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小値賀 | 民宿 弥三


弥三 間取り図(確認用)


はっしーさんとやみーさん

 はじめての小値賀で、みぞさんが一番最初に紹介してくれたのが、はっしーさんとやみーさん。ふたりは、伝統構法で建てられた築100年を超える建物で、暮らしを育む民宿〈弥三〉を営んでいる。

 みぞさんに連れられ車で〈弥三〉に向かう。到着すると、みぞさんは引き戸をガラガラッと勢いよく開けて、弥三のなかにズンズン入っていく。昔ながらの土間を通り奥へ進んでいくと、民藝心くすぐる手作りのキッチンがある。正面の大きな窓ガラスからは、石垣と緑の茂みがみえる。二人はそこでBUMP OF CHICKENをBGMに、背中を丸めながらウニをホジホジしていた。この時期は『磯』といって、島民も申請すれば海でウニを採ることができる期間。みんなウニを食べたさに大量に採るものの、ひとつひとつ身と殻を選別する作業にヒーヒーするらしい。ふたり曰く「自分でホジホジしたら、ウニがなんであんな値段するのか分かる」とのこと。その日の夜は弥三でみんなでごはんを食べた。はっしーさんがさばく新鮮な魚に、七輪と土鍋で炊いたツヤツヤのごはん。そしてウニ。弥三の最高にかっこいい空間で、島の恵みといただきながら、美味しいお酒片手にはしやみさんとおしゃべりする。心の中で「小値賀最高!!!」と叫んだ。はしやみさんの魅力については、会えばわかるので、とりあえず小値賀でとまってみてください。

 この1年間で弥三に関わるイラストをたくさん書かせてもらった。はっしーさんとやみーさんには、小値賀以外でも東京や真鶴など各地で会っている。どこで会っても2人はいつもケラケラと大笑いしている。今年も、2人から今年の磯で採れたウニの小瓶が届いた。弥三で二人が黙々とホジホジするところを想像しながら、東京の家で頬張った。口の中に、小値賀の美しい海が広がった。


yanoyaウニ


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