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中小企業診断士1年目のみなさんへ、そしてかつて1年目だった私たちへ

 
この時期、中小企業診断士界隈では新しい出会いが増えます。1月から2月にかけて、昨年末合格された方々が様々な会合に参加され始めます。その方々と知り合う機会が増えるわけです。

お話ししていると、いろいろと頭に浮かんできます。それは、1年目の方々へ伝えたいメッセージであったり、1年目の自分を振り返って思うことだったりします。

■1年目のみなさんへ

「やりたいことはなに?」「どんな活動をしていきたい?」
こんな質問をされる機会が多くないですか。自分も聞かれましたし、年次を重ねたあと、友人が1年目の人に質問をしている場面によく出くわしました。

この質問に「明確」に答えられる人は少ないのでは? と思います。漠然とやりたいことはあるけどはっきりと言語化できていない人が多いのではないでしょうか。僕自身、ちゃんと答えられていませんでした。漠然とした想いを言葉にできずに、もどかしい気持ちを抱えていました。

ですからいままで、僕からはこの質問をほとんどしていません。ちゃんと言葉にできない人が多いだろうと思ったからです。
周囲が質問しているのが聞こえてきても
「そうは言っても、はっきりと答えられるわけじゃないんだから」
と思ってきました。

しかし最近、少し考えを変えました。

漠然とした想いを言葉すべく内省するのは大切です。自分を深掘りする中で見えてくるものがきっとあります。考えてもいなかった自分の考えを発見できるかもしれません。

ただ「自分を深掘りする」と言葉にするのは簡単ですが、やろうとするとなかなか難しいわけです。自問自答をしていうのが大事だとわかっていても、自分に対してだとはっきりできなくても「まあこのへんで」と妥協できてしまいます。

これが他人からの質問となるとそうはいきません。なんとか伝わるようにしたいと努力するでしょう。まして一応、先輩診断士からの質問ですから、真剣に、わかってもらえるような言葉を絞り出そうとする、はずです。初めは漠然としたままかもしれません。しかし聞き手とキャッチボールができれば変わります。
「それはこういうことなの?」
こんなようなやり取りがあると、自分一人で考えていたときたどり着けなかった答えを導き出せてしまうものです。

だから質問はしてあげた方が親切なんだと思うようになりました。これからは躊躇せずに
「やりたいことはなに?」「どんな活動をしていきたい?」
と問いかけていくつもりです。

1年目の方は、「自分がやりたことはなんだろう」と自問しながらさまざまな活動に取り組んで欲しい。まずは、自分自身で自分への問いかけがスタートです。そして先輩から質問された場合、面倒がらずに、自分を深掘りするいい機会と捉えてほしいと思います。

■そして自分たちへ

1年目、漠然とではあっても思い描いていた未来がありました。いま僕が立っている場所は、思い描いて未来とはまったく違っています。なぜそうなったか、少し前に考える機会がありました。

診断士になって、いままでしてこなかった経験をしました。新しい視点が加わり、価値観や考え方に揺らぎが生じます。その結果、「この道を進もう」と思っていたものが少しずつ変化していったのだと思います。新しい刺激を受けると混乱が起きるのです。

「これでいいのかなあ」
と思いました。自分がやりたかったのは違ったはずだと。
そんなとき、昔(診断士になる前)に読んだこの本を再読する機会がありました。

こう書いてありました。
「変わることを恐れない」

授業を受け、教授と話し、友人と議論することを繰り返すうちに、どんな人も、多かれ少なかれ、やりたいと思っていることが変わっていく。大事なのはその変化を恐れないこと。(p43)

「そうだった、そうだった」と思ったのです。具体的な活動は、経験を重ねて視野が広がれば変わって当然。変化は避けられないのです。

大事なのはなぜ診断士になろうと思ったのか、最初の想いを忘れずにいること。そこがブレなければ、そして、目の前の事案に真剣に取り組んでいけば、そこでの経験によって引き起こされる変化は肯定的に受け止められるはずなのです。

合格したばかりの人と話をすると、自分の初心を思い出す良いきっかけになります。自分の理念とかミッションとかを問い直す良い機会になります。

ということで、いまから数ヶ月、1年目の方とお話しするのは楽しみにしているのでした。

■そしてもう1度、1年目のみなさんへ

先輩からの質問に真剣に答えるのが大事だ、と書きましたが、自分からの発信、端的に言えば「質問」していくのも大事です。
こんな質問をしまくっていた先輩もいますからね。


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