新婚旅行記2022/3/9(水)

2022年3月9日、水曜日。
新婚旅行4日目。

博多駅前のホテルで迎える朝。
朝食はバイキング。うどんがあって嬉しくなる。
実は私は福岡生まれで、小学校の頃まで福岡にいたので、舌は福岡。福岡のうどん大好き。
一方旦那は九州にはほとんど来たことがなく、九州めぐりをしたいということだったので、新婚旅行後半は九州を選択したのだった。

ホテルを出て、またレンタカーを借りる。
我々は一路熊本へ。熊本城に行くことにしていた。
熊本城周辺は、街だった。市役所や県の施設が立ち並ぶエリア。ちょっと岡山城に似ている。

熊本城に着いてまず目に入ったのは、ごろごろとした大きな石がたくさん置いてあるところ。
そして、石垣が崩れて土が剥き出しになっているところ。
熊本地震で崩れた箇所の復旧作業をしているらしい。
あまりにも大量の石を見て、これを全部積み上げ直すの……? と思うと果てしない気持ちになる。大変だな……。
石が並べてあるエリアには、石垣復旧の手順の解説板があった。
崩れた石の一つ一つに番号をつけて整理してから復旧工事をするのだとか。気が遠くなる……。

少し登ると天守閣が間近に見えてきたので、喜んで写真を撮る。
でもそれは裏手だった。
回り込むと天守閣正面。
中に入って、展示を見たり景色を眺めたり。
上からは熊本市内がよく見えたし、城郭内の建物の屋根瓦が剥がれているのも見えた。
一見、復興したように見えても、よく見ると爪痕がまだ残っているのだった。

天守閣を出て、正面からの写真もちゃんと撮ってから、周辺を歩く。
梅園の中に歩道が設置されていた。梅を見下ろせるくらいの高さの。
ちょうど梅がたくさん咲いていて、香りもしてきた。
いいお散歩ができた。

熊本城公園を出て、昼食の相談。
せっかくなので熊本名物を食べたいと思い、どんな名物があるのか調べてみると、「太平燕(タイピーエン)」というものがあるらしかった。
ではお昼はそれに決まり!
商店街にある中華料理屋さんで食べられるようだったので、そこへ向かう。

ここで路面電車に乗ってみた。
路面電車の走る街には住んだことがないので、レアな経験。
とてもレトロな車両だった。

商店街に着いてぶらぶら。
お芋のスイーツを売っているお店で、いきなり団子を買った。さつまいもが入ったお団子。これも好き。

中華料理屋さんに入って席に着くと、店員さんに「失礼ですが、同居されていますか?」と聞かれた。
はい、と答えると、テーブルに置いてあった衝立を取り払ってくれた。
熊本はそういうルールでやってるのかな。

メニューを見る。色々あった。
太平燕を求めてやってきたんだから、太平燕一択!
……と思っていたのだが、「皿うどん」の字が目に入り、途端に心が揺れる。
何を隠そう皿うどん大好きな私。
欲望に負け、名物を差し置いて皿うどんを注文してしまった。
旦那は太平燕を注文した。
太平燕は、麺が春雨のちゃんぽん、という感じらしい。美味しそう。
でも皿うどんも美味しかったよ。ごちそうさまでした。

車に戻り、熊本市街を出て、阿蘇のほうへ向かう。
目的地は草千里。そこで馬に乗りたいと思っていた。

この時、阿蘇山には噴火警戒レベル3が発表されていた。
火口に近いところは規制がかかっていて入れないが、草千里は範囲外なので大丈夫のようだった。

途中、新阿蘇大橋で車を降りた。
最近架かった新しい橋。橋の袂に、景色を眺められる空間がある。
阿蘇の山々と渓谷、その渓谷を流れる川。
川には石がごろごろしていて、上流の川! という感じだ。
旦那はこういう「ジオい*」ところが好きなので、楽しそうだった。
*ジオい…我が家の造語。地球の大地を感じる、のような意味で使っている。

橋を後にして、阿蘇の山を登っていく。
だんだん、黒い山々が周りに見えるようになってきた。
植物が生えていなくて、黒い土が剥き出しになっているのだ。
進めば進むほど、どこもかしこも黒い山になっていった。
後でわかったのだが、数日前に野焼きが行われたばかりだったそうだ。
どうりで見渡すかぎり黒いわけだ。

草千里に着いた。
広大な土地!
夏はここが緑で埋め尽くされるらしいが、今は枯れ草色。
その分、"大地"をそのまま感じられる。ジオい。

馬はどこで乗れるのかな、と見回す。
馬がいそうな小屋があったので行ってみるが、馬も人もおらずがらんとしていた。
旦那が、近くのお土産屋さんらしき建物へ聞きに行ってくれた。
その間に、私は草千里をぶらぶら歩く。
小高い丘になっているところに登ると、遠くに煙が出ているところが見えた。火口かな。

