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My Birthyear Lens

誰もがこの世に生を受けた瞬間、平等に決まるものがある。
生年月日だ。
自分が生まれた年。
自分にとって、それなりの意味があると思う。

そういう「自分にとって意味がある」数字を、機材選びで追い求める。
なかなか贅沢な話だと思う。
私は昭和の生まれなので、まず、それなりに歴史のあるメーカーでないとそのような機材は存在しない。
その中でも、シリアルナンバーから製造年を追跡できるメーカーはかなり少ない。

そんなレンズを、今回手に入れた。

SUMMILUX 1:1.4/50 1st後期型、とか2nd、とか、どの分類が正しいのかは不明。
見る人が見れば私の歳が分かる、ということです。

俗に言う「バースイヤーレンズ」である。
記録によれば、この年に作られたSUMMILUX (M) 1:1.4/50は1000本である。
世界で、たったの1000本。
数十年の時を経て、破損したり紛失されたものがあると思うので、恐らく現時点で稼働している量はそれよりも少ない。
それが中古市場に出るなんて、なかなか機会が少ないのが実情だと思う。
Leicaの中では50mmは比較的入手がしやすいとはいえ、十分に良い値段なので、色々な機材を下取りに出して、足りない部分を実費で補った。

なぜ、わざわざバースイヤーレンズに拘ったのか。
それは、自分のレンズ探索の旅を終わらせるためである。

レンズのみならず種々の沼から抜け出すためには、基本的には、以下の方法しかないと思っている。

  1. とりあえずハマりまくる

  2. 自分がやりたい表現に合致する機材を手に入れる

  3. 自分にとって特別視できるものにする

1. の方法では、運よく自分の求めるものに出会う(即ち2.に移行する)か、何らかの理由で続けられなくなるかのどちらかだと思う。
では2. から入れば良いじゃないか、となるが、そんなに簡単に自分の表現したいことを明確化出来る人は多くないと思う。しかも、表現したいことって時間が経てば変わるのよね…。

そこで推したいのが、3. である。
自分と同じ年に生まれたんなら、一生かけて付き合い一緒に修行したい。
そんな特別視できる機材、としてうってつけだと思う。
(そもそもそのレンズが一定以上の水準で自分がやりたいことを実現できるものである、という前提が必要だが。)

実際、このレンズを手に入れて私の50mmレンズ探索は終わりを迎えた(一旦…)。
50mmレンズ探索の旅は、AI AF Nikkor 50mm f/1.4Dから始まった。
当時は根っからのNikonユーザーだった。
このレンズと、F501(私とだいたい同世代)の組み合わせでフィルム写真に手を出した。そのような楽しい沼遊びをするなかで、色々と試した挙句、今手元にあるのは以下(製造年順)。

  • SUMMILUX R 50mm F1.4 3-CAM

  • SUMMICRON M 1:2/50

  • SUMMILUX M 1:1.4/50

  • LUMIX S 50mm F1.8

Leicaばかりで金持ちじゃないか、と思われるかもしれないが、学生時代からコツコツとため込んだ趣味のあらゆるものが姿を変えただけの事だ。
過去数十年の趣味向けの財産が上の4本にも息づいているのだ。

Summicronの方は私(とSummilux)より1歳年上。

さて、この同い年のレンズだが、私の性格と同じでなかなか癖がある。
また、若干距離計との連動に誤差がある気がしている。
手持ちのレンズで最も多用する50mmは、もっぱらSUMMICRONである。
このレンズは本当に信頼できる。
一方で、SUMMILUXはというと、(私の性格がそうか、は知らないが)繊細な一面がある。
この話は、また別の機会にしたい。

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