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おいつかなくて幸せ

あれからもう1週間だって。うそみたい。

雨大変だったね、と言い合った去年のそれをこえる雨、雨、雨。大雨!

ポンチョと長靴と、ステージの空き時間に絶えずカロリー摂取をし続けるというストイックな姿勢により、天気のしんどさはほとんど感じなかった。むしろ今年買った激かわお高めポンチョが大活躍してサイコーだぜ!!!とテンションがぶちあがった。そんな20年目のライジングサン。

先週1週間は地元のラジオ番組がライジング特集をしていて、たのしみにしていたアーティストが流れるたび早くも涙腺を刺激され、あ~本番はどうなることやら、、、とたのしく心配していたのだけど、結論からいうと20回くらい泣いたとおもう。初っ端のスカートのリハーサルから泣き、本番の名曲たちで泣き、クラムボンの全力のステージのパワーに泣き、サカナの青春曲熱唱タイムで泣き、フィッシュマンズの圧巻のステージに、バースデイのどうしようもないかっこよさに、深夜の曽我部さんの愛とやさしさと強さに、いちいちご丁寧にわんわん泣いた。

わたしの涙腺は結構ガバガバで、あまりにもたのしかったりしあわせすぎるとすぐに泣くんですけど、ライジングで涙腺を刺激されるのは音楽そのものというよりも「こんなに良い音楽に出会えて最高、ここで聴けて最高、生きてきてよかった、今年もここにこられた環境に感謝しかない、世界は平和!!!!」みたいな100m全力ダッシュの感謝パレードが始まってしまうから。頭の中がスーパーお花畑になるんですよね。あ、でももちろん純粋に音楽や空気に涙ぼろぼろになることもあります。バースデイのときがベストオブそれ。他の追随を許さないチバさんのカリスマ性(登場するだけで「国宝かよ!!!」という気持ちが溢れる)、曲間にメンバー名を叫ぶのは野太い声。男性のチバさん愛というのはなんだか美しく感じて推せる。(?)バースデイを聴き始めたのは7年前のライジングが格好良すぎたからで、7年越しに惚れ直してしまった。佇まいも曲も言葉もどうしようもなく最高。

それから今回ベストオブ涙がとまらない大賞は深夜の曽我部さんだったんですが、ほとんど知らない曲ばかりだったのだけど全てに垣間見れるやさしさにわたしとそこからみえる全社会が肯定されて、ああ泥臭くてもいきていこうね、不器用でもやっていこうね、という気持ちが4m先の曽我部さんからババーンと。ほとんどサニーデイの昔の曲しか知らないわたしにばばばばんと。ああこれは、もっとあなたの世界のこと知りたいですね、となった。

そんなわけで帰宅後はとりあえずバースデイの涙がこぼれそうを聴いてがんがん泣いて、ひと眠りしてから立派に腫れた目を持て余していたのだけど、少しずつ日常に戻りながらApple Musicでバースデイと曽我部さんをダウンロードしまくり、そして大好きなフィッシュマンズも先日アルバムが一挙解放されたので取り込み、それらをちょっとずつ聴きながら、なんとなく古本屋にいった。

古本屋では松本大洋の鉄コン筋クリートが108円の値札付き。元値800円するのに!ぴかぴかなのに!全3巻、星野源のエッセイとともにお会計。早速家で開くも、コマ割りや味のある線や個性ある街並みの描写、なんだか情報量が多くて圧倒されてしまい全然読み進まない。これはもう芸術なのでは。ちなみに2日経った今も2巻の途中までしか読めていない。こんなにすごい作品をつくるひとなら他のもぜったいみたいじゃん!じゃーん!!!!

という感じで、サニーデイも曽我部さんもバースデイもフィッシュマンズも松本大洋も、もっとあなたの世界のことしりたい!!!なひとたちがあちこちに登場したんですけど、みなさまおしなべて既に世に出してる作品がたーーくさんあるんですよね。音楽、とりあえずダウンロードするけど、曲と曲名が一致するまでどれくらいかかるのか。なんとなく流しておく音楽としてではなくて、ひとつひとつに「いいよねえこれ!!」の気持ちをもって、愛とともに記憶していくこの道のり。なんだか果てしないのだけど、この追いつかなさってかなり幸せ。どこまでいってもなにかがわたしを待っている。しあわせにしてくれる何かが。まだしらない世界があるというのはほんとうに希望なのだ。どこまでいっても、自分がしあわせになれるものをちゃんと知っていれば人生はつよい。ひとりで勝手につよい。いろんなものにちょっとずつ出会い、ちょっとずつ拾い集めて、おいつかない幸せをいつもそばにおいておく。

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