含めて、インフレ税をちゃんと批判する人は、ほとんど見当たらない。

現金を持っていると、確実に目減りする。
インフレ環境下においては、貯金をするだけ損である。

現金をなるべく減らして、投資に回す。
それしか方法はない。

現実問題、新NISAを使わない選択肢はないだろう。

まとめ


日本政府の言い分は以下の通りだ
「今からインフレを進めます。新NISA制度で投資を優遇します!だから投資してください。(投資しないと助からないですよ。死んでも自己責任ですからね!ニッコリ)」

現実問題、預金は確実に目減りするから、新NISAを利用して投資をするしかない。

新NISAに隠された陰謀は、投資をしない側にかけられる資産課税(インフレ税)だったのだ。



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