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小説 | 島の記憶[完結]

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南の島の歴史ファンタジー(連載中)
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記事一覧

連載小説 | 島の記憶  第37話[最終回] -巫女として-

前回のお話はこちら 兄に何かが懸かってきている。恐らく霊ではあるまいか。 私はアリアナ叔…

松下杏奈
3か月前
14

連載小説 | 島の記憶  第36話 -王と王妃-

一つ前のお話はこちら 集会所から連れ出された私たちは、現在は王と王妃の住む宮殿へと追い立…

松下杏奈
3か月前
12

小説 | 島の記憶  第35話 - 再会の喜び -

前のお話はこちら 日が暮れ始めて、あたりは眩しい程の茜色の日差しが雲に反射して輝いている…

松下杏奈
3か月前
11

小説 | 島の記憶  第34話 -変容-

一つ前のお話はこちら 本当にこんなことが現実に起きているのだろうか。 もう亡くなっている…

松下杏奈
4か月前
12

小説 | 島の記憶  第33話 -海原-

一つ前のお話はこちら 大海原はしんとして落ち着いていた。 波も小さく,ボートはその上をす…

松下杏奈
4か月前
12

小説 | 島の記憶  第32話 -海へ-

一つ前のお話はこちら 大宴会が終わって、私達神殿で働くものは全員休暇が取れた。 私とタネ…

松下杏奈
4か月前
12

小説 | 島の記憶 第31話-発見の時-

一つ前のお話はこちら タネロレの言っていた大宴会が近づいた。私達巫女は、当日披露する唄の稽古に余念がなかった。私は一曲だけ歌うことになっていた。以前タネロレが言っていたこの町の最初の人から順に名前と何をやっていたかを歌う唄は、あまりに長すぎるので次回の宴会に向けて改めて稽古しようということになった。 宴会の当日の朝が来て、私たちは街の広場へ向けて出発した。神殿からは少し遠いので、私たちは早めに出発した。この日のための準備はすでに街の人たちが広場で何日も前から行っているとい

小説 | 島の記憶  第30話 -月光-

前回のお話 翌朝、私とタネロレはマイア叔母さんに別れを告げ、神殿を目指した。途中、インデ…

松下杏奈
2年前
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小説 | 島の記憶  第29話 -夫婦-

前回のお話 神殿で暮らし始めて何日経っただろう。私は初めての休暇をもらい、マイアおばあさ…

松下杏奈
2年前
10

小説 | 島の記憶  第28話 -出発-

前回のお話 翌日、プアイティが朝のお告げの仕事をしている間、私はライナとインデプから交霊…

松下杏奈
2年前
8

小説 | 島の記憶  第27話 -初めての感情-

前回のお話 インデプ達は午後も遅くまで訪問者たちの相談に乗り続けた。その日は相談に来る人…

松下杏奈
2年前
8

小説 | 島の記憶  第26話 -生霊-

前回のお話 ライナの部屋を出た後、インデプは私を彼女の仕事部屋へ連れて行った。インデプの…

松下杏奈
2年前
9

小説 | 島の記憶  第25話 -相談者達-

前回のお話 その日の午後、私たちは神殿の巫女の居間で、昨日見たもう一人の巫女と会って挨拶…

松下杏奈
2年前
6

小説 | 島の記憶  第24話 -交霊-

前回のお話 廊下を出て少し歩くと、インデプはその部屋の入り口を開け、私を招き入れてくれた。中にはアリアナ叔母さんと同じ年頃の女性がいた。やはり長い黒髪の女性だった。そして同じ年恰好の男性もいた インデプは、その人達に古語で語りかけた。 「他の土地から来た巫女を連れてきましたよ。」 その人たちは古語で話しかけられたのに少し怪訝な顔をしたが、インデプはその人に私が古語なら少し理解ができると伝えてくれたようだ。 「ライナです。ようこそ神殿へ」 「マナハウです。審神者です