小説 | 島の記憶 第31話-発見の時-
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タネロレの言っていた大宴会が近づいた。私達巫女は、当日披露する唄の稽古に余念がなかった。私は一曲だけ歌うことになっていた。以前タネロレが言っていたこの町の最初の人から順に名前と何をやっていたかを歌う唄は、あまりに長すぎるので次回の宴会に向けて改めて稽古しようということになった。
宴会の当日の朝が来て、私たちは街の広場へ向けて出発した。神殿からは少し遠いので、私たちは早めに出発した。この日のための準備はすでに街の人たちが広場で何日も前から行っているとい