雄大な景色を楽しんでいると、旦那が戻ってきた。
聞いたところ、今の時期は乗馬はやっていないらしい。来週なら乗れた、とのこと。
なんと惜しい。
でもその代わり(?)、馬が放牧されているんだとか。
草千里の奥のほうに目をやってよく見ると、遠くに馬のような黒い影がいつくか見えた。
でも遠すぎて本当に馬なのかどうかわからない。
とりあえず、そちらのほうへ歩いていった。

近づいてみると、やっぱり馬だった。
10頭くらいいただろうか。みんな、地面の枯れ草をもぐもぐしていた。
馬の間近までたどり着いた。近くで見ると、がっしりした身体つきをしている。
可愛いなぁ、と写真を撮っていると、馬たちは急に同じ方向に歩き出した。
草千里の入口(駐車場のほう)に向かって歩いているようだった。
帰ってこいという合図でもあったのだろうか。
我々は馬と一緒に歩いた。

戻る時も時々立ち止まっては草を食べる馬たち。
そのマイペースさに癒された。
途中、水飲み場に立ち寄ってがぶがぶ水を飲んでいる子もいた。
草千里の中ほどまで来ると、馬たちはみんな歩くのをやめて立ち止まり、草をもぐもぐしだした。
帰るんじゃなかったのか。

存分に馬を愛でて、お別れ。
一緒に歩けてとても楽しかったよ。

先ほど旦那が情報を仕入れてきたお土産さんに寄る。そこでジェラートを買った。
草千里を眺めながら食べる。雄大な自然の中で食べるジェラート、最高。

馬と戯れるのが楽しすぎて、つい長居をしてしまった。草千里を後にして、次の目的地へ向かう。
次は、大観峰。阿蘇を一望できるスポット。
もう暗くなりかけていたが、ふもとの田んぼ、それを囲む山々が見事だった。
次はもっと明るい時間に来たい。

さて、本日の宿へ。
この日の宿は、これまた憧れの宿。

星野リゾート 界 阿蘇!

私は初めての星野だ。
予定よりも到着が遅くなってしまったけど、スタッフさんは気持ちよく迎えてくれた。
部屋に案内される。部屋というか、森の中に一軒家がぽつぽつ建っている感じ。
そのうちの一棟が、本日の宿。
本当に一軒家のレベルだ。星野ってすごい……。

大きなソファとテレビがあるリビング、広くて洒落てるバスルームとベッドルーム。
そして、テラスには露天風呂がついている。
部屋の中のすべてに感動して、写真を撮りまくった。

少ししたら夕食の時間。
夕食は、一品ずつ出てくるコースのスタイルだった。
どれも上品で美味しかった。特に揚げ物が好きだった。
終盤、土鍋に入ったローストビーフごはんが出てきた。
ローストビーフの周りにはしそが散らされ、真ん中にはフォアグラが乗っている。
これは阿蘇の山をイメージしているんだとか。ローストビーフが山、しそは周りの緑、フォアグラは火口。
すてき。
食べきれなかったら夜食として持ち帰れるとのことだったので、お言葉に甘えて持ち帰り分を作ってもらった。

デザートはラウンジでどうぞ、と言われたので、ラウンジの暖炉のそばに移動。
暖炉の火に癒される。
少しすると、デザートプレートが運ばれてきた。
デザートには、「おめでとうございます」の文字と界のロゴが入ったチョコレートが添えられていた!
実は部屋に着いた時にアンケートに答えたのだが、旅行の目的を新婚旅行と伝えていた。
それでこんなものを用意してくれるなんて!
嬉しい。これが星野のホスピタリティ。

写真を撮ってもらって、デザートを食べてまったりしていると、スタッフさんが写真の入った台紙を持ってきてくれた。
いま撮った写真ともう1枚、界から見た阿蘇の山を収めた写真。
まさか写真までもらえると思わなかったので、ダブルで嬉しかった。

新婚旅行4日目はもう少し続く。
この近くに、黒川温泉というところがある。
そこで「湯あかり」というイベントが行われているというので、星野を抜け出して車で黒川温泉へ向かった。
暗い夜道を走ること10分。黒川温泉に到着。近い。
川のほうへ向かうと、橙色のぼんやりとした光が見えてきた。
川には竹材でできた丸い灯籠がたくさん吊り下げられていて、その灯りが幻想的な風景を作り出している。
綺麗な灯りにしばし見惚れる。
川に光が落ちて反射して、それもまた美しい。

橋から川を眺めていると、灯りが消えた。
22時、消灯。
いられたのは少しだけだったけど、充分楽しめた。

星野に戻り、部屋の露天風呂に入る。
周りは林のようになっている。
林の中に篝火があり、それを見ながらまったり浸かった。

星野で過ごす最高に贅沢な時間。
本当はもう少し早く来て、もっと堪能したいところだった。
次に星野に行く時は、たっぷり時間を取りたい。

5日目に続く。

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