『反省しない犬』と『白鴉』とオレンジジュースとバームクーヘンと『マッドマックス:フュリオサ』と『SCRAPS』と『映画雑談』と

 8日の早朝、かねてより言っていた原稿を送信。3枚分だったものを白鴉での合評を経て4枚分に。真の締め切りまでに増えるか、どうか。アイスコーヒー発行の『反省しない犬』vol.3に載ります。9月8日の文学フリマ大阪にて初出し。前回、vol.2では「変身/変心」というテーマで「クエット」を発表しましたが(これがのちに「鳥の餌を盗む」になる)、今回のテーマは「黒い文学」ということで、社会及び精神の黒い側面に焦点を当てた作品の特集ということです。私の作品、だいたいそうじゃね、ということで却ってなかなか難しかったですが、がんばりました。「おいしいオレンジジュースの作りかた」というタイトルです。ムージルの「ハエ取り紙」みたいなものを目指しましたよ。

 ということで、『白鴉』34号を、9月8日の文学フリマ大阪を待たずに、いま買っておくこともお勧めしますよ。各種SNSのDMやメールでお問い合わせいただければ、頒価500円+送料手間賃200円で私から直接買えます。9月8日の文学フリマ大阪で買っていただければ500円のみで買えます。私の収入にはなりませんが。私の作品は「メッツェンバウムは届けられた」というタイトルです。面白そうですね。メッツェンバウムというものが届けられるんでしょうね。タイトルで完全ネタバレしてますね。メッツェンバウムって何なんでしょうね。バームクーヘンの親戚でしょうか。きっとそうなんでしょうね。ひょっとしてUberEatsの話なのかな。あ、でも、待てよ、バームクーヘンの親戚なのだとしたら、甘くておいしいお菓子を子供たちに届けるお話なのかもしれません。ええっ、あの作者がそんなほのぼのしたものを書くでしょうか。体調悪かったのかな。気になりますね。気になります。買いましょう。いっぱいありますよ。遠慮なさらず。

 先月末、『マッドマックス──フュリオサ』を公開初日に観に行った。伝説級の作品だったFRの前日譚なのであって、あそこまでの作品にはならないだろうとは考えてはいたが(11回観てるし)、そこはやはり誕生日が一緒のジョージ・ミラー、似たような作りにはせず、周到に前作のような熱狂は与えない作りになっていた。去年、『SCRAPS』vol.1というzineを出されていた金在源氏の記事がとてもよかった。
 ごく個人的な部分の感想だけここに書かせてもらう、というかtwitterには既に書いたことだけれども、最高だなと思ったのは後半でフュリオサ(アニャ・テイラー=ジョイ)と共闘するジャック(トム・バーク)と、ディメンタス団の中にいた女性兵士のひとり(エルサ・パタキー)が口蓋裂だったことで、マイノリティをそれとなく作品に出すことの意味やら意義を実感できた。女性兵士のほうは特殊メイクのようだが、ジャックは本物。前作のときから(1〜3ではどうだったか憶えていない)監督の身体的な障害やらハンデを持つ人物の扱いは気になっていて、なんかそのへんについて誰かが質問したインタビューとかないのかな、と気になっている。
 ちなみにトム・バークのほかにも詩の題材にもしたフランツ・ロゴフスキーやホアキン・フェニックスなど、唇裂や口蓋裂の俳優を西洋では見かけるけど、いちばんよく産まれているとされるアジア圏で見ないのも気になっているところ。西洋での受け入れられかたも私には不思議で気になるところだが。
 『映画雑談』ではこのあたりの、奇形や障害を持つ人物を自然に出すことにも触れられていて、さすがに野外聴取が可能な高い録音技術を持ったPodcast番組は一味違うな、と思った。

 ロングコートのシルエットが好きな私は、夏でもロングカーティガンならなんとかできるのではと考え、探し求めてはいくらかを無駄にしてきたが、先日、ついに過去最高の最適解を見つけた


さいきん読み終えた本
ヘルマン・ブロッホ『罪なき人々』(河出書房新社)
ヘルマン・ブロッホ『知られざる偉大さ』(河出書房新社)

さいきん観た映画
『悪は存在しない』(濱口竜介)第七藝術劇場
『関心領域』(ジョナサン・グレイザー)MOVIXあまがさき
『マッドマックス──フュリオサ』(ジョージ・ミラー)MOVIXあまがさき


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