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11/14 瞑想としての映画体験

ゴジラ-1.0という作品を観てきました。
ネタバレ有りの感想はfilmarksに残しました。

本記事も若干のネタバレを含むので、未鑑賞の方は注意。






僕は映画体験において、没入感を重視します。

映画鑑賞は一種の瞑想です。映画は現実の自分を忘れ、作中世界を主人公の視点を通して擬似体験し、喜怒哀楽を共有するためのインターフェースです。そんなトランス状態を楽しむことこそ映画体験の基礎であり、本質だと思っています。


だからこそ、僕は鑑賞の最中に余計な思考が回ってしまうことを極端に恐れています。余計な思考によって現実世界に連れ戻された時の絶望感といったら…


以下は僕が余計な思考を巡らせてしまうパターンです。

  • 人間の能力が現実と同等であることが前提の世界観(SFやスパイ映画などの世界じゃない)のもとで登場人物が超人的な身体能力を発揮する場合(そうはならんだろ!と突っ込みたくなる)

  • 登場人物の行動を動機づけるイベントやその描写が強引或いは説得力に欠ける場合(どうしてそうなる??とつっこみたくなる)

  • 王道的展開とすら呼びたくないほど先が読める浅いストーリー

これらは鑑賞におけるノイズです。脚本・演出・演技の程度の低さが招く災厄です。

最後の一点は僕個人の鑑賞に対する姿勢の問題です。
スパイのくせに潜入先でドジを踏んでよく捕まる007のお約束は楽しめますが、これはそういう作品だからです。様式美とも呼びます。そうはならんだろとツッコムのは野暮なわけです。


しかし様式美と呼ぶに足らない、なんとも淺ましいストーリー展開が世の中にはあります。

作品の扱うテーマがシリアスであればあるほど、細部は精巧である必要があると思います。

ゴジラ-1.0は核やPTSD、生きることというシリアスなテーマを描く作品ですが、没入感は皆無でした。ノイズ塗れで、僕が思う最悪パターンを全て満たしました。

誰か口直しにいい映画を教えてください。よろしくお願いします。

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