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二十五、二十一(13〜16話を語る)

 ※ネタバレあります。

13話(3.26視聴)
 12話のキスシーンを見て複雑な気持ちだったはずが、すっかり2人の恋を応援してしまっている自分がいた。距離を置こうとするイジンすらも跳ね除ける、ヒドの熱くて真っ直ぐな想い。恋にもまっすぐなヒドを見たら、この作品に対する一部の批判なんてどうでもよくなって、とにかく目の前の2人を応援せずにはいられなかった。イジンはヒドが未成年(高校生)だから、というよりも記者と選手だというところで線を引いていたのね。「幸せな経験だけをしてほしいし、させてあげられる」とまで言っていたのに、手に入れること以上に失うことが怖かったのか。失いたくないけど手に入れたいから賭けに出たヒドの気持ちを考えると、少しずるいようにも見えたイジンの言動。それでも「揺れてる、揺れていたい」という告白はロマンティックで言葉の響きに惚れ惚れした。
 1年越しに初雪が舞う中で一緒にいる2人を見てそっと祈る。いつかこの恋が終わる日が来たとしても、こんな愛を始めなければよかった、手に入れようとしなければよかったと悔やむことがありませんように。
 13話を見終わった後、なんだか眠れなくて、14話の予告にも出てきたトンネルシーンを見たくなった。2話のラスト、逆さの蛇口とこっそり幸せになる約束をした2人。まだ幼くて無邪気に笑っていた夏がものすごく昔のことに感じた。ただ純粋に楽しかったあの頃を思い出して、少し切なくなり、尚更眠れなくなってしまった。二十五、二十一を見る日曜の夜はどうしても眠りが浅くなってしまう。

14話(4.3視聴)
 人前では泣かない強がりなユリムが、ヒドの前で辛いと泣いたこと、泣けたこと。ユリムに起きた事はもちろん辛いけれど、支え合い、笑い合う素敵な2人の関係が変わらないことを願う。
 13話でヒドと愛し合うことをあれだけ渋っていたイジンの気持ちがようやく分かった回だった。どんなことだって2人なら乗り越えられるよ、なんて思っていたけどそんな綺麗事言えないなぁ。大人になって自分が果たすべきことがあり、役割や立場が変われば綺麗事だけじゃ済まされないこともある。学生時代の定期テストのように正解が決まっているものは少なくて、誰かにとっての正解は、誰かにとっての不正解だったりする。イジンは自分自身に置かれた状況の中で最善の判断をしたと思う(ユリムの帰化を面白おかしく盛り立てる他局とは異なり真実を伝えた)。イジンだってヒドやジウンのようにユリムを守りたかったに決まってる。そんなことができるのはみんながまだ何者でもないからだよ、なんて思う私は大人だからだろうか。学生時代、まだ私たちが何者でもなかった頃、気の合う仲間と何も気にせずに笑い合える時間がなんと尊くて美しかったかを痛感した回でもあった。
 14話冒頭の2009年のインタビュー。イジンは33歳、ヒドは29歳になったのか。2人は結婚していないようだけど、そんな事はどうでもよくて。ただ二十五、二十一を超えた2人が生きていてくれてホッとした。



15話(4.11視聴)
 ただただユリムとヒドの試合に涙がこぼれた。一生懸命に戦う2人、汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔も、乱れた髪も、全てが美しかった。
 そしてイジンとヒドにも幸せが訪れてほしい。どんな結末でも受け入れるし、受け入れたい。

16話(4.11視聴)
 イジンの「ヒドには幸せな経験だけしてほしい」、「ヒドに恥じない人になりたい」という愛ゆえの言動がこんな形になるなんて。誰も悪くない、何も悪くない、そう自分にも言い聞かせる。どんな結末でも受け入れられるなんて言ったけど、2人が一緒にいる未来があればやっぱり見たかった。ずるくてすみません。でもこの結末だから私たちの人生に光を当ててくれるのだと思う。ヒドとイジンの愛だけに限らず、人生において形にならなかったもの、形になったけど壊れてしまったものは沢山ある。でも形になることを願った瞬間、形にしたいと努力した瞬間、そのどれもが輝かしくて尊いものだから。
 2人の愛(虹)が永遠でなくても、この記憶は永遠に私を救って勇気づけてくれると思う。

[読んでくださった方へ🌈]
 最終回を迎えて各話ごとの感想を読み返すと、自分の気持ちも揺れていたり、見当違いな解釈をしていたり、何とも読みにくいなぁと思うところです。。
 ただ、このドラマをもう一度見るときに、どんな場面・言葉に感動したのか、どんなことを考えたのか、ひとつひとつ覚えておきたくて、自分のためにと書いていました。そんな自分よがりな文章を読んでくださった方へ、本当に感謝します。二十五、二十一が終わるのが本当に名残惜しいですね。

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