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【舞台】タカラモノ

こうして私は世界No.2セールスウーマンになった』という本があります。和田裕美さんが2004年に上梓したものです。僕はおそらく2008年頃読みました。

この本は僕が実質初めて読んだ和田裕美さんの書籍だと思います。そしていまでも折に触れて読み返す数少ない1冊です。
和田さん自身も舞台に立たれた劇『タカラモノ』を観ながら、僕の頭の中では『こうして私は~』とシンクロしていました。お母様(いや、ここでは「ママ」でいきましょう)が亡くなる場面、亡くなったあとの叔母さまとの会話、などがオーバーラップしていたからだと思います。
 
今回の舞台にはちゃんと原作があります。和田さん自身が執筆された自伝的小説『タカラモノ』です。

舞台で繰り広げられるエピソードについて、僕は全部知っていました。原作を読んでいますし、和田さんの他の著書やセミナーなどでもママのエピソードに触れることは多いですから、知っていて当然と言えます。そんなわけですから、エピソードそのもので感動することはありません。それは僕の中ですでに消化されていると言ってもいい。

しかしだから劇に感動しなかった、わけではありません。それはおそらく、文字を通して知ったことや和田さん自身から聴いたこととは違う、生身の人間が演ずることで同じエピソードでも違った形で僕の中の何かを呼び覚ましたのだろうと思います。

加えて言えば、映画やテレビドラマのような映像とも違い、舞台はその場限り、1階限りの刹那性があって、それもまた、僕の心に何かを残すのだと思います。ましてこの3年間、LIVEから足が遠ざかっていましたから、よけいにそう感じたのかもしれません。

たぶん、この舞台が映像化されてそれを視ることがあっても、今回と同じような感覚には慣れないだろうと思います。LIVEだからこそ感じられるものがある。端的に言ってしまえば、LIVEでなければ『こうして私は~』とシンクロさせることもなかったと思います。
 
あなたの成功を楽しみにしている人がいるから頑張りなさい
『こうして私は~』にも『タカラモノ』にも出てくる言葉です(この通りではないですが、このニュアンスです)。2008年の僕には、この言葉が支えになりました。15年経ったいまも、この言葉は支えになってくれています。

コロナ禍が明けつつあるいま、この舞台を観られて良かったと思います。やりたいことははっきりしているのに、思った通りに進まない現実にいらつき、焦燥感に駆られる3年でした。いまもそこから抜け出せたとは言えません。WEB上で全てを完結させてしまうことで、頭でっかちになっていた気がします。もっとLIVEでしか味わえないこと、字面ではなく体感することの大事さを感じさせてもらいました。

上を向いて歩いて行けるほど陽気な世相ではないですし、僕自身がそんな状況ではないですが、それでも目線は下げない。せめて目線を上げて、もう一度、チャレンジしていこうと思います。いろいろなことに。

ちなみに『タカラモノ』の元になった小説は『ママの人生』と言います。

そして僕は、『ママの人生』の書評をblogに書いたことがあります。いまは読めない状況になりますが、近々、noteに移し替えTAITO思います。

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